東大、人類の手による最高磁場の記録を大幅に更新

2018年2月8日 06:56

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電磁濃縮法による超強磁場発生方法の模式図。(画像:東京大学発表資料より)

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 東京大学物性研究所の発表によると、2011年に同研究所が達成した世界最高磁場の最高記録730テスラ(テスラは磁束密度の単位)を自ら更新し、985テスラという史上最強の磁場を発生させることに成功したという。

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 同研究所は1970年代から超強磁場の発生とその極限環境の物性物理学における応用研究のための技術開発を行っている。

 今回の研究は、1,000テスラと言う大台への突入が人類の技術によって可能であることを、事実上立証したと言うに足る成果である。1,000テスラという環境は、自然環境、つまり地磁気の1,000万倍を突破する磁束密度であり、これを抑え込むために必要な気圧は、1平方センチメートルあたり4,000トン、すなわち400万気圧となる。

 100テスラを越える磁場を発生させるに当たっては、磁場発生コイルを意図的に破壊しなければならない。非常に高度な特殊技術が必要なものであるが、例えば爆薬を用いる爆縮法などがある。

 300テスラ以上の磁界を発生させることのできる技術として人類が現在唯一知るものは、電磁濃縮法である。巨大で特殊なコンデンサ電源に電気を貯め込み、それを瞬間的にコイルに巨大電力として流し込み、電磁力をもって磁束を濃縮、超強磁場を発生させる、というものであるが、これ以上は技術的に難解に過ぎるので説明を省略する。

 さて、1,000テスラが実現すると具体的にどういう意味があるか。簡単にいえば、原子や分子の挙動そのものが変わってしまう力が実現されるので、それを応用した基礎的な研究がさまざまに実現可能となる。また、電子の運動を縛りつけたり、超重量を持った電子を磁場によって操作するなど、応用研究は数限りなく考えられるという。

 なお、研究の詳細は、Review of Scientific Instrumentsにオンライン掲載されている。(藤沢文太)

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