マイク・フラナガン版「ダーク・タワー」は開発継続、「キャリー」との接続も示唆

2026年9月20日 00:48

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記事提供元:Tech Times

マイク・フラナガンが進めるスティーヴン・キング「ダーク・タワー」の映像化企画は、現在も開発段階にある。正式なシリーズ発注、出演者、撮影開始日は発表されていないが、フラナガンは2026年9月、企画が今も「十分に検討の俎上にある」と説明した。

実現までに時間がかかっている背景には、作品の規模と権利関係の複雑さがある。一方、10月7日にPrime Videoで全8話が一挙配信される新シリーズ「キャリー」については、「ダーク・タワー」につながる人物を登場させる可能性も示唆している。

■正式発注には大規模な投資が必要

「ダーク・タワー」は、ガンスリンガーのローランド・デスチェインが、複数の世界を結ぶダーク・タワーを目指す物語である。西部劇、ダークファンタジー、ホラー、SF、アーサー王伝説、メタフィクションなどを組み合わせ、キングのほかの作品とも結び付いている。

フラナガンはEntertainment Weeklyに対し、自身が望む形で制作するには、スタジオによる「途方もなく大きなコミットメント」が必要だと説明した。企画は止まっているのではなく、巨大なプロジェクトであるため「石油タンカーのような速度」で進んでいるという。

フラナガンと製作パートナーのトレバー・メイシーは2022年、Amazon MGM Studiosとの包括契約とは別に、「ダーク・タワー」の映像化権を取得したと発表した。フラナガンは当時、テレビシリーズ5シーズンと、それに続く長編映画2本を構想していると明かしている。

権利がAmazonとの契約から切り離されているため、Prime Videoでの制作が自動的に決まるわけではない。フラナガンは現在Amazonとテレビ向けの包括契約を結んでいるが、「ダーク・タワー」を同社で制作するには、別途合意が必要になる。

■キング作品を横断する権利関係

映像化を複雑にしているもう一つの要因が、「ダーク・タワー」とキングのほかの作品との結び付きである。原作には、「ザ・スタンド」「不眠症」「ブラック・ハウス」「タリスマン」などと関係する人物や設定が登場する。

フラナガンは、関連する登場人物の映像化権が複数の権利者に分かれていると説明している。原作とのつながりをどこまで映像版に盛り込めるかは、個々の権利関係やライセンス交渉に左右されることになる。

企画は、フラナガンがNetflixからAmazonへ活動の軸足を移した時期と、2023年の全米脚本家組合およびSAG-AFTRAのストライキによって進行が遅れた。フラナガンによると、その後も開発作業自体は継続している。

2024年には、フラナガンが自身の製作会社Red Room Picturesを設立した。「ダーク・タワー」の現在の正式な配信先や製作体制は発表されていない。

■「キャリー」がキング作品の接点になる可能性

フラナガンがショーランナーを務める「キャリー」は、スティーヴン・キングの同名小説を現代的に再構成した全8話のシリーズである。Prime Videoの公式発表によると、2026年10月7日に世界240以上の国と地域で全話が一挙配信される。

キャリー・ホワイトを演じるのはサマー・H・ハウエル、母マーガレット役はサマンサ・スローヤンである。アンバー・ミッドサンダー、マシュー・リラードらも出演する。

フラナガンは、原作でキャリーの念動力が「TK遺伝子」と表現されていることに触れ、キングがもう少し後に同作を書いていれば、キャリーは「シャイニング」を持つ人物として描かれていたかもしれないと語った。「シャイニング」は、キングの複数の作品を横断して登場する超感覚的な能力の呼称である。

新シリーズでは、第2話以降の冒頭に、異なる時代に生きた特殊な能力を持つ女性たちを描く場面が配置されるという。キャリーの能力を単独の現象ではなく、時代や人物をまたぐ広い枠組みの中に置く構成となる。

■「ダーク・タワー」の人物が登場する可能性

「キャリー」と「ダーク・タワー」の直接的な接続について、フラナガンは「不可能ではない」と答えている。「ダーク・タワー」の物語で特定の役割を担い得るものの、限られた書籍にしか登場しないため、多くの視聴者には気付かれない人物がいるという。

