ダニエルズ新作、マット・デイモンの戦隊風スーツ姿を撮影 気候変動を描くSF映画と報道

2026年9月5日 20:34

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記事提供元:Tech Times

ダニエル・クワンとダニエル・シャイナートの監督デュオ「ダニエルズ」による新作映画の撮影現場で、マット・デイモンが赤を基調としたヒーロースーツを着用している姿が確認された。作品は「Thasnagar」の仮題で撮影されていると報じられているが、Universal Picturesは正式タイトルや物語の詳細を発表していない。

Universal Picturesが公式に案内しているのは、ダニエルズが監督するタイトル未定のイベント映画で、米国で2027年11月19日に劇場公開する予定であることだ。業界報道では、色分けされた若いヒーローチームや怪獣、時間移動、気候変動などを組み合わせたSFアクションコメディーになると伝えられている。

■マット・デイモンの赤いヒーロースーツ姿

9月3日に報じられたロサンゼルスの撮影現場では、デイモンが赤を基調としたジャンプスーツとヘルメットを身に着けていた。周囲には、同じ意匠の衣装を着た複数の出演者も確認できる。

色で役割を分けたチームや統一感のあるヘルメットは、「パワーレンジャー」や、その基になった日本の「スーパー戦隊」シリーズを連想させる。ただし、本作と「パワーレンジャー」に公式な関係があるとは発表されておらず、現段階では独自企画として製作されている。

「Thasnagar」は撮影時に使われている仮題とされる。Universal Picturesの公式サイトでは「ダニエルズ監督によるタイトル未定のイベント映画」と案内されており、日本向けの正式タイトルや公開日は発表されていない。

本作は、「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」以来、ダニエルズが共同監督する初の長編映画となる。同作は2023年の第95回アカデミー賞で作品賞、監督賞、脚本賞など7部門を受賞した。

■気候変動と時間移動を組み合わせた物語か

物語の詳細は公表されていないものの、複数の業界報道によると、本作は1980年代と現代を行き来しながら、若いヒーローチームが怪獣と戦う作品になるという。デイモンは若者たちを導くヒーロー的な人物、サンドラ・オーはそのAI相棒を演じると報じられている。

さらに、気候変動が物語の中心的な脅威として描かれるとの情報もある。現場写真から確認できるのは衣装や撮影の進行状況までであり、地球温暖化が作中でどのように擬人化されるのか、怪獣や時間移動とどう結び付くのかは明らかになっていない。

デイモンは2026年7月のインタビューで、ダニエルズから本作を「『ブレックファスト・クラブ』と『インセプション』とアニメ映画、さらに放送されなかった『Last Week Tonight with John Oliver』の一話を組み合わせたような作品」と説明されたことを明かしている。「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」の奔放さと心情表現を好んだ観客にも響く作品になるとの見方を示した。

■戦隊型チームと気候行動に通じる構造

色分けされた複数のヒーローが協力する形式は、気候変動を扱う物語と相性のよい構造を持つ。スーパー戦隊シリーズでは、異なる能力や役割を担うメンバーが力を合わせ、個人では対処できない脅威に立ち向かうことが繰り返し描かれてきた。

気候変動対策でも、温室効果ガスの排出源はエネルギー、産業、運輸、建築、農林業など多くの分野にまたがる。IPCCは、温暖化を抑えるためには各分野で大規模かつ急速な排出削減を進め、政策、技術、資金、社会制度を組み合わせる必要があるとしている。

一つの国や企業、個人だけで完結しない問題に、それぞれ異なる役割を持つチームが向き合う。この共通構造は、戦隊風の映像表現を気候変動という主題へ接続する手掛かりになる。作品が実際にこの構造を物語へ取り入れているかは、今後の公式情報を待つ必要がある。

■1980年代と現代を結ぶ時間軸

1980年代と現代を往来するとの設定が事実なら、気候変動を世代にまたがる問題として描く構成になる可能性がある。二酸化炭素による温暖化は累積排出量と密接に関係しており、過去に排出された二酸化炭素も現在の温暖化に寄与している。

1980年代は、気候変動が科学の領域から社会や政治の主要課題へ移り始めた時期でもある。1979年に米国科学アカデミーがまとめた通称「チャーニー報告書」は、大気中の二酸化炭素濃度が倍増した場合の平衡時の気温上昇について、最良推定値を3℃、推定範囲を1.5~4.5℃とした。1988年にはNASAの科学者ジェームズ・ハンセンが米上院で証言し、人為的な温暖化への関心を広げる契機の一つとなった。

過去の登場人物による判断と、その数十年後を生きる世代を並行して描く構成は、気候変動が時間をかけて蓄積する問題であることを人物関係や物語上の結果として表現できる。ダニエルズが得意としてきた家族や世代間の関係とも接続しやすい題材だ。

■気候変動を物語上の敵として描く試み

気候変動には単独の悪役が存在せず、原因と影響が場所や世代を越えて広がる。このような脅威を映画で扱う場合、抽象的な仕組みを観客が追える人物や出来事へ置き換えることが重要になる。

インド出身の作家・批評家アミタヴ・ゴーシュは、著書「大いなる錯乱」で、気候危機を表現するには、個人を中心に発達してきた従来の物語形式だけでは捉えにくい規模と時間軸があると論じた。温暖化をヒーローが対峙する存在として表現する発想は、広範囲に及ぶ問題を映画の登場人物や映像へ集約する方法の一つと考えられる。

IPCCは、温暖化の進行度が増すごとに損失や損害が拡大すると評価している。そのため、気候変動を扱う物語では、脅威を一度に消滅させることよりも、協調した行動によって被害とリスクを減らすという考え方が重要な補助線になる。

■豪華キャストが参加

若いチームの主要キャストとして、ショーン・カウフマン、シルヴィア・ディオニシオ、ジャクソン・ケリー、ケリス・ブルックス、タリア・デュデクの出演が報じられている。このほか、チャールズ・メルトン、マイケル・ガンドルフィーニ、サンドラ・オー、PinkPantheressらが参加する。

英国のシンガーソングライター兼プロデューサー、PinkPantheressにとっては本作が長編映画での俳優デビューとなる。PinkPantheressは2026年のBRIT AwardsでProducer of the Yearに選ばれ、同部門で初の女性かつ最年少の受賞者となった。

ダニエルズは長編映画へ進出する以前、ミュージックビデオの制作で注目を集めた。音楽制作を出発点とするPinkPantheressの参加は、音楽と映像を横断してきたダニエルズの経歴とも重なる。

■2027年11月に米国公開予定

Universal Picturesは、本作を米国で2027年11月19日に劇場公開する予定としている。正式タイトル、あらすじ、配役の詳細、予告編は発表されていない。

撮影現場で確認された戦隊風の衣装は、作品の視覚的な方向性を初めて具体的に伝えるものとなった。色分けされたチーム、複数の時代、怪獣、AI、気候変動という要素をダニエルズがどのように結び付けるのか、今後の正式発表が注目される。

元記事: Set Photos Reveal Matt Damon in Superhero Suit for Daniels Climate Film Thasnagar

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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