三菱商事、ローソン子会社化へ 3位転落から這い上がれるか

2016年9月22日 08:21

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記事提供元:エコノミックニュース

三菱商事はコンビニ大手ローソンを子会社化するためにTOBを実施すると発表。

三菱商事はコンビニ大手ローソンを子会社化するためにTOBを実施すると発表。[写真拡大]

 16日、三菱商事<8058>はコンビニ大手ローソン<2651>を子会社化するために株式公開買い付けを実施すると発表した。出資比率を33.4%から50.10%に引き上げるという。1株あたりの買い付け価格は8,650円で、投資額は1,440億円程度になる見込み。

 コンビニの店舗数は現在約18,860店のセブンイレブン<3382>がトップ。1日にはサークルKサンクスを抱えるユニグループ・ホールディングスとファミリーマートが経営統合してユニー・ファミリーマートホールディングス<8028>になり、複数あるコンビニブランドは2018年度までにブランドの統一を終える方針。セブンイレブンと同規模の18,123店にまで増え、ローソンを追い抜き2位に浮上した。ローソンは12,537店で、3位に順位を落としている。

 大手商社は資源価格が下落した影響で苦戦を強いられており、小売りなどの非資源分野を強化している。三菱商事も例外ではなく、創業以来初めて当期損益が赤字に転落。16年4月に始動した3ヶ月中期経営計画においては、資源分野の投資残高を増やさず、非資源分野の中でも強みを活かせる事業に投資するとしている。

 三菱商事の垣内威彦社長は就任当初である4月から、事業投資から事業経営へと転換を図ると述べていた。三菱商事の生活産業グループが管轄しているローソンの子会社化が実現すれば、コンビニ事業の経営に本腰を入れることになり、事業経営への転換が加速するだろう。今年6月には三菱商事出身の竹増貞信氏がローソンの社長に就任し、連携を強めていた。

 また、三菱商事のネットワークを通じて、ローソンの海外展開が加速するとみられている。海外で現地のパートナー選びから物流業者や商品メーカーなどをひっくるめたパッケージとしてバリューチェーンを築き、ローソンの海外進出を強力にバックアップする。三菱商事はすでにインドネシアでバリューチェーンの構築に着手。ローソンの海外展開の成功を左右する大きな鍵になるだろう。競争が激化するコンビニ業界で、改めて存在感を示すのは容易ではない。(編集担当:久保田雄城)

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