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ソーバル:第2四半期決算説明会を兜町平和ビルで開催
■RFID事業は今期初めて黒字化
ソーバル <2186> は、5日に今12年2月期第2四半期決算説明会を兜町平和ビルで開催した。
代表取締役社長推津順一氏は、第2四半期の概要、今通期の見通しと戦略の順で説明を行った。
「総括ハイライトとしまして、3点挙げております。まず、東日本大震災における影響ですが、当初は、身構えました。われわれにとっても初めてのことなので、不安でした。結論から申しますと、何とか地震の影響を乗り越えられたということですが、主要顧客先でありますキヤノンさまが、サマータイムの導入をされましたので、我々の派遣の場合8時30分からだったのですが、7時30分から始まることになったので、通勤時間が早まったため、通いきれない人も出てきました。そのため売上が減少することになり、厳しい結果になると見ていましたが、基本的にはこの問題は払拭できました。
次に、新規受注増加により待機工数が減少したことが挙げられます。やはり危機感を持っていましたので、間接部門から直接部門へ移動し、そのような形で行いました。その結果、震災の影響を乗り切ってこれたと思います。
RFID事業につきましては、これまで黒字化したことが無かったのですが、今期初めて黒字となります。事業の展開ということでいいますと、RFIDというのは無線だけではなく、今まで無線で情報を伝達する、つまり、リード、ライトによる伝達だけだったのですが、最近は、これに電気を乗せて運送手段として考えようという見方も広がってきています。そういうところで、私共のハードウェアの研究開発に関してプラスになってきています。また、取引先で、RFIDから入って、お得意先を広げるとか、そういった面での効果もありました。今回RFIDが利益に貢献するということで、会社の中では大変喜んでいます。
それから、少し前になるのですが、6月に株主優待制度を発表しました。これは後日、日経新聞でも取り上げられたのですが、東日本大震災の被災者の皆様に、何か我々で貢献できるものはないかということで始めたものです。弊社の株式を100株以上持っておられる方に、希望のギフトまたは義援金を選択するように案内を出しまして、義捐金を選ばれた方の配当金を被災地の方への寄付としました」と総括のハイライトを説明した。
■第2四半期業績は売上、利益ともにほぼ予定通り
今第2四半期は、コアードを完全子会社化したことにより、初めての連結業績となる。増減を明確にするため、前年の単体業績と比較する。売上高は2,971百万円(前年同期比2.5%増)、営業利益149百万円(同58.5%増)、経常利益151百万円(同49.5%増)、純利益81百万円(同50.0%増)と増収大幅増益となった。
「売上、利益ともにほぼ予定通り。営業利益は計画を若干上回ったということでございます。第1四半期に比較すると、第2四半期の売上が伸びてきています。第3四半期も引き続き伸びて、好影響を与えています。第2四半期累計は、良い数字を残せたと思っています。また、コアードを今年の3月1日で子会社化いたしましたが、業績については当初予想通りに推移しています。私共としましては、私共の得意なファームウェア、コアードの得意な基幹系業務といったものを相互に活用しながらやってゆくということで、当初見込んだ通りの結果が出ています。今後、合併による効果をますます広げていきたいと思っています。
財政状態については、昨年の第2四半期から見ますと、自己資本比率が若干減っているものの、前期末から比べると77.5%と1.1ポイント上がっています。総資産も前期末から比較すると2,513百万円と35百万円増えています。そういったことで、財政状態は順調に来ているのではないかと思います。それから一株当たり純資産も896.55円と前期末より27.3円アップしています。
キャッシュフローのほうも、前期の第2四半期と比較すると若干良くなっています。こういうことで、全体的にそれなりにいい数字が残せているのではないかと思っています。
■売上高を月毎で確定するために派遣の比率を少し高め、請負を減らす
営業利益の分析をしておきますと、売上高を月毎で、確定しておきたいということで、派遣の比率を少し高めました。派遣業務の増員分は、請負業務や新規事業、間接部門からも人を出しましたので、それぞれのコストは減っております。請負業務の売上が若干減ったことに伴いまして、その分の仕掛が減りましたが、今我々も数字を見て落ち着きましたので、請負の仕事も増やしているところでございます。そのほかでは、請負業務で使用するソフトウエアライセンスの切り替えが重なったため、そちらの費用が増加しました。総じて1億5000万円の利益を上げたということでは、順調であったといえます。
当社は特定派遣65.3%と業務請負32.5%で、全体の約98%を占めています。また、顧客別の売上高比率は、キヤノン72.7%、キヤノングループ3.1%、ソニー6.3%となっています。キヤノンさまの売上比率が第2四半期は若干減っていますが、これはコアードを子会社化したことによります。コアードのお客様が、富士通、及び富士通グループさまが主体ですので、キヤノンさまの売上比率が下がっています。ソーバル単体として見ますと、キヤノンさまの売上比率は若干上がっています。また、来年で私共は創立30周年を迎えます。今発表できる段階ではございませんが、何かをやろうと思っています」と創立30周年に関しては含みを持たせた。
