ハッチ・ワーク Research Memo(6):月極イノベーション事業がけん引、戦略投資を積極化(2)
*11:06JST ハッチ・ワーク Research Memo(6):月極イノベーション事業がけん引、戦略投資を積極化(2)
■ハッチ・ワーク<148A>の業績動向
2. 事業セグメント別動向
(1) 月極イノベーション事業
月極イノベーション事業の2026年12月期中間期累計の売上高は1,063百万円(前年同期比27.2%増)と大幅な成長を続けた。同事業のAPクラウドサービスが引き続き順調に拡大しており、2026年6月末時点のAPクラウド登録台数は50.8万台(同21.8%増)、決済代行台数は19.9万台(同24.8%増)、滞納保証台数は9.9万台(同31.0%増)といずれも高伸長を続けている。APクラウド登録台数の増加に伴い、売上に直結する決済代行及び滞納保証への転換も進んでおり、システム利用料、決済手数料、滞納保証料といったストック型収益が順調に積み上がった。この結果、APクラウドサービスのARRは1,674百万円(同31.5%増)まで拡大している。引き続きAPクラウド登録台数の伸び率を上回る、好調なARRの伸び率を維持する公算である。ハトマーク支援機構との業務提携を背景とした営業活動も継続しており、全国宅建業者の約80%が加盟するハトマークグループの加盟企業への営業展開を進め、全国導入の動きが進展している。損益面においては、LLMO(Large Language Model Optimization)対策やシステム関連投資、採用強化など、中長期の成長に向けた先行投資を計画どおり実施した。一方、決済代行、滞納保証といった各種KPIの伸長に伴うストック収益の積み上がりがこれを吸収し、セグメント利益は302百万円(同12.6%増)と増益を確保した。売上総利益も828百万円(同25.9%増)まで拡大しており、先行投資を進めながら増収増益を継続している。
事業動向としては、APクラウド登録台数の拡大に加え、既存の駐車場利用者基盤や月極駐車場の空き区画を活用した新たなサービス展開を進めている。「アットパーキングウィークリー」では、月極駐車場の空き区画を1日単位で提供するパーク&ライド支援サービス「駅チカライド」を開始し、従来の工事や帰省などの中期利用に加えて利用シーンの拡大を図っている。第1弾として、四国旅客鉄道(株)(以下、JR四国)と連携し、同社沿線の約240ヶ所・5,800台規模の駐車場で展開する。また、松山市と「災害時における月極駐車場の利活用に関する協定」を締結するなど、分散する月極駐車場を地域・災害インフラとして活用する取り組みも推進している。こうした自治体との連携による地域での認知度向上をAPクラウドサービスの導入拡大につなげるほか、「アットパーキング」利用者向けにドライブレコーダー出張取り付け優待を提供するなど、利用者への付加価値拡大の観点から、駐車場利用者基盤を活用したカーライフ支援領域への展開も随時拡充している。
(2) ビルディングイノベーション事業
ビルディングイノベーション事業の2026年12月期中間期累計の売上高は515百万円(前年同期比3.8%増)となった。貸会議室・シェアオフィスの両サービスともに売上高は堅調に推移しているほか、2026年4月1日には青山一丁目及び新橋に新モデルとなる貸会議室を同時開業し、新規出店を再始動した。これにより、東京、神奈川、大阪で合計19ヶ所の貸会議室・シェア会議室・レンタルオフィスなどのサービスを提供している。中間期単体でも会議室サービスの売上高が259百万円まで拡大しており、新規拠点の稼働開始も寄与して中間期での売上高は453百万円(同4.6%増)と伸長した。
一方、貸会議室は新規出店時に初期費用が先行して発生し、翌年以降に拠点損益がプラスへ転じる収益構造となっている。今上期は青山一丁目及び新橋への新規出店に伴い約68百万円の出店投資を実施したことから、セグメント利益は89百万円(前年同期比30.9%減)と減益となった。ただし、下期以降の新規拠点の本格稼働による収益寄与を見込んでおり、通期業績予想に対する進捗はおおむね計画どおりとしている。短期的には出店関連費用が利益の押し下げ要因となるものの、来期以降の売上高及び利益の再成長に向けた投資フェーズと位置付けられる。
3. 財務状況と経営指標
2026年12月期中間期末の資産合計は、前期末比で127百万円増加し3,012百万円となった。流動資産は同10百万円増加したが、月極イノベーション事業の拡大に伴う預け金の増加167百万円、未収入金等の増加47百万円、売掛金の増加21百万円があった一方、現金及び預金が223百万円減少したことが主な要因である。営業活動によるキャッシュ・フローは25百万円の支出、投資活動によるキャッシュ・フローは130百万円の支出となり、フリーキャッシュ・フロー(営業活動と投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は156百万円の支出となった。さらに、長期借入金の返済や短期借入金の返済などにより財務活動によるキャッシュ・フローも66百万円の支出となった結果、現金及び現金同等物は前期末比223百万円減少し1,167百万円となった。また、固定資産は同117百万円増加したが、本社オフィスの移転及び貸会議室の新規出店等に伴う設備投資により、有形固定資産が115百万円増加したことが主な要因である。負債合計は同74百万円増加し1,931百万円となった。短期借入金が81百万円、1年内返済予定の長期借入金が46百万円減少した一方、月極イノベーション事業の拡大に伴い未払費用等が71百万円、預り金が56百万円増加したほか、長期借入金が70百万円増加したことなどが主な要因である。純資産合計は同53百万円増加し1,080百万円となった。中間純利益の計上により利益剰余金が同49百万円増加し、自己資本比率は35.8%と同0.2ポイント上昇した。事業拡大に伴う運転資金負担と積極的な投資により、上期はフリーキャッシュ・フローがマイナスとなったものの、総じて財務健全性は維持しており問題はないだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 若杉 孝)《HN》
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