米アメックス、「@ Work」にバーチャルカードを統合 法人支出と出張精算を効率化

2026年8月15日 23:51

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記事提供元:Tech Times

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米アメリカン・エキスプレス(American Express)は、法人向け管理プラットフォーム「American Express @ Work」にバーチャルカード機能を追加した。米国の対象法人顧客は、別の管理システムへ移動せず、既存の業務環境でカードの作成や管理、利用条件の設定が可能になる。また、決済技術会社Confermaとの提携拡大により、対象となるビジネス・トラベル・アカウント(BTA)の顧客は、出張中の支払いに使うバーチャルカードをモバイルアプリから発行できる。

■既存ツールへの統合で導入時の負担を軽減

アメリカン・エキスプレスが発表した今回の拡張は、法人向けバーチャルカードを既存の支出管理業務へ組み込みやすくすることを狙ったものだ。従来は専用のシステムやログイン、追加の運用手順が必要になる場合があり、財務・経理部門にとって導入時の負担となっていた。

調査会社モルドール・インテリジェンス(Mordor Intelligence)によると、世界のバーチャルカード市場規模は2026年に6兆4,300億ドル(約1,022兆円、1ドル=159円換算)となり、2031年には15兆1,400億ドル(約2,407兆円)へ拡大する見通しだ。2026年から2031年までの年平均成長率は18.67%と予測されている。また、マスターカード(Mastercard)が2025年に実施した調査では、世界の調達担当者の74%が、2028年までにB2B取引の少なくとも4分の1でバーチャルカードを利用すると予想している。

一方、FISによると、デビットカードやクレジットカード、プリペイドカード、バーチャルカードを含む世界の法人カード支出額は2024年に4兆3,000億ドル(約684兆円)を超えたものの、法人カードが世界のB2B決済に占める割合は3%未満にとどまる。FISは、バーチャルカードの普及を妨げる要因として、利用企業側の業務負担だけでなく、加盟店側が負担する決済手数料なども挙げている。

アメリカン・エキスプレスは、カードの申請、従業員の支出確認、レポート作成などに使われている「@ Work」へバーチャルカード機能を組み込んだ。既存環境からカードを管理できるようにすることで、新たなシステムへ切り替える手間を減らす。

同社グローバル・コマーシャル・サービス・プロダクト担当エグゼクティブ・バイス・プレジデントのエヴァ・レダ(Eva Reda)氏は、「企業は、従業員経費、サプライヤーへの支払い、出張経費に対する統制と可視性を維持しながら、支払い方法を簡素化することを求めている。バーチャルカードはこうした課題の多くを解決する助けとなるため、顧客がすでに利用しているソフトウェアやデジタルウォレットで、より簡単に作成、管理できるようにしている」と述べている。

■利用限度額や期間、加盟店などを事前に制御

バーチャルカードでは、物理カードとは異なる固有のデジタルカード番号が発行される。@ Workの管理者は、利用限度額や利用可能期間を設定できるほか、対象となる国や加盟店カテゴリコード(MCC)に基づいて利用先を制限できる。

カード番号ごとに用途や利用条件を限定できるため、カード情報が不正に取得された場合のリスクを抑えやすい。アメリカン・エキスプレスは、米国の主要カードネットワークの中で、19年連続で不正利用率が最も低かったとしている。

取引データを経費管理や会計処理へ活用できる点も、バーチャルカードの利点となる。@ WorkはERPや経費管理プラットフォームと連携でき、利用するシステムや構成に応じて、取引情報を既存の財務管理プロセスへ取り込める。請求明細や取引データを照合作業に利用することで、手作業を減らせる可能性がある。

バーチャルカードは、従来のコーポレート・カードを持たない従業員だけでなく、業務委託先、インターン、社外ゲストなどの承認された利用者にも発行できる。サプライヤーへの支払い、日常的な事業支出、出張経費などを法人側で管理し、個人カードによる立て替えを減らす用途が想定されている。

■Conferma連携で出張中の支払いにも対応

今回の発表におけるもう一つの柱が、Confermaとの連携によるビジネス・トラベル・アカウント(BTA)の機能拡張だ。対象となる米国のBTA顧客は、Confermaのモバイルアプリからアメリカン・エキスプレスのバーチャルカードを作成、管理できる。

BTAは、航空券やホテルなどの出張費を企業へ一括請求するための口座だ。一方、出張中に発生する食事、配車サービス、レンタカー、小売店での購入といった支出は、従業員が個人カードなどで立て替えなければならない場合がある。

Confermaとの連携では、承認された出張経費に使うバーチャルカードをモバイルアプリで作成し、デジタルウォレットへ追加して、非接触決済やオンライン決済に利用できる。利用金額や期間の設定、多段階の承認ワークフロー、取引データを利用したレポート、モバイルアプリでのデジタル領収書の取り込みにも対応する。

