【燈】熟練者の「判断基準」を引き出す最適化AIエージェント「Spica(スピカ)」提供開始
配信日時: 2026-11-05 11:00:00
工場の設備レイアウト初期検討を1ヶ月から1日に
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/83531/78/83531-78-eb86ac756fc0e085e0a22f17f88717d6-1920x1080.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
東京大学発AIスタートアップ燈株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 兼 CEO:野呂侑希、以下「燈」)は、建設業や製造業などのものづくりの現場において、設備レイアウトや生産計画、人員配置などを最適化するAIエージェント「Spica(スピカ)」の提供を開始しました。
Spicaは現在、半導体工場などの建設計画で導入されており、工場の設備レイアウトの初期検討が1ヶ月から1日に短縮されるという実証結果も出ています。
現場の熟練者は、配置や人数といった「決めるべき項目」、安全基準や稼働率などの「守るべき条件」、コストや作業効率といった「評価の基準」を照らし合わせながら意思決定していますが、その多くは暗黙知に委ねられています。
従来の最適化ツールでは、こうした条件を人があらかじめ定義する必要があり、言語化されていない暗黙知を反映することは困難でした。一方、Spicaは「判断基準を引き出す」アプローチをとります。AIが提案し、人が修正・承認を繰り返すことで、熟練者自身も意識していなかった判断基準を明らかにし、最適解を導き出します。さらに、熟練者がどのような根拠で判断したのかを言語化して蓄積するため、属人化していたノウハウを組織の資産として次の世代へ引き継ぐことができます。
開発の背景
日本のものづくりの現場は現在、「働き手の減少」「熟練者の引退と技能継承」「国内の工場投資の拡大」という3つの大きな変化に直面しています。1.働き手の減少
現状のまま推移した場合、2040年には日本全体で約1,100万人の働き手が不足し、建設職では必要な人手の22.0%が不足すると試算されています。※1 製造業の就業者数は2024年の1,046万人から2025年には1,033万人へと減少し、34歳以下の若年層は258万人にとどまっています。※2
2.熟練者の引退と技能継承
建設業では就業者の約4割を55歳以上が占め、29歳以下は約1割にとどまっています。※3
製造業においても、技能継承が「うまくいっている」「ややうまくいっている」と回答した企業は合わせて33.3%にとどまり、85.4%の企業が将来の技能継承に不安を抱えています。※4
3.国内の工場投資の拡大
政府は「AI・半導体産業基盤強化フレーム」に基づき、2030年度までの7年間に10兆円以上の公的支援を行い、10年間で50兆円を超える官民投資を促す方針を掲げています。※5
半導体やデータセンターなど、国内で大型の設備投資が進むなか、工場の早期稼働と国際競争力の確保に向けて、熟練者の判断に宿る暗黙知を言語化し、次の世代へ引き継ぐことが業界全体の課題となっています。燈はこうした課題の解決に向けて、Spicaを開発しました。
出典
※1 リクルートワークス研究所「未来予測2040 労働供給制約社会がやってくる」(2023年3月)、古屋星斗+リクルートワークス研究所『「働き手不足1100万人」の衝撃』(プレジデント社、2024年)
※2 経済産業省・厚生労働省・文部科学省「2026年版ものづくり白書」(総務省「労働力調査」より)
※3 国土交通省資料(総務省「労働力調査」をもとに作成)、内閣府 規制改革推進会議 ワーキング・グループ資料(2025年5月8日)に掲載
※4 経済産業省・厚生労働省・文部科学省「2026年版ものづくり白書」(労働政策研究・研修機構「ものづくり産業における人材確保・定着と技能継承に関する調査」(2026年5月)より)
※5 経済産業省「AI・半導体産業基盤強化フレーム」
「Spica(スピカ)」サービス概要:「何を解くか」を更新し続ける
Spicaは、以下のステップを繰り返しながら最適解を導いていきます。ここでは、工場の設備レイアウトを最適化する例をもとにご紹介します。
1. 制約条件に基づいた最適案を提示
まずSpicaは、顧客から提供された資料やデータをもとに現場で発生しうる制約条件を整理し、最適案を提示します。
実際の画面では、1.のように「配置できる区画」「設備同士の干渉」「柱の回避」などの制約条件を示し、その制約条件の中で、生産量が最大となるレイアウトを2.のように示します。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/83531/78/83531-78-e0b1b576a8c723f98577c86eaf4474cd-1578x976.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
2. 顧客のフィードバックをもとに制約条件を再提示
次に、第一案を見た顧客のフィードバックを取り入れます。
フィードバックを取り入れたSpicaは、以下の図のように
1.製造課長のフィードバックをもとに「裏面工程は北棟にまとめる」
2.保全担当のフィードバックをもとに「斜めの壁に面した区画には生産装置を置かない」
などの制約条件を新たに提案します。
顧客は示された中から、正しいものを承認します。
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/83531/78/83531-78-9b55f7f552631eb64d8eae9308604e6b-1572x984.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
承認された制約条件を考慮して、Spicaがレイアウト最適化の再検討を行うと、1日あたりの製品の生産量は860枚から1,010枚に向上しました。
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/83531/78/83531-78-b723d76ff109b4774d537c74b51c57f7-1574x978.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
このようにSpicaは、AIによる提案、顧客の承認、再計算のサイクルを繰り返すことで、熟練者自身も意識していなかった判断基準を明らかにし、現場で実際に運用できる最適解を導いていきます。さらにSpicaは、メタヒューリスティクスなどを用いて短時間で解を求めるため、比較案をすぐに提示することができます。従来、工場の設備レイアウトの初期検討は1ヶ月程度かかっていましたが、Spicaを導入することで1日で完了する実証結果も出ています。
Spicaの導入効果
1. 検討のスピード[表1: https://prtimes.jp/data/corp/83531/table/78_1_83b0cf9d9960bce09a5f8c3862d379a9.jpg?v=202611051315 ]
2. 最適化結果の質
[表2: https://prtimes.jp/data/corp/83531/table/78_2_8bb80f6ad95163051cc6ebd0763c6b4b.jpg?v=202611051315 ]
燈株式会社 執行役員 DX Solution事業本部 VPoE 丸尾 恭四郎
[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/83531/78/83531-78-a198b9d10fa458534f4c86565b1068cd-1084x1038.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
燈のエンジニアはこれまで、現場の最前線に深く入り込み、熟練者の言葉に耳を傾けながら生産性向上に取り組んでまいりました。『Spica』は、私たちが現場に向き合い続ける中で生み出したサービスです。単に与えられた課題を解くのではなく、熟練者の方々と共に課題の本質を見極め、解決へと導くエンジニアリングの過程そのものをプロダクト化しました。エンジニア、AI、そして現場のお客様が三位一体となり、日本の産業の未来を切り拓いてまいります。
■ 燈株式会社について
燈株式会社は、「日本を照らす燈となる」という使命を掲げ、AIをはじめとした最先端テクノロジーで社会課題を解決する、東京大学発AIスタートアップです。建設業、製造業、物流業、卸売・小売業など、日本の基幹産業における生産性向上や「匠の技」と呼ばれる技術力の継承といった課題の解決へ向けて、独自のAI技術を駆使したソリューションを提供しています。
■ 会社概要
会社名:燈株式会社(Akari Inc.)
所在地:東京都千代田区神田駿河台4-6 御茶ノ水ソラシティ21階
代表者:代表取締役社長 兼 CEO 野呂侑希
設立:2021年2月
ホームページ:https://akariinc.co.jp
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