OPPO Find X10、Manus統合のAgent Mode搭載へ 複数タスクの自動化とデータ保護

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OPPOは2026年10月21日、スペイン・マヨルカ島でFind X10シリーズを世界向けに発表する予定だ。発表開始は日本時間午後11時。新たなColorOS 17では、AI機能「AI Mind Pilot」にManusのエージェント機能を統合し、旅行計画やファイル整理など、複数の工程を伴う作業を一度の依頼で進められるようにする。
スマートフォンのAIが情報の提示から作業の実行へと進むにつれ、利用者に代わって扱う情報と権限も重要になる。OPPOとManusは、端末内で完結する処理と外部処理を組み合わせ、外部へのコンテンツ送信前に利用者の確認を求める設計を説明している。
■質問への回答から、複数工程の実行へ
OPPOとManusは10月13日に提携を発表した。Manusの機能をAI Mind Pilotの新しい「Agent Mode」に組み込み、利用者の意図を理解して、必要な情報の検索やツールの利用、複数の処理の調整を行う。
AIエージェントの特徴は、利用者から目標を受け取り、その達成に向けて作業を進める点にある。目標を小さな作業に分け、必要なツールを使い、途中の結果に応じて次の操作を選ぶ。質問ごとの回答を中心とする使い方から、成果物や作業の完了を目指す使い方への広がりだ。
OPPOが示した例では、旅行の計画を頼むと、スマートフォン内の異なるアプリに散在する航空券、ホテル予約、レストラン予約、観光施設のチケットを集めて整理する。さらにオンライン情報を組み合わせ、日ごとの旅程にまとめるという。利用者が資料を手作業で集めてアップロードする手間を減らす狙いがある。
Manusは、旅行写真の検索・整理や、特定の画像を見つける使い方も紹介している。既存のファイルとオンライン情報から、プレゼンテーション、提案書、ポートフォリオなどを作成する用途も挙げた。端末内の個人情報を、検索対象から作業の材料へと広げる機能といえる。
両社の説明では、ColorOS 17はオンデバイスモデルを使って関連情報を端末内で理解・整理する。ファイルや写真の検索、整理、名前変更といったローカル作業では、元のコンテンツを端末内に保持する。外部処理が必要な場合は、関連するコンテンツをアップロード、共有する前に明示的な確認を求め、利用者がアクセス対象や実行する操作を管理する設計だ。
■Manus 2.0と、別アプリとして展開するCue
Manusは、ブラウザー拡張機能「Monica」も開発したButterfly Effectのチームが手がける汎用AIエージェントだ。2025年3月に招待制で公開され、仮想コンピューティング環境で調査や資料作成などを進め、完成した成果物を返すサービスとして注目を集めた。
Manusは2026年9月28日、Manus 2.0を発表した。自社開発のエージェント実行基盤「Cascade」は、プロジェクトの開始時には構成を軽量に保ち、作業に必要になった段階で専門的な機能を呼び出す仕組みだと説明している。
同社によると、あるテスト構成では従来システムに比べ、トークン使用量を23.2%、タスク完了時間を28.2%、実行コストを32%削減した。いずれもManusが特定のテスト構成で得た結果として公表した数値である。
同時に発表した「Cue」は、Manusと共通の基盤を使う、スマートフォンとデスクトップ向けの独立したアプリだ。各エージェントに専用のメールアドレス、電話番号、ウォレット、コンピューターを持たせ、メッセージ送信や、利用者が設定した予算内での支払いなどを行わせる。複数のエージェントが共通の目標に向けて作業を分担する使い方も示している。
Cueの発表時点での提供形態は、招待コードを使う無料の早期アクセスだった。AI Mind PilotへのManus統合とCueは、それぞれ異なる製品として案内されている。利用時には、使う製品ごとに接続するアカウントと、許可する操作を確認することが重要になる。
■Metaによる買収と独立運営への復帰
Manusは急成長の一方、所有・運営体制の変化も経験した。調査会社Sacraは、2025年中の年換算売上高を1億2700万ドル(約201億円)、その後の2026年6月時点を4億5000万ドル(約711億円)と推計している。これは売上のペースを年換算した推計値だ。
Metaは2025年12月、Manusの買収を発表した。買収額は20億ドル超と報じられた。AP通信によると、中国国家発展改革委員会の外商投資安全審査を担う機関は、2026年4月27日に買収を禁止し、当事者に取引の撤回を求めた。
