地方創生のメニューには徹底的な検証が必要

2014年10月6日 11:20

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記事提供元:エコノミックニュース

安倍内閣が掲げている「地方創生」。政府は9月29日に「まち・ひと・しごと創生法案」を閣議決定した。有識者をまじえた会合を開き、過去の施策の効果検証を行い、この法案の成立を今国会で図り、総合戦略・長期ビジョンとして年内に取りまとめる。

安倍内閣が掲げている「地方創生」。政府は9月29日に「まち・ひと・しごと創生法案」を閣議決定した。有識者をまじえた会合を開き、過去の施策の効果検証を行い、この法案の成立を今国会で図り、総合戦略・長期ビジョンとして年内に取りまとめる。[写真拡大]

 安倍内閣が掲げている「地方創生」。政府は9月29日に「まち・ひと・しごと創生法案」を閣議決定した。有識者をまじえた会合を開き、過去の施策の効果検証を行い、この法案の成立を今国会で図り、総合戦略・長期ビジョンとして年内に取りまとめる。このために、施策効果を検証するチームを本部の事務局に設置し、有識者も交えて検証を行っていく。この事務局の目的は、予算のばらまきにならないよう、そして、各府省で重複した事業にならないようにすることだ。

 安倍首相も「この国会に求められているのは若者が将来に夢や希望を持てる地方の創生に向けて力強いスタートを切ることだ」と所信表明で述べた。また、安倍首相は、国主導ではなく、地方の自主的な取り組みを国が後押しすると役割を変え、客観的な現状分析を踏まえた数値目標を設定し、厳格な検証を行い、効果の高い政策を集中的に実施していくと述べ、検証の必要性を強調している。

 たしかに、1988年から始まった「ふるさと創生」では各市区町村に対し資金1億円を地方交付税として交付した。しかし、この施策は必要のない公共施設を建設したり、イベントを実施したり、使い道に困った自治体が苦心の末取り組んだ事業が「バラマキ」として批判された。

 政府が成長戦略に盛り込んだメニューについては、ふるさと納税のパワーアップ、特産品の販売支援など目新しいものはないとの批判もあり、実際、来年度予算に向けての各府省の概算要求についても、同様の声もある。

 各府省の縦割りを断固排除し、バラマキ型の対応を「絶対に」しないよう調整するよう安倍首相は石破地方創生担当相に指示を出している。日本経済新聞の世論調査では、地方の活性化や人口減少対策などの「地方創生」についての質問に、「期待できる」との回答は35%、「期待できない」の47%を下回った。実際、バラマキになると危惧され地方創生、検証をすることは正しいだろう。徹底的な検証を期待したい。(編集担当:久保田雄城)

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