Cambridge Audio「Spira」登場、Bluetoothと交換式ヘッドシェルでレコード入門を支援

2026年11月2日 15:40

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記事提供元:Tech Times

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Cambridge Audioは2026年10月14日、Bluetooth送信機能を備えたレコードプレーヤー「Spira」を海外で発売した。同社のアクティブスピーカー「L/R Series」とそろえた5色の外観に加え、内蔵フォノイコライザーのバイパスと交換式ヘッドシェルに対応する。手持ちの機器でレコード再生を始め、後からカートリッジや周辺機器を変更できる構成だ。

■L/Rシリーズと色も接続もそろえる

Spiraの発売時価格は349ユーロ(約6万1400円)、329ポンド(約6万9400円)、米国では499ドル(約7万8800円)だ。ブラック、ホワイト、ブルー、グリーン、オレンジの5色を用意し、同じ色のL/Rシリーズと組み合わせられる。

Cambridge Audioは2026年1月のCESで、同社初のアクティブステレオスピーカー群としてL/Rシリーズを発表した。小型の「L/R S」、中位の「L/R M」、最上位の「L/R X」の3モデルがあり、増幅回路や信号処理をスピーカー側に統合している。ネットワーク再生プラットフォーム「StreamMagic」を搭載するのはMとXだ。

発表時の標準仕上げのペア価格は、Sが499ユーロ(約8万7800円)/549ドル(約8万6700円)、Mが1399ユーロ(約24万6000円)/1599ドル(約25万3000円)、Xが1999ユーロ(約35万2000円)/2299ドル(約36万3000円)だった。シリーズには5色に加えて、追加料金のリアルウォールナット仕上げもある。2026年11月2日時点の米国公式サイトでは、Xは2399ドル(約37万9000円)で掲載されている。

L/R Sとの有線接続では、Spiraの出力を「Line」に設定する。内蔵フォノイコライザーで信号を補正・増幅し、RCAケーブルでSのライン入力につなげば、外付けフォノイコライザーや別体のアンプを追加せずに再生できる。

L/R MとXはMM型カートリッジ用のフォノ入力も備える。こちらを使う場合はSpiraを「Phono」に設定し、スピーカー側で信号を補正・増幅する。外観をそろえるだけでなく、組み合わせるスピーカーに応じて信号経路を選べる点が、この製品群の特徴だ。

■1.8kgのプラッターと電子式回転数切替

SpiraはDCモーターとベルトでサブプラッターを駆動するベルトドライブ方式を採用する。公式仕様では、メインプラッターは1.8kgのスチール製だ。ドイツのオーディオ専門媒体fairaudioも、同じ重量とサブプラッター構造を紹介している。

ベルトドライブには、弾性のあるベルトを介してモーターの回転を伝え、振動の伝達を抑えるという設計上の狙いがある。SpiraはMDF製の台座、防振用のゴム足、フェルトマットを組み合わせ、設置面や駆動部から伝わる振動への対策を施している。

回転の安定性を考える手掛かりになるのが、慣性モーメントだ。これは回転速度の変わりにくさを表し、質量と、その質量が回転軸の周囲にどう分布しているかで決まる。同じ形状・寸法なら、重いプラッターほど、同じトルク変動に対する回転速度の変化を小さくできる。

同社公表のワウ・フラッターは0.15%未満だ。ワウ・フラッターは回転むらに伴う音程の揺れで、ピアノや弦楽器の持続音などで気付きやすい。回転の安定性には、プラッターの慣性に加え、モーター、ベルト、軸受けなどの設計が関わる。

回転数は毎分33⅓回転と45回転に対応し、本体上面の電子式ダイヤルで選ぶ。回転数を変える際にベルトを掛け替える手間を省ける。再生する盤の表示に合わせて速度を選び、アームリフターで針を上げ下げする手動操作のプレーヤーだ。

■フォノイコライザーを使う経路と、外部へ任せる経路

レコードは、カッティング時に低域を抑え、高域を持ち上げる周波数補正を行う。再生時のフォノイコライザーは、RIAA規格に沿って逆方向の補正を施し、カートリッジが取り出した微小な信号を増幅する。

MM型カートリッジの出力は一般に数mV程度で、製品によってはおよそ2〜5mVとなる。通常のライン入力で扱うには、周波数補正と増幅が必要だ。Spiraはこの処理を内蔵回路に任せる方法と、外部機器に任せる方法を選べる。

「Line」では内蔵回路を使い、アクティブスピーカーやプリメインアンプのライン入力へ出力する。「Phono」では内蔵回路をバイパスし、外付けフォノイコライザーや、MM対応フォノ入力を備えたアンプへ接続する。接続先の入力に合わせて設定することが、システムを組む際の基本となる。

取扱説明書は、Phono接続時に本体と接続先のアース端子をアース線で結ぶよう案内している。LineとPhonoの切替は、本体の電源を切ってから行う。RCAケーブルは付属している。

公式仕様のSN比は60dBだ。外部フォノイコライザーを使う構成へ変更すれば、補正・増幅を担う回路を選び直せる。同社のMM対応「Alva Solo」や、MM/MC対応「Alva Duo」なども組み合わせの候補になり、本体を残したままシステムの構成を変えられる。

■交換針とカートリッジで広がる選択肢

付属カートリッジは、オーディオテクニカ製のMM型「AT3600L」だ。取り付けと位置調整は出荷時に済んでいる。使用開始時には、ベルトやプラッターの設置に加え、カウンターウェイトによるアームの水平バランスと針圧の調整を行う。

