岡山大、クラゲの蛍光タンパク質で血中がん細胞の遺伝子変異を検出する技術を開発

2014年7月8日 22:38

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今回の研究の概要を示す図(岡山大学の発表資料より)

今回の研究の概要を示す図(岡山大学の発表資料より)[写真拡大]

 岡山大学の藤原俊義教授・重安邦俊医師らによる研究グループは、オワンクラゲの緑色蛍光タンパク質(GFP)の遺伝子を組み込んだウイルス「テロメスキャン」を利用して、血中がん細胞の遺伝子変異を高感度に検出する技術を、世界で初めて開発することに成功した。

 がん細胞の遺伝子変異を調べる方法はこれまでにも開発されてきたが、従来の方法は手術や注射などが必要であった。

 今回の研究では、オワンクラゲの緑色蛍光タンパク質(GFP)の遺伝子を組み込んだウイルス「テロメスキャン」を用いて、血液中のがん細胞を緑色に光らせることに成功した。この方法では、上皮間葉転換という従来の上皮系マーカーが見落とすがん細胞まで捕捉することが可能で、手術や針によってがん細胞を採取する必要もない。

 今後は、さらに臨床研究を進めることで、がん患者に負担の少ない医療が提供できるようになると期待されている。

 なお、この内容は英国科学雑誌「Gut」の電子版に掲載された。

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