Confermaは、カード発行会社と出張管理会社(TMC)、予約システムなどをつなぐバーチャル決済技術会社である。2022年に米セーバー(Sabre)が買収し、その後マスターカードも少数持分を取得した。Confermaは700社を超えるTMC、主要なグローバル・ディストリビューション・システム(GDS)、100を超えるオンライン予約ツールと接続している。

Confermaを利用したアメリカン・エキスプレスのバーチャルカード機能は、現在、米国を拠点とするBTA顧客に提供されており、利用にはConfermaへの登録が必要となる。

■米国の対象法人顧客から段階的に展開

@ Workのバーチャルカード機能は、米国を拠点とするアメリカン・エキスプレスのコーポレート・プログラム顧客の一部を対象に提供されており、今後さらに対象を拡大する予定だ。利用を希望する企業は、アメリカン・エキスプレスの担当者へ問い合わせる必要がある。

日本でもAmerican Express @ Work自体はコーポレート・カード・プログラムの管理に提供されているが、今回発表された@ Workのバーチャルカード機能とConferma連携は米国向けであり、日本での提供については示されていない。

個人カードによる立て替えが多い業務委託先、インターン、ゲスト利用者などの支出では、用途や金額、期間を設定したバーチャルカードへ切り替えることで、支出の可視性を高め、精算処理を減らせる可能性がある。

BTAを利用する企業にとっては、航空券やホテルだけでなく、出張中の承認済み支出を企業管理のバーチャルカードへ集約できる点が大きな変化となる。支出前に利用条件を設定し、領収書や取引データを集約することで、出張規程の順守や出張後の精算作業を支援する。

■B2B法人決済を巡る各社の競争

法人向けバーチャルカード市場では、決済会社や金融機関、エンベデッド・ファイナンス事業者が、ERPや経費管理システムへカード発行機能を組み込む動きを進めている。

J.P.モルガン・ペイメンツ(J.P. Morgan Payments)は2026年3月、マスターカードとの協業により欧州でバーチャルカード機能を展開した。保険、ヘルスケア、旅行、商業不動産などの分野における買掛金業務の自動化を対象としている。米マーケタ(Marqeta)もエンベデッド・ファイナンスとバーチャルカードの基盤を拡充している。

マスターカードは、バーチャルカードをB2B決済や出張・経費管理のプラットフォームに組み込む取り組みを進めており、SAP ConcurやSAP Tauliaなどとの連携を展開している。

アメリカン・エキスプレスは、カード発行と加盟店ネットワークを一体的に運営するクローズドループ型の事業基盤を持つ。@ Workへバーチャルカード機能を追加することで、法人顧客の既存業務へ決済機能をより深く組み込み、支出管理や取引データの活用を広げる狙いだ。

■注目ポイントQ&A

●アメックスの@ Workバーチャルカードは、従来の法人カードと何が違うのですか?

従来のコーポレート・カードは主に特定の従業員へ物理カードとして発行されます。@ Workのバーチャルカードでは、用途に応じたデジタルカード番号を作成し、利用限度額、利用期間、対象国、加盟店カテゴリなどを設定できます。業務委託先、インターン、社外ゲストなど、物理カードを持たない承認済み利用者にも発行できます。

●なぜバーチャルカードがB2B決済で広く普及していないのですか?

企業が新たなシステムやログイン、業務フローを追加しなければならないことに加え、カードを受け付ける取引先側の決済手数料など、複数の要因が導入の障壁となっています。アメリカン・エキスプレスは、管理者が利用している@ Workに機能を組み込むことで、自社顧客側の導入負担を軽減しようとしています。

●出張管理におけるConferma連携のメリットは何ですか?

従来のBTAが主に担ってきた航空券やホテルの一括請求に加え、出張中の食事、配車サービス、レンタカーなどの承認済み支出にもバーチャルカードを利用できます。カードはConfermaのモバイルアプリから管理してデジタルウォレットへ追加でき、利用条件の設定、承認、領収書の取り込み、取引データを使った照合に対応します。

●この新機能を利用するにはどうすればよいですか?

@ Workのバーチャルカード機能は、米国の一部のコーポレート・プログラム顧客を対象に段階的に提供されています。利用を希望する企業はアメリカン・エキスプレスの担当者へ問い合わせる必要があります。Conferma連携は米国のBTA顧客向けで、Confermaへの登録が必要です。今回の発表では、日本向けの提供予定は示されていません。

元記事: American Express Embeds Virtual Cards in @Work to Break B2B Adoption Barrier

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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