【アナリスト水田雅展の銘柄分析】カナモト株価は新たな上昇局面入り、先ず3000円台

2013年9月18日 07:30

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  建設機械レンタル大手のカナモト <9678> の株価が年初来高値を更新している。今期(13年10月期)好業績見通しに加えて、20年夏季五輪東京開催も支援材料だ。短期調整を挟みながら新値追い展開だろう。

  建設機械レンタルを主力として、海外向けの中古建設機械販売、土木・建築工事用鉄鋼製品の販売、IT機器レンタル、イベントレンタルなども展開している。北海道が地盤だが、全国展開に向けて東北、関東、近畿・中部、九州にも営業拠点網拡充を進めるとともに、12年6月に道路建機レンタルと道路工事施工のユナイトを子会社化するなど、グループ戦略やアライアンス戦略も強化している。

  9月6日に発表した今期第3四半期累計(12年11月~13年7月)の連結業績は前年同期比36.7%増収、同98.2%営業増益、同2.2倍経常増益、同72.7%最終増益だった。公共投資増加などで建設機械レンタルの稼動が高水準に推移した。前期に子会社化したユナイトの連結に加えて、グループ企業との連携、営業拠点拡充などの効果も寄与して、特に関東地区や近畿地区の売上が大幅に増加した。営業外収益では為替差益の計上も寄与した。

  通期見通しは前回予想(5月31日に増額修正)を据え置いて、売上高が前期比20.1%増の1034億10百万円、営業利益が同48.8%増の95億70百万円、経常利益が同55.6%増の92億30百万円、そして純利益が同26.7%増の45億30百万円としている。

  負ののれん発生益が一巡するが、震災復旧・復興・除染関連工事、全国的な防災・減災関連工事、老朽化インフラの補修・維持メンテナンス関連工事などが順調であり、建設機械の稼働率が高水準に推移する。通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が77.6%、営業利益が87.9%、経常利益が90.1%、純利益が103.9%と高水準であり、通期再増額の可能性が高いだろう。

  株価の動きを見ると、9月6日に発表した第3四半期累計業績を好感する形で9月11日に2784円まで上伸し、5月の高値2763円を突破して年初来高値を更新した。さらに9月17日には前日比112円(4.14%)高の2820円まで上伸する場面があり、新値追いの展開となっている。

  9月17日の終値2796円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS137円99銭で算出)は20~21倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は0.7%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1221円56銭で算出)は2.3倍近辺である。

  週足チャートで見ると、26週移動平均線がサポートラインとなって短期モミ合い展開から上放れた。今期再増額の可能性を考慮すれば指標面に割高感はなく、好業績見通しを評価して新たな上昇局面に入った形だろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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