【アナリストの眼】2度目の増額修正シード、株価過熱感なくなり出直りへ

2012年11月29日 12:18

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

<業績&株価分析>

  コンタクトレンズ大手のシード <7743> (JQS)は、11月12日に今期(13年3月期)2度目となる連結業績見通しの増額修正、および配当の増額修正を発表した。株価は増額修正を好感して高値圏で推移している。

  13日発表の第2四半期累計(4~9月期)の連結業績は、売上高が前年同期比18.4%増、営業利益が同2.7倍、経常利益が同3.4倍、純利益が同5.3倍の大幅増収増益となった。主力のコンタクトレンズ・ケア用品は同26.1%増収、同87.0%営業増益だった。1日使い捨て「シードワンデーピュア」シリーズや新規投入の「シードアイコフレワンダーUV」が好調で計画以上となった。眼鏡は価格競争などでやや低調だった。純利益については受取和解金の特別利益計上なども寄与した。

  通期については前回予想に対して、売上高を5億円増額して150億円(前期比18.4%増)、営業利益を1.9億円増額して7億円(同2.1倍)、経常利益を2.1億円増額して6.9億円(同2.3倍)、純利益を2.7億円増額して9.5億円(同5.1倍)とした。修正後の通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が47.6%、営業利益が47.3%、経常利益が46.8%、純利益が63.2%となる。下期についても主力製品の好調を見込み、出荷増に伴う費用増を吸収する見込みだ。純利益については受取和解金や税効果なども寄与する模様だ。配当については従来予想の年間10円を年間18円に増額修正した。

  株価の動きを見ると、8月21日と11月12日の2度の増額修正を好感して、8月中旬の300円近辺から11月13日の年初来高値1030円まで3倍超の水準に大幅上昇した。その後はさすがに過熱感が強まり、足元では概ね800円台で推移している。28日の終値865円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS123円34銭で算出)は7倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間18円で算出)は2.0%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS743円08銭で算出)は1.1倍近辺となる。

  週足チャートで見ると26週移動平均線とのプラス乖離率が大きく、依然として過熱感の強い水準だが、日足チャートで見ると25日移動平均線とのプラス乖離率が縮小し、短期的な過熱感は解消された。指標面に割高感はなく、今期好業績見通しが支援材料となる。短期調整一巡して上値を試す展開が期待されそうだ。(本紙・シニアアナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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