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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】朝日ラバー頑強にモミ合う、5月高値に対し9合目
車載照明用ゴム製品の朝日ラバー <5162> (JQS)の株価は小動きだが堅調に推移している。5月の年初来高値320円に対し290円前後で頑強にモミ合っている。指標面の低PBRに見直し余地があり、きっかけ次第でレンジ上放れが期待される。
自動車向けなどの工業用ゴム製品を主力として、スポーツ用ゴム製品(卓球ラケット用ラバー)や、医療・衛生用ゴム製品(点滴輸液バッグ用ゴム栓)などにも展開している。シリコーンゴムをベースにした製品開発に強みを持ち、車載用の小型電球の光源カラーキャップ「ASA COLOR LAMPCAP」や、車載用のLED照明の光源カラーキャップ「ASA COLOR LED」などを主力製品としている。
■第1四半期は営業利益58%増益、第2四半期を増額
8月9日に発表した今期(14年3月期)第1四半期(4月~6月)の連結業績は前年同期比13.4%増収、同58.6%営業増益、同3.1倍経常増益、同3.4倍最終増益だった。車載用「ASA COLOR LED」など自動車関連製品が増加し、卓球ラケット用ラバーなども堅調だった。営業外収益での為替差益や補助金収入も寄与した。
第1四半期の好調を受けて第2四半期累計(4月~9月)の見通しを増額修正し、売上高が前回予想比1億円増額の27億円、営業利益が同32百万円増額の1億20百万円、経常利益が同51百万円増額の1億15百万円、純利益が同34百万円増額の70百万円とした。
通期の見通しは前回予想を据え置いて、売上高が前期比10.7%増の53億円、営業利益が同84.5%増の2億50百万円、経常利益が同39.8%増の1億95百万円、純利益が同43.3%増の1億10百万円としている。
車載用は米国自動車市場の好調、円安に伴う日系自動車メーカーの生産台数増加などで好調が予想され、前期低調だったスポーツ用や医療用も顧客側の在庫調整の影響が一巡する。円安メリットも寄与して営業損益の大幅な改善が期待される。通期見通しに対する第1四半期の進捗率は売上高が26.1%、営業利益が26.0%、経常利益が37.9%、純利益が43.6%であり、通期上振れの可能性があるだろう。
株価の動きを見ると、5月14日に年初来高値320円を付けた後は、概ね280円~300円近辺の狭いレンジでのボックス展開が続いている。ただし第2四半期累計の増額修正を好感して8月9日には302円まで上伸し、レンジ上放れの動きを強めた。
■PBRはわずか0.4倍
8月23日の終値290円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS24円19銭で算出)は12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は2.8%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS652円12銭で算出)は0.4倍近辺である。
週足チャートで見ると13週移動平均線を挟む展開だが、戻り高値圏で堅調に推移している。指標面の低PBRにも見直し余地があり、きっかけ次第でレンジ上放れが期待される。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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