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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】朝日ラバーは出直り体制整う、低PBR
車載照明用ゴム製品の朝日ラバー <5162> (JQS)の株価は、水準切り上げの動きを強めて強基調に転換したようだ。低PBRにも見直し余地があり、9月高値を試すだろう。
自動車内装照明関連などの工業用ゴム製品を主力として、スポーツ用ゴム製品(卓球ラケット用ラバー)や医療・衛生用ゴム製品(点滴輸液バッグ用ゴム栓など)も展開している。シリコーンゴムをベースにした製品開発に強みを持ち、車載用小型電球の光源カラーキャップ「ASA COLOR LAMPCAP」や、車載用LED照明の光源カラーキャップ「ASA COLOR LED」などを主力製品としている。
車載用「ASA COLOR LED」は従来の高級車向けに加えて、小型車や軽自動車向けにも採用が拡大している。さらに新製品・新規分野の拡販も推進する方針で、機能製品のRFIDタグ用ゴム製品を増産し、NEC <6701> のポータブルDNA解析装置向けマイクロ流体チップの量産準備を進めている。
今期(14年3月期)連結業績見通しについては11月13日に修正した。売上高は2億円増額して前期比14.8%増の55億円、営業利益は30百万円減額して同62.4%増の2億20百万円、経常利益は15百万円増額して同50.5%増の2億10百万円、純利益は10百万円増額して同56.3%増の1億20百万円とした。
下期に量産開始するプレフィルドシリンジ(薬液充填済み注射器)向けガスケットの新製品立ち上げ費用、来期(15年3月期)に量産開始するマイクロ流体チップの試作開発・量産準備費用などで営業利益を減額したが、米国自動車市場の好調や円安進行を背景に、車載用「ASA COLOR LED」など自動車関連製品が好調に推移している。前期低調だったスポーツ用・医療用ゴム製品も顧客側の在庫調整の影響が一巡し、営業外での為替差益など円安メリットも寄与する。
第2四半期累計(4月~9月)は大幅増収増益となり、通期見通しに対する進捗率は売上高が50.1%、営業利益が54.1%、経常利益が57.1%、純利益が64.2%と概ね順調な水準である。通期上振れの可能性もあるだろう。
株価の動き(効力発生日12月2日で単元株式数を500株から100株に変更)を見ると、足元は概ね310円~320円近辺で推移しているが、9月30日に年初来高値となる362円、さらに11月13日に359円まで急進するなど動意付く場面もあり、水準切り上げの動きが続いている。
12月5日の終値320円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS26円39銭で算出)は12~13倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は2.5%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS652円12銭で算出)は0.5倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形であり、強基調に転換した可能性がありそうだ。指標面の低PBRにも依然として見直し余地が大きく、9月末の高値を試すだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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