【編集長の視点】ソレイジアは開発パイプラインの進捗を見直し直近IPO株買いが再燃し反発

2017年6月12日 09:00

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 ソレイジア・ファーマ<4597>(東マ)は、前週末9日に7円高の505円と反発して引けた。同社株は、今年3月24日に新規株式公開(IPO)されたばかりだが、開発中のパイプラインのうち2製品が、すでに承認申請済みで今2017年12月期中にも承認を取得する可能性があることを見直し、直近IPO株買いが再燃した。テクニカル的にも、日柄では上場来高値からほぼ1カ月、値幅でも上場来安値から上場来高値までの上昇幅の3分の1押し水準で値固めを続け、日柄・値幅調整の目先一巡感を示唆していることも、再発進期待を強めている。

■「SP-01」、「SP-03」は申請完了済みで今12月期中に承認取得も

 同社は、2007年1月に設立された創薬ベンチャーで、創薬政策は、リスクの大きい基礎研究、非臨床開発の上流部門を持たず、成功確度の高い臨床開発の中流部門と販売、マーケティングの下流部門に特化する独自のビジネスモデルを展開している。開発中のバイプラインも、がん化学療法剤投与に伴う悪心・嘔吐予防の経皮吸収型製剤「SP-01」は、2014年6月に中国当局に申請完了済みで承認審査中にあり、またがん化学療法、放射線療法誘発性口内炎の疼痛緩和の医療機器「SP-03」も、2016年5月に中国当局、2016年10月に日本当局にそれぞれ申請完了済みで承認審査中と進捗し、それぞれ今期中にも承認を取得する可能性がある。さらに再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫治療薬「SP-02」は、承認申請の前段階の最終試験の国際共同第Ⅱ相臨床試験を2016年3月から日本、韓国、台湾、香港で実施中だ。3新薬候補は、日本や中国の製薬会社に導出しており承認取得後にマイルストーンを受領予定で、販売体制も、自社や導出先とともに構築している。

 今12月期業績は、開発体制の強化負担や販売開始のための準備費用が重なって売り上げ4億2300万円(前期比15.6%減)、営業利益17億8700万円の赤字(前期は4億6200万円の赤字)、税引前利益17億9300万円(同4億9400万円の赤字)、純利益17億9800万円の赤字(同4億7400万円の赤字)と連続の水面下推移を見込んでいる。ただ、赤字幅は、創薬ベンチャーとしては小幅にとどまっていることから業績浮上期待にもつながっている。

■3分の1押し水準で値幅・日柄調整一巡感を強め急騰特性再現期待高まる

 株価は、185円の公開価格でIPOされ、IPO株として低位の値ごろが魅力として234円で初値をつけ、いったん上場来安値219円へ下ぶれたが、同安値から再三再四にわたるストップ高を交えて上場来高値652円まで急騰し、公開価格比3.5倍、初値比2.7倍と大化けした。最高値後は、IPO株の定石通りに利益確定売りが交錯して478円安値まで下値を探り、同安値からまたまたストップ高して566円へリバウンドするなど、上場来安値から上場来高値までの上昇幅の3分の1押し水準固めを約1カ月続けてきた。目先調整一巡感を示唆しているもので、IPO以来、再三ストップ高を演じた急騰特性再現期待を強めて再騰展開が有力視される。(本紙編集長・浅妻昭治)

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