NANOホールディングス Research Memo(4):投資事業を主たる事業とするホールディングス体制へ移行(3)
*12:04JST NANOホールディングス Research Memo(4):投資事業を主たる事業とするホールディングス体制へ移行(3)
■会社概要
3. 沿革
NANOホールディングス<4571>は、もともとナノキャリアとして1996年に設立されたバイオベンチャーであった。低分子抗がん剤のDDS製剤の実用化を目指して、2000年から本格的に研究活動を開始し、2008年3月には東京証券取引所マザーズ市場への株式上場を果たした。
2023年1月、同社は、2020年に吸収合併した核酸創薬に特化したアキュルナ(株)のパイプラインを基に、メッセンジャーRNA(mRNA)医薬品の創薬を中心に据えたベンチャー企業として、新たな事業方針への転換を図った。同年6月には「NANO MRNA」へと商号を変更し、事業転換を明確に打ち出した。
2025年12月11日以降、同社は日本の優れたヘルスケア技術をグローバル資本につなぐ投資事業へ参入し、2026年4月にホールディングス体制へ移行した。これにより、投資事業を主たる事業とし、創薬事業を子会社で推進する現在のグループ体制が整った。
4. 市場環境と投資事業参入の背景
世界の投資家は、相対的に割安感があり、技術力、知的財産、人材及び事業基盤を有する日本企業への関心を高めている。ヘルスケア領域でも、日本発の技術を海外の資金や事業開発機能につなぐことで、グローバル市場での成長を実現する余地が大きい。国内では、政府が創薬力強化、バイオスタートアップ育成及び海外資本の呼び込みを重要政策に位置付け、研究開発支援、治験環境の整備及び官民連携を進めている。こうした政策は、日本の技術を世界市場へ展開するうえで追い風となる。一方、日本の研究開発型企業は、長期の開発期間と多額の資金を必要とするため、国内資本だけでは十分な成長資金を確保しにくい場合がある。また、技術的価値が高くても、海外展開や事業提携の体制が不足し、グローバル市場での評価につながっていない企業・事業資産も存在する。このような日本の技術と世界の資本・事業機会との間にあるギャップが、同社の投資機会となる。同社は、投資対象について、技術・知的財産の競争力、グローバル市場での事業性、経営体制及びEXITの可能性を総合的に評価し投資判断を行う。投資後は、資金供給に加えて、開発戦略、製造・品質、知的財産、事業提携及びガバナンスの強化を支援し、グローバル市場での成長を加速させる。同社が目指すのは、日本発の技術を海外の投資家、製薬企業及び事業会社につなぎ、世界市場で通用する企業・事業へ成長させることである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水 啓司)《HN》
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