すばる望遠鏡、ビッグバンからわずか7億年後の宇宙にある銀河を7個発見

2014年11月20日 18:56

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今回の観測で見つかった131億光年先のライマンα輝線銀河(LAE銀河)のカラー画像。

今回の観測で見つかった131億光年先のライマンα輝線銀河(LAE銀河)のカラー画像。[写真拡大]

 東京大学などによる研究グループは、すばる望遠鏡の広視野カメラSuprime-Camを用いて、ビッグバンからわずか7億年後の宇宙にある銀河を7個発見することに成功した。

 138億年前にビッグバンで生まれた宇宙は、プラズマ状態の陽子と電子で満たされており、ビッグバンから約40万年後くらいには陽子と電子が結びついて中性水素へと変わった。しかし、その後、星や銀河ができ始めたため、それらが放つ紫外線によって中性水素が再び陽子と電子に分かれる宇宙再電離が起きた。

 今回の研究では、宇宙再電離を調べるために、131億年離れたところにある、水素原子のライマンα輝線という光で明るく見える銀河(LAE銀河)を観測した。その結果、ビッグバンからわずか7億年後の宇宙にある銀河を7個発見することに成功した。当初は数十個の銀河が見つかると予想されていたが、今回の測定結果は、7億年後くらいにLAE銀河が『突然』姿を現した可能性を示唆している。

 研究メンバーは、「私たちは将来の研究で、Suprime-Camより視野が7倍ほど広いHSC(Hyper Suprime-Cam, 超広視野主焦点カメラ)やハワイ・マウナケア山頂で建設が始まったTMT(Thirty Meter Telescope, 30 メートル望遠鏡)を使った観測を行います。これにより私たちは、宇宙再電離がどう起きたのか、銀河がどのように生まれたのかという謎を解き明かすことになるでしょう」とコメントしている。

 なお、この内容は11月20日に「The Astrophysical Journal」に掲載される。

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