ヤマト運輸とDeNA、無人宅配を視野に「ロボネコヤマト」実用実験開始

2017年4月17日 09:38

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ロボネコヤマトの実験に使われる車両。(画像:ヤマト運輸発表資料より)

ロボネコヤマトの実験に使われる車両。(画像:ヤマト運輸発表資料より)[写真拡大]

 ディー・エヌ・エー(DeNA)とヤマト運輸は、4月17日から2018年3月31日までの間、自動運転社会の到来を見据えた次世代物流サービス、「ロボネコヤマト」プロジェクトの実用実験を開始する。この実験においては原則としてドライバーが有人運転を行うが、将来的には、完全自動運転車による無人宅配サービスの実現を視野に入れた実験の始まりである。

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 さて。現在、ヤマト運輸を中心に、宅配業界には激震が走っている。もう一つの震源はAmazonである。Amazonを代表とするインターネット通販の需要拡大が宅配業界の過重労働と人手不足を招いている、という話で、最新の話題は、Amazonの即日配達サービスの受注からクロネコヤマトが手を引くか引かないか、という件だ。

 だがしかし、未来の話に過ぎないとはいえ、通信販売がインターネット画面へのワンクリックで行えるようになったように、宅配・物流の過程も無人化してしまえば、少なくとも人手不足や過重労働といったような問題は雲散霧消するわけである。

 実験の詳細をもう少し見てみよう。実験は神奈川県藤沢市の一部地区(国家戦略特区)で行われる。導入されるサービスは2つである。

 1つは、オンデマンド配送サービス「ロボネコデリバリー」。望むときに望む場所へと荷物を運んでもらい、ただし車からの受けおろしは受取人自身が行う、という、無人化を視野に入れたサービスである。

 2つ目は、「ロボネコストア」。インターネット上の仮想モールから対象店舗(現実に存在する商店街など)の商品を一括購入できる。これも受けおろしは自分で行うわけだが、冷蔵・冷凍品にも対応する、というのが特徴だ。

 これが本当に国内全域で普及段階に入るためには色々とまだまだ必要な技術的革新も法的整備もあろうし、今日の明日のでどうにかなるようなものではないが、しかし10年後、20年後の「物流」を考えると、今から楽しみになる話である。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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