ロイターによると、審査中の3月には、共同創業者でCEOの肖弘氏と首席科学者の季逸超氏が当局との協議のため北京に呼ばれ、その後、出国を禁じられた。買収審査は、シンガポールを拠点とする同社にとっても、事業運営上の重要な出来事となった。
Bloombergの報道を伝えたTom's Hardwareによると、Metaは6月までにManusとの業務上の分離を進め、従業員による内部システムへのアクセスなどを停止した。Manusは9月1日に独立運営の正式な再開を発表し、創業チームが引き続き会社を率いると説明した。
Manusはこの移行に伴い、一部の利用者がデータのバックアップと復元、一時的なアクセス中断を経験したとも説明している。復元が必要な利用者向けには専用の窓口を設け、復元期限は設定していないと案内した。
ロイターによると、親会社Butterfly Effectは10月8日、5億ドル超の資金調達を完了したと発表した。Boyu CapitalとIDG Capitalが共同主導し、Tencent、HSG、ZhenFundなども参加した。SiliconANGLEによると、Bloombergは9月の段階で、この調達が企業価値40億ドル(約6320億円)を想定していると報じていた。その5日後に、OPPOとの提携が発表された。
■メールを入口とした攻撃と、実行権限の管理
Salt Securityの研究部門Salt Labsは10月1日、メールを使ってManusに不正な処理を実行させる脆弱性の研究結果を公表した。同社によると、問題は責任ある開示手続きを経て修正され、公表時点で悪用できる状態は解消されていた。
研究では、利用者が接続したメールアカウントに細工したメッセージを送り、Manusに受信メールを確認させた。メール内の処理指示を通じて、JavaScriptを記号の組み合わせで表現する難読化手法「JSFuck」のコードを実行させ、エージェントのサーバー側環境でコマンドを動かせたという。
外部のメールや文書に埋め込まれた指示がAIの動作を変える攻撃は、間接プロンプトインジェクションと呼ばれる。Salt Labsは、今回の検証では安全機構が不審な処理を検出したものの、警告が表示された時点でコードがすでに実行されていたと報告した。問題はMetaのバグ報奨金プログラムを通じて報告された。
Salt Labsによると、影響は利用者が接続したサービスの構成によって広がる可能性があり、メール以外にクラウドストレージやコードリポジトリーも対象になり得た。AIの動作を安全に保つには、読み込む内容の検査とともに、そのAIが実行できる操作や利用できる認証情報を管理する必要がある。
英国国家サイバーセキュリティセンターも、AIエージェントを導入する際には、機密データや重要システムへのアクセスを制限し、実行中と実行後の活動を監視するよう勧めている。個人利用でも、接続先を用途に必要な範囲へ絞り、送信や支払いなど影響の大きい操作の承認方法を確認することが、権限管理の基本になる。
■データ保護は処理場所、運営主体、法制度を併せて確認
AIエージェントのデータ保護を検討する際は、端末内に残る情報と外部へ送る情報、サービスの運営法人、データ処理に関与する事業者を併せて確認する必要がある。旅行予約や文書、写真を横断的に扱う機能では、外部送信時の確認内容が、利用者にとって重要な判断材料となる。
中国の国家情報法第7条は、組織と公民に対し、法に従って国家情報活動を支持、支援、協力し、知り得た秘密を保持する義務を定める。同法第8条は、情報活動を法に従って行い、人権や個人・組織の合法的な権益を尊重、保障すると規定する。情報活動の妨害については、犯罪を構成する場合の刑事責任も定めている。
データ安全法第2条は、中国国内のデータ処理活動と安全監督に適用されるほか、国外の処理活動が中国の国家安全、公共の利益、国民や組織の合法的権益を損なう場合の法的責任を規定する。第35条では、公安機関や国家安全機関が国家安全の維持や犯罪捜査のためにデータを取得する際、厳格な承認手続きなどを経ることと、関係する組織・個人の協力を定めている。
2026年1月に改正法が施行された中国のサイバーセキュリティ法にも、ネットワーク運営者による適法な捜査への技術支援や協力の規定がある。重要情報インフラの運営者には、中国国内の運営で収集・生成した個人情報と重要データの国内保存などを求める。サービスを評価する際は、こうした法令の対象となる事業やデータの範囲を、実際の運営体制に沿って確認することになる。
Manusはセキュリティ情報を公開するTrust Centerで、SOC 2 Type I・Type IIの報告書・証明書類と、ISO 27001、ISO 27701の認証を案内している。企業で導入する際は、監査・認証の対象範囲と、利用するサービスや連携機能、契約上のデータ処理条件を照合することが重要だ。
