サステナブルラボ、AIを用いてSDGsをスコア化 国内初

2019年12月31日 14:52

印刷

「SDGsスコアレポート」の例。(画像:ステナブル・ラボの発表資料より)

「SDGsスコアレポート」の例。(画像:ステナブル・ラボの発表資料より)[写真拡大]

 企業の取り組みや自治体の政策が、社会や環境に与える影響を分析・評価しているサステナブル・ラボ(東京都港区)は27日、AI(人工知能)を用いて各都道府県の魅力や課題を分析、スコア化することに成功したと発表した。これにより、各自治体が推進するSDGs(持続可能な開発目標)の可視化を目指すとしている。同社によると、AIを活用したSDGsのスコア化は国内では初という。

【こちらも】SDGsは企業経営者にとって成長へのチャンス(上)

 SDGsとは、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発目標」で、17の目標とそれらをより具体化した169のターゲットで構成されている。貧困や飢餓の撲滅、質の高い教育、気候変動対策、働きがい、まちづくりなど多岐にわたる内容で、2016年から2030年の15年間で達成すべきとされている。

 日本でも政府内にSDGs推進本部を設置し、取り組みを進めている。2018年12月に公表された「SDGsアクションプラン2019」では、日本のSDGsモデルの3本柱の一つとして“SDGsを原動力とした地方創生、強靱かつ環境に優しい魅力的なまちづくり”を掲げ、SDGs未来都市として29都市を選定している。

 一方で、都道府県単位でのSDGsへの取り組みに対する具体的な評価基準はなく、何から取り組んでよいのか分からないという自治体もある。

 ステナブル・ラボが開発したのは、自治体が抱えるSDGsの課題をスコア化し、各都市の強みや弱みを把握できるシステムだ。都道府県の教育費や上水道普及率、CO2排出量など400項目以上のデータを抽出し、AIが機械学習により分析。それらをもとに有識者・専門家と協議の上、各自治体が強み・弱みを把握して具体的な施策に落とし込むことでスコア化が実現する。

 今後は自治体へのインタビューやアンケートなど取り入れ、さらに詳細なスコア化を予定しているという。SDGsのスコア化にあたっては、「低酸素・循環型まちづくり戦略」などを掲げ、積極的にSDGsを推進している京都府の取り組みを参考にしている。

 ステナブル・ラボでは、今後も自治体にとって活用しやすい可視化を実現するとともに、企業や個人へのスコア化の実現も目指し、地域社会だけでなく国内の課題をSDGsを通して、さまざまな角度からサポートしていきたいとしている。(記事:Kei_T・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事