映画『偏向報道』11月1日からアマゾンで先行独占配信――鳥居みゆき主演、兵庫県知事選が企画の契機
■元テレビ朝日の報道ディレクターが監督、実体験を基に情報操作とメディアの信頼を問う
テレビ報道の情報操作や制作現場の組織構造を題材にした映画『偏向報道』が、11月1日からAmazon Prime Videoで先行独占配信される。荻野欣士郎監督の公式Xが発表し、出演者の東さや香も配信決定を紹介した。本編レンタルは税込550円、監督のオーディオコメンタリー付き購入版は同3300円。プライム会員向けの見放題配信ではなく、有料での提供となる。作品は6月19日に劇場公開され、東京を皮切りに全国各地で上映。10月23日から香川県、11月6日から静岡県でも上映が予定されており、ネット配信によって視聴機会が広がる。
物語の主人公は、地方都市のテレビ局の下請け制作会社を離れ、フリーランスとして活動する女性ディレクターの油神鈴子。県警本部や新聞社などに知事のパワーハラスメント疑惑に関する匿名文書が届き、テレビ局は真偽不明の情報を基にした捏造映像を子会社に制作させる。強引な取材を受けた人物から放送の差し止めを求められた鈴子は、テレビ局の上層部や制作現場に根付いた慣行と向き合うことになる。鳥居みゆきが鈴子を演じ、東さや香、大迫一平、時東ぁみ、郷田ほづみ、小野進也、誠直也、螢雪次朗らが共演する。
■兵庫県知事選を契機に企画、斎藤知事も鑑賞、実際の報道への問題意識を映画化
監督・脚本の荻野欣士郎氏は、テレビ朝日系「スーパーJチャンネル」のディレクターとして報道制作に携わった経験を持つ。本作は、2024年の兵庫県知事選をめぐる報道への問題意識から企画された社会派エンターテインメント。映画製作委員会のクラウドファンディングでは、兵庫県知事選をきっかけに、テレビや新聞などの従来型メディアとSNSなどの新興メディアの対立構造に着目したと説明している。また、2025年7月の活動報告では、斎藤元彦知事に関する報道への疑問が制作の出発点となったことを明らかにした。劇中では誘導的なインタビューやモザイクを使った映像編集などを描き、情報が視聴者に届くまでの過程に焦点を当てている。
ただし、作品は現実の事件を忠実に再現したドキュメンタリーではない。映画公式サイトは、特定の地域や団体、個人を描いたものではなく、監督の経験や問題意識を基に創作したフィクションと明記している。劇中の映像捏造などが実際の兵庫県知事問題で発生したと確認されたわけではない。一方、斎藤知事は8月に映画を鑑賞したことをXで公表。8月5日の定例記者会見では、番組制作の舞台裏をコミカルかつ現実味のある形で描いた作品との感想を示した。記者からは作品の内容や知事による紹介の意図を問う質問も出され、知事は地域の映画産業振興の観点から発信したと説明した。
制作資金の調達ではクラウドファンディングを活用し、2025年5月31日から7月10日までに845人から753万2332円を集め、目標の500万円に対して達成率150%となった。脚本や制作過程を公開する参加型の映画づくりを掲げた点も特徴だ。上映時間は90分、配給はエクラン。テレビとSNSをめぐる情報の信頼性が問われる中、映像の切り取り方や伝え方が受け手の判断に及ぼす影響を考える作品として、ネット配信を機に関心が広がるか注目される。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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