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「決断の速さ」で気をつけなければいけないこと
あるウェブコラムに、「できる社員が実は会社を弱くする」という記事がありました。
例えば、「仕事を大量にこなし、的確にさばくのが得意な人」「目の前の仕事で、人よりも高い実績を上げる人」は、“仕事ができる人”と評価されると思いますが、そういう人の場合、仕事の意味や目的を考えず、本当の意味での優先順位がつけられていなかったり、必要な仕事なのかどうかを考えないで、目の前の仕事を“流れ作業的”に片付けていたりする可能性があるのだそうです。無駄な業務がいつまでもなくならず、仕事の効率化にならないということです。
そんな指摘をされると、確かに思い当たるところがあります。
他にもいくつかの項目が挙げられていましたが、その中で私が一番気になったのは、「決断が速い人」という部分でした。そういう人も同じように“仕事ができる人”と見られるでしょうし、一般的にはリーダーに必要な素養とも言われる部分でしょう。「決断して方向を示すこと」はリーダーのあるべき姿と言われるところです。
私自身も仕事をする上で、「考えても仕方がないことは先延ばしせずにすぐ決める」ということは意識しているところなので、「決断の速さ」に問題があると思ったことはありません。早く決められるのならば、それに越したことは無いと思っていました。
ただ、この記事によると、「決断の速さ」の中には自分の過去の成功体験や狭い知見だけで、反射的に処理していることが数多く含まれていて、新しい情報を広い視野で考えれば良い判断ができたかもしれないことを放棄していることになるとのことでした。
自分に置き換えて考えてみると、確かに早く判断するための根拠は自分の経験であり、その範囲には当然限度があります。自分がベストと思っていても、もっと良い方法がある可能性は大いにありますし、自分の経験に自信があればあるほど、そのことに対する「決めつけ」は強くなってしまうでしょう。あらためて振り返ってみると、反省しなければならないことがずいぶんたくさんあるように感じました。
これを防ぐためにどうするかを考えると、結局は「仕事の目的を考え、視野を広く保つ努力をし、その状況に応じて適切な速さで判断する」ということしかありません。「言うは易く、行うは難し」ですが、そういう意識を持ち続けるしか改善する方法はありません。
思えば「“決断の速さ”は良いことである」と捉えていたこと自体が、そもそも“決めつけ”であるとも言えます。
リーダーとして、「決断の速さ」がただの条件反射になっていないかということには、十分に気を付けなければなりません。
※この記事は「会社と社員を円満につなげる人事の話」からの転載となります。元記事はこちら。
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