【アナリストの眼】クラウド関連のテクマトリックス、業績、株価好調、自己株取得も

2012年12月17日 09:57

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

<業績&株価分析>

 テクマトリックス <3762> (東2)は、クラウドサービスを提供するアプリケーション・サービス事業と、ハードウェアを販売する情報基盤事業を展開している。株価は高値圏で堅調に推移しており、自己株式取得も支援材料として上値追いの可能性があるだろう。

 今期(13年3月期)連結業績見通しは、売上高が前期比4.7%増、営業利益が同9.1%増、経常利益が同4.7%増、純利益が同15.9%増の増収増益見込みとしている。アプリケーション・サービス事業でCRM・医療分野の新サービス、情報基盤事業で負荷分散装置が好調な模様である。通期会社予想に対する第2四半期累計(4~9月期)の進捗率は、売上高が49.1%、営業利益が49.5%、経常利益が51.8%、純利益が57.8%と順調な水準である。保守・運用・監視というストック型ビジネスの強化も奏功している模様であり、通期上振れの可能性もあるだろう。

 なお11月28日に、自己株式取得および東証1部市場への指定替え申請を発表している。自己株式取得については、取得株式総数の上限1100株(自己株式を除く発行済株式総数に対する割合1.81%)、取得価額総額の上限1億円、取得期間12年12月4日~13年2月28日としている。

 株価の動きを見ると、10月以降に強基調の展開となり、第2四半期累計業績や自己株式取得発表なども好感して、11月29日に年初来高値となる8万8700円まで上昇する場面があった。足元では短期的な過熱感を強めたこともあり、上げ一服となって8万円台前半で推移している。12月14日の終値8万4400円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS8278円42銭で算出)は10~11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間2500円で算出)は3.0%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS8万3932円94銭で算出)は1.0倍近辺となる。

 9月末の5万6000円近辺から11月29日の年初来高値まで約6割上昇したこともあり、週足チャートで見るとやや過熱感を残しているようだ。しかし日足チャートで見ると25日移動平均線に対するプラス乖離率が縮小し、短期的な過熱感が解消されつつあるようだ。通期業績上振れに対する思惑や自己株式取得を支援材料として上値追いの可能性があるだろう。(本紙・シニアアナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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