【アナリストの眼】寿スピリッツ河越社長に聞く、総利益率重視経営に評価、株価割安

2012年11月30日 10:34

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

寿スピリッツ<2222>(JQS)は、子会社で地域限定ブランドの菓子製造・販売事業を展開している。今期(13年3月期)業績見通しと今後の事業戦略について、河越晴皓・代表取締役社長に聞いた。

寿スピリッツ<2222>(JQS)は、子会社で地域限定ブランドの菓子製造・販売事業を展開している。今期(13年3月期)業績見通しと今後の事業戦略について、河越晴皓・代表取締役社長に聞いた。[写真拡大]

<業績&銘柄分析>

■寿スピリッツ河越社長に聞く、総利益率重視経営に評価、株価割安

  寿スピリッツ <2222> (JQS)は、子会社で地域限定ブランドの菓子製造・販売事業を展開している。今期(13年3月期)業績見通しと今後の事業戦略について、河越晴皓・代表取締役社長に聞いた。

  第2四半期累計(4~9月期)の連結業績は、売上高が前年同期比8.3%増、営業利益が同73.0%増、経常利益が同81.4%増、そして純利益が同2.3倍だった。直営店舗販売や催事販売などが好調に推移し、増収に伴う稼働率上昇も寄与して、売上総利益率が同2.4ポイント上昇の50.9%となった。河越晴皓・代表取締役社長によると「第2四半期累計業績のポイントは、シュクレイの収益大幅改善と、各社の生産性向上による製造採算の大幅改善だった」としている。

  主要セグメント別に見ると、「ルタオ」ブランドのケイシイシイは利益率改善に注力して同2.4倍営業増益だった。「ラングドシャ」などを展開する寿製菓は同11.4%増収、同64.6%営業増益だった。グループ向けの好調に加えて、新東名高速道路サービスエリア向け新製品投入も寄与した。事業スタイルを見直して東京市場で洋菓子を展開するシュクレイは、7月に東京駅グランスタダイニングに出店したことも寄与して営業黒字化した。

  通期見通しについては、前回予想に対して第2四半期累計の超過達成分を上乗せする形で増額修正した。売上高は2.4億円増額して前期比5.1%増の207.4億円、営業利益は1.9億円増額して同28.5%増の20.1億円、経常利益は2.0億円増額して同32.4%増の20.2億円、純利益は0.8億円増額して同65.0%増の11.6億円の見込みとしている。河越晴皓・代表取締役社長は「先行き不透明感が強いうえに、前期11月にテレビ放映効果で「ルタオ」が大幅増となった反動減などを考慮して、下期については期初計画を据え置いた。ただし保守的な計画」としている。下期が繁忙期であり、寿製菓とシュクレイの好調などを考慮すれば、通期業績上振れの可能性が高いだろう。

  そして今後の事業戦略について、河越晴皓・代表取締役社長は「全国各地のお菓子のオリジナルブランドとショップブランドの総合プロデューサーを目指し、新商品・新ブランド・新業態・新市場の開発、集客力の高い主要ターミナル駅・空港・百貨店などでの大型売り場の確保、新業態店を含む新規出店、人材の補強・育成、コンプライアンス強化を加速させる方針」としている。製造採算面では「商品の高付加価値化と生産性向上で、売上総利益率60%を目指す」としている。

  主要セグメント別の戦略については、ケイシイシイはクリスマス・バレンタイン商戦に向けて、大手通販サイトへの出店も含めて通販を強化し、13年春には新ブランドを立ち上げる予定だ。寿製菓はグループ会社や代理店との連携を強化する。販売子会社は交通拠点での展開を強化し、大阪駅など関西エリアも強化する模様だ。シュクレイは洋菓子の新ブランド開発に加えて、東京駅グランスタダイニングでの固定店舗化や東京スカイツリーへの出店など、集客力の高い立地への出店を進めて収益改善を加速させる方針だ。さらに新規事業分野として、健康食品「栃」「藍」「SISSI」の13年春の本格事業化に向けて新たな事業モデルを準備している模様だ。中期的に一段の収益拡大が期待されるだろう。

  株価の動きを見ると、やや小動きだが7月下旬以降はほぼ一本調子の上昇トレンドとなった。11月29日には年初来高値となる944円まで上昇する場面があった。好業績見通しを評価する動きが続いているようだ。11月29日の終値939円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS104円11銭で算出)は9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間25円で算出)は2.6%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS601円48銭で算出)は1.5倍近辺となる。

  日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって上昇トレンドを継続している。12年3月の高値900円、そして11年2月の高値923円を上抜けたことで先高観が一段と高まりそうだ。指標面に割高感はなく、テクニカル面での過熱感もなく、通期業績上振れの可能性が支援材料である。上値追いの展開が期待され、10年3月の高値1035円も通過点だろう。(本紙・シニアアナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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