市場にネガティブインパクトを与え続ける麻生財務相

2013年8月19日 07:57

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記事提供元:フィスコ


*07:57JST 市場にネガティブインパクトを与え続ける麻生財務相
安倍首相が法人税減税の検討を指示したとの報道を受けリバウンド基調を強めていた日経平均株価(及びドル円)だが、15日に麻生財務相が同事実を否定(菅官房長官も同様に否定)、さらに法人税減税は効果が少ないとして法人税減税自体について否定的な発言したことが伝わると日経平均は一気に300円程度大幅下落し軟調な展開となった。 麻生財務相が法人税減税に否定的なのは、法人税を納めている企業が3割程度にとどまっていることを根拠にしている。しかし、日本の法人税は米国と並んで世界最高水準である。米国は法人税減税について検討しており、もし米国が引き下げれば世界で日本が突出して法人税が高い国となる。安倍政権は外国企業がビジネスをやりやすい、進出しやすい国を目指しているはずであるがこれでは外国企業の誘致など望むべくもない。なにより日本企業の競争力の低下や、国外への脱出・産業の空洞化が懸念される。また、外国人投資家はアベノミクスが積極的に改革を実行できるかという点について、法人税減税のような大胆な改革が実行できるかその試金石として注目している。アベノミクスへの失望から外国企業や外国人投資家が日本から資金を引き上げればその損失は計り知れない。単に法人税減税の直接的な恩恵を受ける者の割合でその効果を計るのは誤りだ。

いずれにせよ、麻生財務相は法人税減税について何度も検討を示唆している安倍首相と反対の方向を向いている印象を持たせ、今回も市場にネガティブなインパクトを与えた。日経平均株価が14000円を回復する寸前のところで発言が伝わったのも最悪のタイミングとなった。

それにしても、麻生財務相は異次元緩和後の国債の金利上昇局面でも金利の上昇を容認するような発言をして、国債を保有する機関投資家に動揺を与えてさらなる金利の高騰を招いたり、憲法改正についてナチスドイツの手法を学ぶべきなどと発言して世界的に顰蹙を買うなど、日本市場にネガティブなインパクトを与え続けている(後者の発言により、欧州人やユダヤ人の強い拒否反応で東京オリンピックの開催の支持票をかなり失ったとも言われている)。今後も安倍首相と方向性の異なる発言や、市場にネガティブな発言を繰り返すつもりだろうか。

安倍首相の戦略は円安・株高を維持して好景気を演出(できれば成長戦略を成功させて)、これによる高い支持率を背景に憲法改正まで持って行くというものだ。もし、閣内不一致ないし財務相が戦略を共有できないと判断するのであれば、安倍首相は可及的速やかに更迭か内閣改造に着手し、後任人事を検討すべきだろう。《YU》

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