【アナリストの眼】キトー株価、年初来高値を射程圏に捉える、割安感強い

＜業績＆株価分析＞

　　キトー <6409> は、工場内で使用されるチェーンブロック、レバーブロック、ロープホイスト、クレーンなどを主力製品とする搬送機器メーカーである。株価は強基調の展開で年初来高値を射程圏に入れている。

　　今期（１３年３月期）連結業績見通しは売上高が前期比１０．６％増、営業利益が同２０．６％増、経常利益が同１４．５％増、純利益が同２０．８％増としている。中国市場は減速しているが、国内の復興関連、米州の天然資源開発関連、アジアの自動車関連などが好調であり、プロダクトミックス改善や生産性向上効果も寄与する模様だ。通期会社予想に対する第２四半期累計（４～９月期）の進捗率は、売上高が４３．５％、営業利益が３７．４％、経常利益が３４．５％、純利益が３４．４％とやや低水準だが、アジア市場での売上が下期に集中する傾向が強いため、期初時点で下期偏重の計画となっている。アジア市場での受注は堅調な模様であり、第２四半期累計の利益が計画を上回ったことも考慮すれば、特にネガティブ要因とはならないだろう。

　　株価の動きを見ると、第２四半期累計業績の発表を機に６万２０００円近辺から反発した。さらに足元では円高修正トレンドを好感して７万５０００円近辺まで上昇している。市場全体の地合い好転や来期（１４年３月期）の収益拡大に対する期待感もあるだろう。１２月１９日の終値７万５２００円を指標面で見ると、今期予想連結ＰＥＲ（会社予想の連結ＥＰＳ６２１５円１４銭で算出）は１２倍近辺、今期予想配当利回り（会社予想の年間２０００円で算出）は２．７％近辺、実績ＰＢＲ（前期実績の連結ＢＰＳ１１万８８４０円３４銭で算出）は０．６倍近辺となる。

　　日足チャートで見ると２５日移動平均線を回復して上伸し、強基調の展開となった。また週足チャートで見ると、下値を切り上げながら６万円台での短期ボックス展開から上放れた。１３週移動平均線がサポートラインの上昇トレンドへ転換の形であり、３月１９日の年初来高値７万６４００円を通過点として上値追いの展開も期待されるだろう。（本紙・シニアアナリスト水田雅展）（情報提供：日本インタビュ新聞社＝Ｍｅｄｉａ－ＩＲ）

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