■Find X10のハードウェアとColorOS 17
世界向け発表に先立ち、OPPOはFind X10とFind X10 Pro Maxの主要仕様を公表した。中国ではFind X10 Eも含む3機種を展開しており、ITmedia Mobileによると、中国向け発表は9月22日に行われた。世界向けの詳細な仕様、価格、販売時期は10月21日の発表で案内する予定だ。
Find X10 Pro Maxは2nmプロセスのMediaTek Dimensity 9600 Proを搭載する。MediaTekによると、CPUはArm C2-Ultraを2基、C2-Proを6基備え、GPUはArm Mali-G2 Ultra NX、AI処理部はSuper Efficient NPU 2.0を採用したNPU 1090となる。端末内での生成AIやエージェント型AIの処理を支える構成だ。
OPPOの中国向け仕様では、Pro Maxの画面は6.78インチで、背面にはハッセルブラッドと共同開発した広角・超広角・望遠の各2億画素カメラを備える。標準モデルのFind X10はDimensity 9600Mと6.59インチのフラット画面を搭載し、解像度は2768×1272ピクセルだ。
両モデルの中国向け仕様とシンガポール向け発表では、バッテリー容量は8000mAhとされている。一方、スペイン紙Cinco Díasは、同国向けの紹介記事で7150mAhと報じている。購入時は販売地域ごとの仕様を確認したい。
ColorOS 17はAndroid 17を基盤とし、世界向けには10月13日に発表された。「Living Flow Design」に加え、描画処理をまとめるLuminous Rendering Engineと、システム資源を調整するLaminar Flow Engineを採用する。フローティング型のナビゲーションなど、画面操作の見直しも行われた。
OPPOの世界向け発表によると、前世代に比べ、特定場面の描画負荷を最大30%削減し、アプリ起動の安定性を55%改善、バックグラウンドで保持できるアプリ数を25%超増やした。これらは同社の試験に基づく数値だ。AndroidPureによると、中国では10月8日から安定版の配信が始まり、OPPO、OnePlus、realmeの130機種超への展開が計画されている。
OPPOは、クラウドAI処理向けの「Private Computing Cloud」でエンドツーエンド暗号化を採用し、端末とクラウド間の通信に耐量子セキュリティ機能を追加したと説明する。利用したAIサービスや処理の履歴を端末で確認・出力できる「Transparency Report」も導入する。機能の便利さに加え、どの情報を使って何を実行したかを利用者が把握できる仕組みも、評価の軸になる。
■広がるスマートフォンのエージェント化
スマートフォンでAIに作業を任せる動きは、各社で進んでいる。Samsungは2月25日にGalaxy S26シリーズを発表し、Bixby、Google Gemini、Perplexityを組み合わせるAI体験を打ち出した。日本ではSIMフリーモデルが3月12日に発売された。
Googleも5月の「The Android Show」などで、Androidを利用者の意図から行動へつなぐ「インテリジェンスシステム」へ進化させる方針を示した。複数のアプリにまたがる操作をAIが引き受けることが、スマートフォンの新しい利用体験として位置付けられている。
The Registerが5月に伝えたCounterpoint Researchの予測では、2027年に販売されるスマートフォンの3台に1台がエージェント型AIに対応し、600ドル超のプレミアム機では対応率が80%を超える見通しだ。Counterpointは7月の分析でも、競争の軸がハードウェア仕様や個別のAI機能から、実行能力、サービス連携、文脈理解へ移る可能性を指摘している。
OPPOとManusの提携は、端末内の写真やファイルを理解する機能と、複数工程を進めるエージェントを組み合わせる取り組みだ。旅行計画や資料作成をどれだけ少ない操作で終えられるか、外部へ渡す情報や実行する操作をどれだけ分かりやすく管理できるか。その両面が、Find X10のAgent Modeを評価するポイントとなる。
元記事: OPPO Find X10 Debuts With Manus AI; Researchers Exposed Exploit, China Can Compel Agent Email Access
※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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