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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ユーグレナは9月末株式分割に向けて再人気化の可能性、中期成長力を見直し
ユーグレナ <2931> (東マ)に注目したい。株価はバイオ関連人気が離散し、急騰後の反動局面で軟調展開だ。ただし中期成長力を見直す動きが強まり、9月末の株式分割に向けて再人気化の可能性があるだろう。
05年5月設立の東京大学農学部発ベンチャー企業で、12年12月東証マザーズ市場に新規上場した。05年12月に沖縄県石垣島において、世界で初めて微細藻類「ユーグレナ(和名:ミドリムシ)」の食品としての屋外大量培養に成功し、現在は世界で唯一「ユーグレナ」を数十トン規模で商業屋外大量培養している。
「ユーグレナ」は体長約0.05mmの微細藻類で1660年代に発見された。植物と動物の両方の性質を持ち合わせていることが特徴で、優れた光合成能力とビタミン類や必須アミノ酸など59種類の豊富な栄養素が、食料問題や環境問題の解決の一助を担う素材として注目されてきた。
こうした特徴を持つ「ユーグレナ」の利用可能性は多岐に及ぶため、石垣島における屋外大量培養技術をベースにして「Food=食料」「Fiber=繊維」「Feed=飼料」「Fertilizer=肥料」「Fuel=燃料」の順に、重量単価(kg当たり売価)の高い分野から順次参入する「バイオマスの5F」を中長期的な基本戦略としている。
■植物と動物の両方を合わせ持つ『ユーグレナ』、抜群の光合成で環境問題解決に有望
機能性食品や化粧品などのヘルスケア関連事業で安定的なキャッシュフローを創出しながら、さらに将来収益の獲得に向けてエネルギー・環境関連事業への投資を進める戦略だ。品質改良によって油脂生産性が高い、増殖速度が速いなどの特徴を有した「ユーグレナ」株を保有していることも強みだ。
現在の収益柱はヘルスケア関連事業で、機能性食品や化粧品のOEM供給に加えて、自社ECサイト「ユーグレナ・ファーム」で青汁タイプの「緑汁」などの直販を強化している。粉末原料の販売は伊藤忠商事<8001>が担当している。13年3月には「ユーグレナ」の受託生産と微細藻類「クロレラ」の食品向け生産・販売を手掛ける八重山殖産(沖縄県石垣市)を完全子会社化した。
研究開発面では「ユーグレナ」を活用した機能性食品、化粧品、飼料、医療用パラミロンフイルム、水質浄化技術、バイオジェット燃料などの開発に加えて、低コスト化へ向けた「ユーグレナ」自体の改良にも取り組んでいる。注目のバイオジェット燃料への事業展開は18年に技術確立、20年に実用化を目指し、10年から日鉱日石エネルギー、日立プラントテクノロジーと共同で研究開発に取り組んでいる。
大学などとの共同研究・開発に取り組むとともに、文部科学省所管の科学技術振興機構(JST)が実施する「戦略的創造研究推進事業」、経済産業省所管の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施する「戦略的次世代バイオマスエネルギー利用技術開発事業」、経済産業省が実施する「戦略的基盤技術高度化支援事業」に参画して助成金を受けている。
業績を見ると、今期(13年9月期)第3四半期累計(12年10月~13年6月)の連結業績は売上高が13億96百万円、営業利益が74百万円、経常利益が1億48百万円、純利益が4億12百万円だった。化粧品のOEM供給開始が第4四半期(7月~9月)に遅れたが、収益性の高い自社ECサイトでの直販が好調だった。第3四半期(4月~6月)には八重山殖産の新規連結も寄与した。また営業外収益で助成金77百万円(4件)、特別利益で八重山殖産の子会社化に伴う負ののれん発生益3億22百万円を計上した。
セグメント別に見ると、ヘルスケア事業は自社ECサイトの顧客数増加などで売上高が13億91百万円、利益(全社費用等調整前)が3億44百万円だった。ECサイトの顧客数推移を見ると、第3四半期末の6月は第2四半期末の3月に比べて約7割増加の8266人となった。特に定期購入者が大幅増加基調であり、安定的なキャッシュフローの創出に寄与している。エネルギー・環境事業は受託研究の売上高が4百万円だったが、バイオ燃料関連の研究開発費計上で利益は82百万円の赤字だった。
通期の連結業績見通しは前回予想(5月14日公表)を据え置いて売上高が20億55百万円、営業利益が1億34百万円、経常利益が2億25百万円、純利益が4億45百万円としている。前期非連結ベースとの比較で29.7%増収、56.3%営業減益、30.8%経常減益、2.3倍最終増益である。知名度向上のための広告宣伝費増加などで営業減益、経常減益だが、負ののれん発生益計上で純利益は大幅増益の見込みだ。
通期見通しに対する第3四半期累計の進捗率は売上高が67.9%、営業利益が55.2%、経常利益が65.8%、純利益が92.6%である。営業利益の進捗率が低水準に見えるが、自社ECサイトでの直販は四半期ベースで大幅増収基調であり、第4四半期には化粧品のOEM供給開始も寄与する。営業利益段階での通期見通し達成は可能だろう。
なお9月3日には「ユーグレナの生産拡大に係る先端生産設備導入」が、経済産業省「円高・エネルギー制約対策のための先端設備等投資促進事業費補助金」として採択されたと発表し、補助対象額(最大額)は1億94百万円としている。
来期(14年9月期)の連結業績については、研究開発費の増加や研究助成金の変動の影響を受け、負ののれん発生益一巡も影響して純利益は減益の可能性だが、収益性の高い自社ECサイト「ユーグレナ・ファーム」の直販拡大、化粧品OEM供給の本格化、八重山殖産の通期連結などで大幅増収、大幅営業増益が予想される。
今期終了後に中期計画の発表を予定している。当面の重点戦略として「豊かな太陽に恵まれた石垣島ですくすく育つユーグレナ」というイメージ戦略で、収益性の高い自社ECサイト「ユーグレナ・ファーム」での直販を一段と強化するようだ。このため営業利益率の向上が期待される。さらに、ペットフード関連や医療関連などOEM供給案件も増加する模様であり、来期以降の収益上乗せ要因となるだろう。
なお6月25日に株式分割を発表し、9月30日を基準日(効力発生日10月1日)として1株を5株に分割する。4月1日付の株式5分割に続いて今期2回目の株式分割となる。
株価の動きを見ると、5月1日の上場来高値1万6510円から反落して水準を切り下げ、軟調展開となっている。8月28日には5000円台を割り込んで、直近安値となる4965円まで調整する場面があった。バイオ関連人気が離散して急騰の反動局面のようだ。ただし9月3日には補助金発表も好感して、前日比890円(17.73%)高の5910円まで急反発する場面があった。5月の高値から約3割の水準で調整がほぼ一巡した形だろう。
9月5日の終値5890円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS34円22銭で算出)は172倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線に続いて26週移動平均線も割り込んで調整局面だ。ただし日足チャートで見ると、足元で25日移動平均線を回復して底打ち感を強めている。中期成長力を見直す動きが強まり、9月末の株式分割に向けて再人気化しそうだ。当面のターゲット水準は26週移動平均線突破の7500円~8000円近辺だが、7月の戻り高値7980円を突破すれば本格出直りが期待される。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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