シリア情勢、急展開

2013年9月10日 09:32

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記事提供元:フィスコ

*09:33JST シリア情勢、急展開
今週の大きな懸念材料の一つだった米軍の対シリア軍事行動が遠退いている。まずオランド仏大統領が7日、国連調査団の報告書が今週末に提出される見通しを示し、米議会の採決は12-13日に行なわれ、決断は14日以降に持ち越される見通しを示した。同時に、オバマ政権による米議会工作の難航が伝えられた。

これを受け、9日、ケリー米国務長官は「全ての化学兵器を来週中に引き渡せば、軍事攻撃を回避」の可能性に言及。「信じ難いほどの小規模かつ限定的な」軍事行動で十分との見解を示した。一方、ロシア外相とシリア外相がモスクワで会談。ロシアが化学兵器の国際管理受け入れを要請し、シリア外相は提案を歓迎した。また、国連はシリアの化学兵器を安全に保管、破壊できる場所へ移動させるよう求める考えを示し、安保理に提案するよう要請する意向を表明した。
ただし、化学兵器の出所は諸説紛々。イラク・旧フセイン政権が隠したもの説から、サウジやグルジアから持込まれた反政府軍のもの説まであり、そう簡単に管理出来るようには思えないが・・・。

背景に、本格審議に入った米議会の混迷と米世論の反対がある。9日発表のロイター/イプソス世論調査によると、軍事介入反対が63%、8/30の53%から拡大した。とりわけ、化学兵器の使用が事実でも介入すべきではないが、44%から52%に拡大し、過半数を超えた。オバマ大統領は10日に国民向けテレビ演説を行なう予定だが、逆転は難しそうだ。議会が反対すればオバマ大統領は攻撃を見送ると見られており、軍事介入そのものが当面消える可能性も考えられる。

穿った見方では、オバマ大統領は本来なら介入を避けたい本音を持ち、苦渋を演出しながら、世論や議会を(介入に圧力を掛ける)産軍複合体への楯に使っているとの観測もある。反面、介入が実施されなければ、シリア反政府軍や反アサド政権勢力(サウジ、イスラエルなど)の孤立感、反オバマ色を深める恐れもあろう。《MK》

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