薬の知識だけでは救えない思いがある――城西大学薬学部、患者と医師の声から学ぶ特別授業を20年間継続

プレスリリース発表元企業:学校法人城西大学

配信日時: 2026-10-26 17:07:37

がんと41年間向き合ってきた患者と医師が、薬学部1年生に伝える「患者の気持ち」。専門知識と人間性を備えた薬剤師の育成へ。



城西大学(埼玉県坂戸市)は、2026年10月21日、薬学部1年生を対象に、フレッシュマンセミナー「患者の気持ち」を実施しました。本授業は、薬剤師養成課程が6年制となった2006年から20年間にわたり継続している教育プログラムです。

講師を務めたのは、41年間にわたりがんと向き合ってきた青木晴美さんと、昭和医科大学客員教授の中島宏昭先生。患者と医師という異なる立場から、これからの薬剤師に求められる役割と心構えを学生たちに伝えました。医療の高度化が進み、医師や薬剤師など多様な専門職による連携が重要となるなか、薬剤師には薬の専門知識に加え、患者の不安や希望を理解し、適切な治療を支える力が求められています。

城西大学では、薬学教育の早い段階から患者本人の声に触れることで、知識と人間性の両面から医療人としての成長を促しています。

41年間がんと向き合った患者が伝える、言葉にならない思い

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(左)講師を務めた青木晴美さん、(右)昭和医科大学客員教授 中島宏昭先生

青木晴美さんは、子宮がん、乳がん、肺への転移を経験した自身の歩みを紹介しました。講演では、治療による身体的な苦痛だけでなく、病状を察しながらも家族を心配させたくないという思いから、詳しく尋ねることができなかった経験などを語りました。患者が不安を抱えていても、それを必ずしも医療者に伝えられるとは限りません。

青木さんの体験は、医療者が患者の言葉だけでなく、その背景にある感情や生活にも目を向けることの重要性を学生たちに伝えました。

「患者さんには薬剤師さんの力が必要です」

その言葉には、専門的な知識と患者への理解を兼ね備えた薬剤師への期待が込められていました。

患者の思いを受け止め、学生自身が考える

講演後には、「患者や患者家族の思いに応えるために必要なこと」をテーマにグループディスカッションを実施しました。

学生からは、患者とともに悩み、考える姿勢の大切さや、治療への希望を尊重しながら効果やリスクを正確に説明する必要性などが挙げられました。また、医師と専門的な議論ができる知識を身につけたいという意見も発表されました。

患者への共感と科学的な判断力をどのように両立するか。学生たちは、これからの6年間で身につけるべき力を具体的に考えました。
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「臨床の現場に出てきてください」――医師が期待する薬剤師の役割

中島宏昭先生は、臨床経験をもとに、薬剤師が医療現場でより主体的な役割を担うことへの期待を語りました。

「お願いですから臨床の現場に出てきてください。そして薬剤師として患者さんを助けるために私たち医師を助けてください。そのことが必ず日本の医療の質を高めることになります」

医師と薬剤師が互いの専門性を生かし、患者にとって最善の治療をともに考えること。その重要性を訴えました。

講演では、一人の学生を壇上に招き、大勢から視線を向けられる体験を通して、患者が医療者を前にしたときの心理を考えさせる場面もありました。学生が口にした「怖いです」という言葉に対し、中島先生は「これが患者さんの気持ちなんです」と説明しました。専門知識を持つ医療者だからこそ、患者との心理的な距離を理解し、相手の立場に配慮する必要があることを伝えました。

20年間継続する、患者中心の薬学教育

城西大学では、薬剤師養成課程が6年制となった2006年から、フレッシュマンセミナー「患者の気持ち」を継続しています。

授業では、患者本人の体験を聞くことに加え、学生同士の議論や医師による講演を通して、医療人としての倫理観、責任感、患者を総合的に理解する姿勢を育んでいます。薬剤師に必要なのは、正しい薬の知識だけではありません。その知識を、患者一人ひとりの人生や思いに寄り添いながら生かす力です。

城西大学は、これからも専門知識と人間性を備え、患者から信頼される薬剤師の育成を目指していきます。
実施概要
授業名: フレッシュマンセミナー「患者の気持ち」
実施日: 2026年10月21日
対象: 城西大学薬学部1年生
講師: 青木晴美さん、中島宏昭先生(昭和医科大学客員教授)
内容: 患者による講演、学生グループディスカッション、医師による講演
関連情報
城西大学公式サイト:フレッシュマンセミナー「患者の気持ち」紹介記事

PRTIMES:城西大学薬学部が「がん患者とその家族のためのメニューサイト『cojimiru』」を公開

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