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東京都市大など、植物繊維とガラスのハイブリッドによる新素材を開発
新材料で代用が期待される部材の例。(画像:東京都市大学発表資料より)[写真拡大]
東京都市大学などの研究グループが、植物の主成分であるセルロースとガラスから、新しい有機・無機ハイブリッド材料を生成することに成功した。
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研究チームは、東京都市大学工学部エネルギー化学科の岩村武准教授と、京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科物質工学専攻の足立馨助教からなる。
この新材料は、生成が容易であり、軽量で、また透明度が高いという。既存のガラスなどに比べても生産コスト(時間と費用)の削減になり、軽量化もでき、従ってCO2排出量削減にもつながるという。
有機物であるセルロースと、無機物であるガラスは、本来的には「水と油のように」相性の悪いものであるらしい。だが、今回の研究では、ガラス成分を重さにして17~59%ほど含む、透明で均一なフィルムを生成することに成功したのだ。
まず、溶剤にアセチルセルロースとアルコキシシランを溶解する。触媒として塩酸の水溶液を加え、室温下で1時間撹拌すると、反応が生じる。その反応溶液をトレーに移し、60度に加熱した乾燥機の中で反応を続けさせながら乾燥させる。すると、透明で均一なフィルムが出来上がる。
この製法は、触媒として加えた塩酸の作用で、アセチルセルロースはセルロースに、アルコキシシランはガラスに変換する反応を同時に進行させるものである。
結果として得られたフィルムを電子顕微鏡で観察したところ、セルロースとガラスはムラなく混じり合っていた。また、示差走査熱量測定およびX線回折分析によって、その混じり合いは分子レベルで生じていることも明らかになったという。さらに材料の透明性を評価するための透過率測定を行ったところ、380~1100nmの範囲で93%という高い透過率が示された。
なお、研究の詳細は、6月29日に開催される「第13回相模ケイ素・材料フォーラム(同時開催:高分子学会・関東支部第65回湘北地区懇話会)」において発表される予定となっている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)
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