Cambridge Audioの指定針圧は3〜3.5gで、アンチスケートも調整できる。アルミニウム製ストレートアームの公称実効長は218.5mm、実効質量は7.3gだ。同梱の位置調整用テンプレートで、カートリッジの取り付け位置を確認できる。

交換針について、同社は「ATN3600LC」を標準の交換用として案内し、楕円針の「ATN3600LE」も装着できるとしている。オーディオテクニカの日本語公式資料によると、ATN3600LEは接合楕円針で、丸針よりも溝を正確にたどることを狙った形状を採用する。カートリッジ本体を残して変更できる選択肢だ。

ヘッドシェルは取り外せるため、カートリッジ一式の交換にも対応する。新しいカートリッジを取り付けた際は、その製品に合った針圧や取り付け位置を調整する。ヘッドシェルを外して作業できることは、こうした交換や調整の扱いやすさにつながる。

■BluetoothはSBC対応、スピーカーやヘッドホンへ送信

Cambridge Audioの公式サポートによると、SpiraのBluetoothコーデックはSBCだ。Bluetooth受信に対応するスピーカー、サウンドバー、ヘッドホンなどへ、レコードの音をワイヤレスで送れる。手持ちのワイヤレス機器を使って再生環境を組める点が便利だ。

背面のBluetoothスイッチをオンにし、接続先をペアリングモードにすると接続を開始する。背面の青いLEDはペアリング中に速く点滅し、接続すると点灯する。送信機能を備える製品で、スマートフォンなどの音声を受け取る用途には対応しない。

Bluetoothのコーデックは、音声を圧縮して伝送する方式を定める。SBCのビットレートは設定によって変わり、44.1kHzで約328kbpsとなる設定例がある。これはコーデックの設定例であり、Spiraの送信ビットレートとして公表された数値とは区別される。

比較対象のコーデックでは、Qualcommの仕様上、aptXは48kHz時に384kbps、aptX HDは24bit/48kHzで576kbpsとなる。aptX Adaptiveは通信状況などに応じてビットレートを変える方式で、オーディオテクニカはAT-LP3XBTについて280〜420kbpsと説明している。利用するコーデックは、送信側と受信側の双方の対応によって決まる。

Spiraでは、Bluetooth接続中も有線出力を使えると同社は案内している。ワイヤレス機器で気軽に聴く構成と、RCA接続でアンプやアクティブスピーカーへつなぐ構成を、使い方に合わせて選べる。

■ソニー、オーディオテクニカ、Alva STとの違い

比較対象となるソニー「PS-LX5BT」は、再生開始からアームの復帰までを自動で行うフルオート機だ。日本向け公式仕様では、BluetoothのSBC、aptX、aptX Adaptiveと、パソコンへの録音用USB出力を備える。日本ではオープン価格で販売されている。

PS-LX5BTの米国発表時の希望小売価格は499.99ドル(約7万9000円)で、Spiraと近い。自動操作を重視する人にはソニーの構成が分かりやすく、針圧調整やヘッドシェルの取り外しを使ってカートリッジを選びたい人には、Spiraの構成が検討材料になる。

オーディオテクニカ「AT-LP3XBT」もフルオート機で、日本ではオープン価格だ。2026年11月2日時点の米国公式サイトでは379ドル(約5万9900円)からで、Spiraより120ドル(約1万9000円)安い。交換式ヘッドシェル、針圧・アンチスケート調整、切替式フォノイコライザー、aptX Adaptive対応Bluetoothを備える。

AT-LP3XBTの付属カートリッジは「AT-VM95C」で、VM95シリーズの交換針を使用できる。丸針から楕円針、マイクロリニア針、シバタ針まで選択肢がある。Spiraと比較する際は、自動操作や交換針の選択肢、ワイヤレス方式に加え、L/Rシリーズと外観をそろえる利点も判断材料となる。

Cambridge Audioの「Alva ST」は、ベルトドライブ、内蔵フォノイコライザー、aptX HD対応Bluetoothを備える。現行品の付属カートリッジは楕円針の「AT-VM95E」だ。What Hi-Fi?の価格案内では米国699ドル(約11万円)で、Spiraとの価格差は200ドル(約3万1600円)となる。

Alva STの公式仕様では、アルミダイキャスト製プラッターは645.3g、ゴムマット込みで930.5gだ。Spiraは1.8kgのスチール製プラッターを採用し、Alva STは楕円針カートリッジやaptX HD対応という構成を取る。それぞれ、機械構造、針先、接続方式を合わせて比較したい。

■入門時の接続と、後からの変更に対応

Cambridge Audioは、2022年に米国1999ドル(約31万6000円)で発表したダイレクトドライブ機「Alva TT V2」など、Bluetoothと切替式フォノイコライザーを備えるターンテーブルを展開してきた。Spiraは499ドル(約7万8800円)という価格で、同社のレコード再生への入口を広げる製品となる。

最初は付属のAT3600Lと内蔵フォノイコライザーを使い、アクティブスピーカーやBluetooth機器へ接続できる。その後は、対応する楕円針への交換、カートリッジの変更、外部フォノイコライザーの導入、スピーカーの変更と、予算や好みに合わせて構成を見直せる。

Spiraの魅力は、接続の選択肢と、後から手を加えられる部分を一台にまとめたことにある。L/Rシリーズとの色の統一を重視する人にも、手持ちの機器でレコードを始めたい人にも、組み合わせ方を考えやすい入門機だ。

元記事: Cambridge Audio Spira Turntable Targets Vinyl Newcomers With Bluetooth, Bypassable Phono Stage

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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