良好な雇用統計で米緩和の早期縮小懸念、でも株高なのはなぜ?

2013年11月13日 08:49

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記事提供元:フィスコ


*08:49JST 良好な雇用統計で米緩和の早期縮小懸念、でも株高なのはなぜ?
先週末8日に発表された10月の米雇用統計では、非農業部門の雇用者数が20万4000人増加し、ブルームバーグがまとめた市場予想の12万人を大幅に上回った。これを受け、米連邦準備理事会(FRB)が量的金融緩和策を早期に巻き戻すとの思惑が再燃し、一部では年内の縮小開始もあり得るとの見方も台頭している。

FRBが緩和策を巻き戻せば市場に流れる資金量が少なくなるため、株式相場などのリスク資産が売られる傾向が強まる。ただ、8日の米国株式市場ではダウ平均株価が前日比1.08%の大幅高で取引を終了した。

今回、「良好な雇用統計→早期の緩和縮小懸念→株安」というロジックが働かなかったのは「リスクオン・リスクオフ」のスイッチがリスクオンに傾いたためとの見方がある。

英銀HSBCの分析によると、“サプライズ(良かれ悪しかれ)”と“株価”の関係は歴史的に見て弱いという。ただ、世界経済に対する懸念が高まっている状況ではこの関係は強く働き、サプライズに市場が反応しやすくなるそうだ。

今回の雇用統計が株高につながったのは、緩和縮小と米金利上昇が「経済成長を伴ったもの」との解釈が市場で優勢となり、投資家が“リスクオン”に傾いたためとみられる。

とはいえ、新興国市場では株価がさえない。特に経常赤字国のインド株式相場は11月3日に過去最高値を付けてから一本調子の下落。インドネシアのジャカルタ総合指数も雇用統計明けの11-12日だけで2.1%下落した。

一方、先進国である日本、ホットマネーの流入が抑制されている中国、輸出立国である韓国市場はそろって堅調な値動き。日本は米金利上昇で「日米金利差拡大による円安→株高」という構図、韓国は主要輸出先である中国や米国の経済成長がリスクオンの株高につながった可能性が高い。《RS》

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