■今期・来期業績には円高の影響は軽微
引き続き、見通しと分析について説明が行われた。
「円高の影響をこれから受けるのではないか、私共の会社は今期、来期につきましては、これは業績には影響ございません。再来期になるとさすがに影響は出てくるかもしれませんが、今回の東日本大震災でも予期せぬ出来事が起こったわけですから、我々はより速く利益を確定させながら、先へ進んでまいりたいと思っていますので、それなりの数字が出せると思っています。もし、第3四半期でそれなりの数字があげられても、上方修正はできたらしないで、少し絞り気味としていた研究開発や先行投資を優先させたいと思っています。
配当予想については、当初予定通り、中間期10円、期末10円を配当します。11月1日付で株式分割をやりますので、期末の配当が5円になるわけですが、株式分割をしなければ10円ということで、トータル20円になります。株主優待制度を含めて、8月末の株主が1.5倍になりました。更に、株式分割することで、株主数が増えることを期待して行います。
続きまして、中長期経営戦略についてご説明します。まず、超円高を見据えた体制作りということで、先ほど申し上げましたように、来期の私共の仕事に対する影響は軽微といえます。今行っている契約先ですとか、契約期間でとかいう形で、ある程度見通せるということでございますので、来期の業績にはほとんど影響はございません。再来期については、影響は出てくるかもしれませんので、なるべく利益を前倒しにしていくという形をとるということで、超円高、天変地異いろいろなことがあるといけませんので、我々としては、できるだけ前倒しでやっていきたいと思っています。
■新しい業務、新しい仕事、新しい技術で新規顧客を開拓
2番目の戦略として、新規顧客先での信頼獲得により、受注増加を目指します。新しい業務、新しい仕事、新しい技術で新規顧客を開拓していきたいと思います。絶えず、システムも技術開発も新しい仕事にチャレンジしていますので、そういったことを模索している企業には、プロポーズしてやっていきたいと思っています。そういう成果も出始めているのが現状でございます。
また、3番目の戦略として、人材獲得のためには、今の人材獲得ルートの拡大を考えています。この成果は2、3カ月後からは出てくると思います。今年の4月の新人は5名でした。来年の新人採用は20名になります。しかし、まだまだ人を獲得したいと思っていますので、新卒の募集は続けています。中途採用も、より積極的に行っていきます。M&Aも行っていきます。数的拡大はもちろんですが、量的拡大も図っていきます。
また、新規事業投資として行っている、ネット開発への投資は、直ちにビジネスということではありません。私共がクラウドを使って、経験と実績を積んだということであります。読書ログでは100万人でも200万人でも来ていただくことができるということで、私共のサーバーではそこまで出来ませんので、クラウドを活用し、そういうシステムができたということであります。これから色々な方面に使えると思っています。
労働集約型に頼らなくて済むような、知識集約型の事業モデルをやっていきたいということで、研究しているわけでございます。その成果をいずれお見せすることが出来ると思っています。
■海外向けのスマートフォンのアプリケーションサイトを公開
中長期的成長に向けて、今言ったような読書ログ等がありますが、Facebookのシステムを2010年よりシルバーライトで作っていますが、09年から今第2四半期までのFacebookの売上累計が6000万円になります。USB関係は08年から今第2四半期までの売上が2500万円ほどになります。それからRFIDは08年から今第2四半期までの売上高が4億9000万円になっています。Blutooth、Androidの09年から今第2四半期までの売上高は8000万円あります。それからネットビジネスAは、お客様とかぶるところがありまして、今具体的に申し上げられないのですが、ある程度の数字を出せたところで、オープンしたいと思っています。そのほか、Androidを使ってスマートフォンとか、Blutoothのプロトコルなど独自開発しています。これも先日プレスリリースさせていただきましたが、Androidについては、海外向けのスマートフォンのアプリケーションサイトを公開し、アプリケーションの数はそれほど多くはありませんが、これからより充実させて、機能強化と売上拡大に努めていきたいと思っています。Facebookもシルバーライトも技術者の数を増やすとともに質を高めてやっていきたいと思っています」と語った。
今12年2月期連結業績予想は、売上高6,255百万円(前期比6.8%増)、営業利益270百万円(同18.9%増)、純利益163百万円(同31.4%増)と増収増益を見込む。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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