火力発電プラント向け「次世代ガスタービン制御システム」の機能試験を完了 三菱重工と三菱電機が共同開発、2026年度の市場投入を目指す
配信日時: 2025-12-24 13:55:26
◆ 三菱重工の制御技術と三菱電機の高速データ処理技術を統合
◆ 迅速な負荷調整や水素など燃料の多様化にも対応
三菱重工業株式会社(以下、三菱重工)と三菱電機株式会社(以下、三菱電機)は、共同で開発する火力発電プラント向け次世代ガスタービン制御システムの機能試験を完了しました。本制御システムは、三菱重工の制御技術と三菱電機の高速データ処理技術の組み合わせにより、発電用大型ガスタービンの運転を最適制御して安定的かつ効率的な発電を実現します。また、再生可能エネルギー発電量変動を補完する迅速な負荷調整や、天然ガスや水素など多様化する燃料に対応した高度な制御を可能とするものです。このたび、本制御システムの機能試験が完了し、ガスタービンの大型化と性能向上に伴い大容量化する運転データを効率的に処理できることを確認しました。今後は、2026年度の新設案件向け市場投入を目指し、実機を模擬したシステム検証試験を行うなど、両社の強みを生かした共同開発・検証をさらに進めていきます。
ガスタービン制御システムは、ガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電設備をはじめとする発電プラントの高い稼働率や安全性を支える重要な要素です。三菱重工は、1980年代後半から国内・海外発電プラント向けに、高い稼働率を確保し、保守サポートや安全面の要求に応えることができる制御システムを開発・提供してきました。三菱重工が独自開発した「DIASYS」シリーズは、各国のニーズや規格要求に対応しており、これまで60カ国以上の海外発電プラントや国内の産業用発電プラント向けに3,000件以上納入しています。一方、三菱電機は、1980年から、国内電力会社規格に対応した、計装制御システム「MELSEP」シリーズを火力・水力発電プラント向けに1,000件以上納入しており、電力の安定供給に貢献してきました。
脱炭素化に向けた取り組みが進む近年、再生可能エネルギーの発電量変動を補完する迅速な負荷調整や、天然ガスと水素の混焼など燃料の多様化への対応を可能とする、より柔軟な火力発電プラントの運用が求められています。三菱重工と三菱電機は、こうしたニーズに応えるとともに、ガスタービン本体の大型化と性能向上に対応するため、最適制御に強みをもつ三菱重工の制御技術と、大容量データに対応可能な三菱電機の高速データ処理技術を実装したハードウェアを統合した次世代ガスタービン制御システムの共同開発を進めてきました。
三菱重工と三菱電機は、本制御システムの開発を通じて、世界各地の経済発展に不可欠な電力の安定供給に寄与するとともに、エネルギーの脱炭素化を促進し、地球環境の保全に貢献していきます。
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