ドル買いは堅調で、1ドル111円台へ 9月19日のドル円為替

2017年9月19日 14:52

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 9月4週目を迎え、円安ドル高の傾向で推移している。やはり朝鮮半島の地政学的リスクが後退しているのが、市場に大きな影響を及ぼしているのだといえる。さらに日本では10月に衆議院総選挙の可能性が高まってきており、こちらが経済への起爆剤となることも期待されている。日経平均も2万円台を回復した。

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 先週は1ドル110円86銭でクローズしているが、今週はスタートからリスク選好でドル買いの動きが強く、9月18日7:00(すべて日本時間)にはすでに1ドル111円14銭をつけていた。17:00には1ドル43銭をつけ、日付の変わった19日の3:00には1ドル111円66銭の上値をつけた。ティラーソン国務長官が北朝鮮の対応について「平和的な圧力」をかけていくと発言したことで、地政学的リスクが後退し、ドル買いの動きが加速しているのだ。ただし、北朝鮮の脅威が収まったわけではない。10月10日には朝鮮労働党創建72周年記念が予定されており、ICBMの発射や核実験などの動きにも注意が必要だ。再び地政学リスクが高まることも想定しておかねばならないだろう。

 本日は米国連邦公開市場委員会(FOMC)の1日目にあたる。本日、明日に渡ってしばらくはこちらの結果を待つ様子見ムードが続くだろう。12月の年内追加利上げに関しては据え置くという見方が強い。やはりインフレに対する懸念が払拭できないのが原因であろう。バランスシートの縮小開始は決定されると見られている。すでに織り込み済みの内容ではあるが、バランスシート正常化の動きが確定するとドル買いの大きな材料になる。2日目後のイエレンFRB議長の声明もどのような内容になるのか注目される。

 本日は21:30から8月住宅着工件数、建設許可件数、第2四半期の経常収支などが発表となる。最近の経済指標は好調な結果が多いだけに、さらにドルが堅調な動きをするのか注目だ。米国の税制改革に向けた動きも本格的になってきているだけに期待感も高まっているといえるだろう。(記事:ろひもと理穂・記事一覧を見る

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