ボーイング777-9、横風・高地試験を並行展開―2027年の初納入目指す

2026年11月4日 17:15

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記事提供元:Tech Times

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ボーイングは777-9の認証取得に向け、アイスランドで横風試験、ボリビアで高地性能試験を進めている。同社は2026年10月27日の決算発表で、初号機を2027年に納入する目標を維持した。

■横風と高地、異なる環境で性能を確認

航空専門メディアAviacionlineによると、試験機WH003(登録記号N779XY)は2026年11月2日に米シアトルのボーイング・フィールドを出発し、翌3日にボリビアのスクレ近郊にあるアルカンタリ国際空港へ到着した。標高3104m(1万184フィート)の同空港で、高地条件での認証試験に取り組む。

高地では空気密度が低くなり、エンジンの推力や翼の揚力に影響する。FAAの技術資料でも、高度上昇に伴う空気密度の低下は、ガスタービンエンジンの推力を低下させる要因とされる。こうした環境での試験は、離着陸性能などを確認するために必要となる。

Aviation Weekによると、WH003はGE9Xエンジンの性能に加え、補助動力装置、航空電子機器、飛行中に機体へ加わる荷重などの評価を担当する試験機だ。2024年にも米コロラドスプリングズやメキシコのトルーカで、高地での推進系性能試験に使われた。

一方、Aviacionlineによると、最初の試験機WH001(登録記号N779XW)は2026年10月28日からアイスランドのケプラビーク国際空港を拠点に、横風試験のための短時間の飛行を重ねている。航空専門誌Flug Revueは、同空港では強風と試験に適した横風方向の滑走路を利用できると説明する。

横風試験では、離着陸時の操縦性を確認する。FAAの認証基準は、安全に離着陸できる横風成分を実証して定めることを求めており、必要な風の条件を捉えることも試験計画の一部になる。

■7月時点で計画した認証試験の50%を完了

ボーイングが2026年7月16日に公表した進捗では、777-9は計画した認証試験の50%を完了していた。試験機群の累計飛行時間は4800時間超、飛行回数は約1700回に達した。

同社によると、この時点でFAAの型式検査承認(TIA)の大部分を取得していた。残っていたのはTIA第5段階や、ETOPSに重点を置く試験に必要な承認などで、試験開始の認可取得と認証関連文書の取りまとめを進めていた。

ETOPSは「双発機による長距離進出運航」を指す。適切な代替空港から離れた経路を飛ぶための枠組みで、長距離の洋上路線や極域路線などに関わる。機体・エンジンの設計と信頼性に関する承認に加え、航空会社側にも訓練や整備などの運航承認要件がある。

CAPAが伝えた2026年5月28日の講演で、FAA長官のブライアン・ベッドフォード氏は、737 MAX 7とMAX 10の認証を年内に見込み、777Xは2027年に続くとの見通しを示した。ボーイングのケリー・オルトバーグCEOも9月、一部の試験が2027年へ持ち越される可能性に言及しつつ、2027年の納入計画を維持した。

■GE9Xの改修承認とETOPS試験開始が焦点

残る工程の一つが、777-9に搭載するGE Aerospace製GE9Xエンジンの中間シールの改修だ。ロイターによると、GEは部品の耐久性が想定を下回ったことを受けて設計を変更し、2026年第3四半期に改修部品を組み込んだエンジンのボーイングへの出荷を始めた。

Air Data Newsが2026年10月に伝えたFlightGlobalの取材によると、FAAは改修した中間シールの承認を、777-9の型式証明発行に必要な条件としている。一方、ETOPS試験に使うエンジンには、改修部品を搭載する必要はないという。

ロイターによると、GEのラフル・ガイCFOは9月17日、社内試験を経た新設計に強い自信を示し、既存のシールでもETOPS試験開始前に必要な認証作業を進められると説明した。量産機向けの改修シールは、別途FAAの承認手続きを進めている。

オルトバーグ氏は9月16日の投資家向け会議で、中間シールの認証計画に関する作業が完了するまで、ETOPS試験開始の認可を得られないと説明していた。GE側で当初の想定より多くの試験が必要になったことが、一部の飛行試験を翌年へ持ち越す可能性につながるとしていた。

■量産仕様機の検証も進め、初納入へ

ボーイングは2025年10月29日の決算発表で、777-9の初納入見通しを2026年から2027年へ変更し、777Xプログラムで税引前49億ドル(約7740億円)の費用を計上した。認証取得までの期間が延びることを織り込んだ措置だった。

受注は777Xシリーズ全体に広がる。ボーイングの2026年5月8日の発表では、777-9、旅客型777-8、貨物型777-8Fを合わせて620機超を受注していた。最大顧客はエミレーツ航空で、同社の2026年3月末時点の777X発注数は270機だった。

専用試験機に加え、量産仕様機での検証も進んでいる。ボーイングによると、ルフトハンザ向けの機体は2026年5月7日に初飛行し、客室システムや通信接続機能を中心とする地上・飛行試験に使用される。客室には同社向けの座席や機内エンターテインメント設備が搭載されている。

航空専門メディアAviation A2Zは6月、この量産仕様機について、北緯85度まで飛行する約11時間の極域試験飛行計画を報じた。専用試験機による性能評価と、顧客向けの装備を備えた機体の検証が並行する形だ。

ルフトハンザ・グループの2025年末時点の確定発注数は777-9が20機で、同社は最初の運航会社となる予定だ。777-9の初飛行は2020年1月25日だった。2027年の初納入に向け、各環境で集めた試験データ、エンジン改修の承認、残る認証手続きを仕上げる段階に入っている。

元記事: Boeing’s 777-9 Battles Crosswinds and Thin Air on Two Continents as FAA Certification Hits the Halfway Mark

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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