マスク氏、米中間選挙に約5億ドル投入も実らず―テスラ・スペースXのテキサス拠点に逆風

マスク氏は4日未明、Xに「選挙に介入する私の宇宙レーザーも、今回は効かなかったようだ」と投稿した。(写真:2022年4月7日撮影、U.S. Air Force / Trevor Cokley, Public domain, via Wikimedia Commons)[写真拡大]
マスク氏は4日未明、Xに「選挙に介入する私の宇宙レーザーも、今回は効かなかったようだ」と投稿した。
■約5億ドルを投入、テキサスに2億2400万ドル
米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)によると、テスラとスペースXの最高経営責任者(CEO)を務めるマスク氏は、今回の連邦議会選で共和党候補を支援するため、5億ドル(約790億円)近くを投じた。1つの選挙サイクルで献金者が投じた額としては過去最高となる。
マスク氏の拠出額のうち約2億2400万ドル(約354億円)はテキサス州に投じられ、その大半は上院選に立候補したテキサス州司法長官のケン・パクストン氏に充てられた。パクストン氏は民主党のテキサス州下院議員ジェームズ・タラリコ氏に敗れた。テキサス州で民主党候補が上院選に勝利するのは1988年以来、30年以上ぶりとなる。
4日未明時点で開票率93%の段階で、パクストン氏はタラリコ氏に12ポイント近い差をつけられていた。
■テキサスに事業拠点を集約
マスク氏がテキサス州の選挙に巨額の資金を投じたのは偶然ではない。テスラとスペースXはいずれも過去5年の間に、民主党が州政を握るカリフォルニア州とマスク氏との摩擦を背景に、本社をカリフォルニア州からテキサス州に移転している。
テキサス州のより有利な規制環境や個人所得税がないこと、さらにジェンダー・アイデンティティーなどの社会問題をめぐるカリフォルニア州民主党の政策とマスク氏との政治的な対立が、マスク氏の企業群の主要部分がテキサス州に移転した主な理由と広くみられている。
マスク氏自身も2020年にテキサス州に移住した。
■勝利した民主党候補は反マスク色
一方、勝利したタラリコ氏の選挙戦では、マスク氏への反対が際立った特徴となっていた。
タラリコ氏は10月下旬、遊説先のテキサス大学で「イーロン・マスクは我々の土地を欲しがっている。我々の水を欲しがっている。我々の税金を欲しがっている。自分専用の上院議員を欲しがっている。彼はテキサスを買収しようとしている。(中略)我々は世界初の兆万長者にはっきりとしたメッセージを送る。テキサスは売り物ではない」と訴えた。
タラリコ氏は、マスク氏の企業が大きく依存するテキサス州内のデータセンターなどのAIインフラについて、規制強化と税優遇措置の廃止を公約に掲げていた。
マスク氏が対立候補を支援したにもかかわらず3日に勝利したテキサス州の他の民主党候補の中には、データセンターについてタラリコ氏よりさらに強硬な姿勢を示している人物もいる。知事選に当選したジーナ・イノホサ氏は、「州議会が招集され、テキサス州民を第一に考える説明責任の仕組みが導入されるまで」、州全域でデータセンターの建設を全面的に凍結するよう求めている。
こうした民主党候補の勝利は、マスク氏傘下の企業のテキサス州での将来的な事業展開を脅かす可能性がある。
マスク氏は4日未明、Xに「宇宙のデータセンターが今やかなり魅力的に見える」と投稿した。
■フロリダ州知事は移転を歓迎
マスク氏は、フロリダ州など共和党の地盤が固い別の州にインフラを移す可能性もある。退任を控えるフロリダ州のロン・デサンティス知事は4日、マスク氏が「テスラ、スペースX、ボーリング(・カンパニー)、ニューラリンク」をテキサス州からフロリダ州に移すのではないかとするXへの投稿に好意的に反応した。
デサンティス氏は「最高だ!ついでに大型のテスラ製SUVも作ってくれないか」と投稿した。
3日の選挙では民主党が全米各地で勝利を収めたが、フロリダ州では共和党が知事選と上院選の主要ポストを制した。知事選では共和党のバイロン・ドナルズ連邦下院議員が、上院補選では共和党現職のアシュリー・ムーディ氏がそれぞれ当選した。
※この記事はInternational Business Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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