現段階では、どの人物を指しているのかは明らかにされていない。この発言は、「キャリー」に「ダーク・タワー」の登場人物が実際に登場すると確定したものではなく、フラナガンが制作過程で検討してきた可能性を示すものだ。

フラナガンは2019年の映画「ドクター・スリープ」でも、「ダーク・タワー」を連想させる名称や数字を盛り込んでいた。「キャリー」では、こうしたイースターエッグにとどまらず、キング作品に共通する超能力の捉え方を物語の構造に取り入れようとしている。

その発想は、「ダーク・タワー」に登場する「ブレイカー」とも接点を持つ。ブレイカーは強力な超能力を備え、複数の世界を支える「ビーム」の破壊に利用される人々である。「キャリー」で能力者の系譜を描くことは、将来「ダーク・タワー」を映像化する際に、その概念を読み解く補助線になり得る。

■原作を支えるビームと循環の構造

「ダーク・タワー」の世界では、塔と6本のビームが複数の世界の秩序を支えている。ビームは単なる象徴ではなく、移動の方角を示し、世界の安定を維持するインフラとして描かれる。

物語が始まる時点では、その一部がすでに失われ、残るビームも攻撃を受けている。ビームを守る文明や組織も衰退しており、宇宙規模の危機と、保守する人や制度を失ったインフラの崩壊が重ねられている。

この構造には、神話学で世界の中心や異なる領域を結ぶ軸を指す「世界軸」のイメージを重ねられる。また、初期宇宙で形成された可能性が研究されている一次元のトポロジカル欠陥「宇宙ひも」も、宇宙を貫く構造という視覚的なイメージを考える手掛かりになる。

宇宙ひもは存在が確認されていない仮説上の構造であり、ビームと同じ機能を持つものではない。両者の共通点は、宇宙を横断する線状の構造という抽象的なイメージにある。

作中で運命を表す「カ」は、「輪」のように巡る力として語られる。ローランドの旅にも循環構造があり、同じ出発点へ戻りながら、前の循環とは異なる要素が次の旅へ持ち越される。

この反復と変化の組み合わせは、宇宙が複数の時代を循環するという循環宇宙論を連想させる。ただし、物語と宇宙論の間に直接的な影響関係が示されているわけではなく、繰り返される世界に差異が受け渡されるという物語構造を理解するための比較である。

■過去の映像化と長編シリーズの必要性

2017年公開の映画「ダーク・タワー」は、イドリス・エルバがローランド、マシュー・マコノヒーが黒衣の男を演じた。上映時間約95分の中で原作の複数の要素を再構成したが、批評家からは厳しい評価を受けた。

その後、グレン・マザラがショーランナーを務めるAmazon向けテレビシリーズのパイロット版も制作されたが、シリーズ化には至らなかった。これまでの経緯は、原作の長さだけでなく、複数の世界、時代、関連作品を扱う企画の難しさを示している。

フラナガンの5シーズンと映画2本という構想は、2017年の映画を単に長く作り直すというものではない。物語の各段階に時間を割き、ローランドと仲間たちの関係、ミッド・ワールドの歴史、塔とビームの仕組みを段階的に描く計画である。

シーズン1の脚本については、フラナガンが執筆を進め、キングから構想への支持を得ていると報じられている。一方、制作会社による正式発注は確認されておらず、現在も企画開発とシリーズ制作の間には大きな隔たりがある。

■実現時期はなお未定

フラナガンは「キャリー」に続き、「エクソシスト」の新作映画や「ミスト」の新たな映像化企画も進めている。「ダーク・タワー」については、これらの作品の後に制作されるのか、並行して開発が続くのかを含め、具体的な日程は示されていない。

現時点で確認できるのは、フラナガンが企画を断念しておらず、望む形で実現するための方法を探っていることだ。「キャリー」との接続も確定事項ではないが、キング作品に共通する超能力の捉え方を先行して提示する作品になる。

「ダーク・タワー」の映像化には、長期間の制作を支える資金と、関連作品にまたがる権利関係の整理が必要になる。企画は今も動いているが、正式発注に至るかどうかは、スタジオがその規模に見合う長期的な投資を決断できるかにかかっている。

元記事: Mike Flanagan Uses Carrie to Build Dark Tower Mythology Before Greenlight

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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