ASUS、最大128GBメモリの「ProArt P16/P14」と小型PC「GR1X」を発表

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ASUSは、NVIDIAの新プラットフォーム「RTX Spark」を搭載するクリエイター向けPCとして、ノートPC「ProArt P16」「ProArt P14」と小型デスクトップPC「ProArt GR1X」を発表した。最大128GBのユニファイドメモリを採用し、生成AIや大規模言語モデル、3D制作などの処理をローカル環境で実行する用途を想定している。
3機種の価格や地域別の発売日は明らかにされていない。日本での発売、構成、価格についても、9月4日時点では正式な案内を確認できない。
■RTX Spark搭載のProArtをIFA 2026で披露
ASUSは9月2日、IFA 2026に合わせてベルリンで開設した「ASUS IFA Media Showroom」で、ProArt P16、ProArt P14、ProArt GR1Xを披露した。ショールームは9月2日から5日まで、招待されたメディアやパートナーを対象に開催され、7つの体験エリアでハードウェアやAIを利用した制作ワークフローを紹介する。
3機種が採用するRTX Sparkは、NVIDIA Blackwell世代のRTX GPUとArmベースのNVIDIA Grace CPUを組み合わせたWindows PC向けプラットフォームである。上位構成では6,144基のCUDAコアを持つGPU、20コアCPU、FP4精度に対応する第5世代Tensorコアを備え、最大128GBのLPDDR5Xユニファイドメモリを利用できる。
NVIDIAとASUSは、最大1ペタフロップスのFP4 AI演算性能を掲げている。最大1,200億パラメータの大規模言語モデル、90GBを超える3Dシーン、4KのAI動画生成などをローカルで処理できるとしているが、これらはプラットフォームの最大構成を前提としたメーカー公称値である。実際の処理速度や利用できるモデルの規模は、メモリ構成、ソフトウェア、消費電力、冷却性能などによって変わる。
■最大128GBをCPUとGPUで共有
RTX Sparkの大きな特徴は、CPUとGPUが最大128GBのメモリ空間を共有するユニファイドメモリアーキテクチャにある。独立したGPUを搭載する一般的なPCでは、システムメモリとGPU専用メモリが分かれており、AIモデルや3DデータはGPU側のメモリ容量に収める必要がある。
ユニファイドメモリでは、CPUとGPUが共通のメモリプールを利用できるため、専用GPUメモリの容量を超える大規模なモデルやデータを扱いやすくなる。特に、モデル全体をメモリへ読み込む必要があるローカルAI推論や、大容量の素材を扱う3D制作、映像編集で効果が期待される。
ProArt P16とP14には、24GB、32GB、48GB、64GB、128GBのメモリ構成が用意される。すべてのモデルが128GBを搭載するわけではないため、利用したいAIモデルや制作ソフトに応じて構成を確認する必要がある。
最大1ペタフロップスという性能値は、FP4精度とスパース性を利用した条件での理論上の最大値である。一般的なアプリケーションの処理速度を直接示す数値ではなく、実際の性能は使用する演算精度やモデル、対応ソフトウェアによって異なる。
■CUDA対応は製品版による検証が焦点
ASUSは、CUDAがRTX Spark上でネイティブ動作し、RTXで高速化されるクリエイティブアプリやAIツールを利用できるとしている。CUDAはNVIDIA製GPUを使った汎用計算の基盤で、生成AIや機械学習、映像処理など幅広いソフトウェアが利用している。
一方、発表段階では製品版ProArtを使った第三者による包括的な性能検証は公開されていない。発売前のSurface Laptop Ultraのエンジニアリングサンプルについて、開発中のドライバでは一部のCUDAベースのAIテストを完了できなかったとの報告もある。ただし、これは市販前の試作機とリリース前のソフトウェアを使った結果であり、ProArtの製品版における動作を示すものではない。
RTX Sparkの価値は、ユニファイドメモリの容量だけでなく、既存のCUDA対応ソフトウェアをWindows on Arm環境でどの程度安定して利用できるかによっても左右される。AI処理を主目的として購入する場合は、製品版ドライバを使ったアプリごとの互換性や処理性能、消費電力を確認することが重要になる。
■ProArt P16は12.9mm厚の16型モデル
ProArt P16は、16型のASUS Lumina Pro OLEDディスプレイを搭載する。筐体の最薄部は12.9mm、重量は1.77kgで、ASUSは16型ProArtとして過去最薄としている。バッテリー容量は99.9Whとなる。
ディスプレイは、4Kに相当する3,840×2,400ドットの有機ELと、2,880×1,800ドットの3K有機ELから選択できる。4Kモデルは120Hzの可変リフレッシュレート、HDR表示時で最大1,600ニトのピーク輝度、DCI-P3色域の100%カバーをうたい、NVIDIA G-SYNCにも対応する。
メモリは最大128GBのLPDDR5X、ストレージは最大2TBのPCI Express 4.0対応SSDを搭載する。内部にはM.2 2280スロットを2基備える。外部端子はUSB4 Type-Cを3基、USB 3.2 Gen 2 Type-A、HDMI 2.1、SD Express 7.0対応カードリーダー、音声入出力端子などで構成される。
本体色はNano BlackとNeo Whiteの2色で、ハプティック方式のタッチパッドを採用する。無線通信はWi-Fi 7とBluetooth 5.4に対応する。
■ProArt P14は1.48kgの14型モデル
ProArt P14は、2,880×1,800ドット、120Hz表示の14型有機ELディスプレイを搭載する。最薄部は13.9mm、重量は1.48kgで、ASUSはProArtノートPCとして過去最軽量としている。バッテリー容量は90Whである。
ディスプレイはDCI-P3色域を100%カバーし、上位パネルではHDR表示時のピーク輝度が最大1,600ニトとなる。反射を抑えるコーティングやタッチ、スタイラス入力にも対応する。
メモリはP16と同じく24GBから最大128GBのLPDDR5Xを選択できる。ストレージは最大1TBのPCI Express 4.0対応SSDで、M.2 2280スロットは1基となる。
外部端子にはUSB4 Type-Cを3基、USB 3.2 Gen 2 Type-A、HDMI 2.1、SDカードリーダー、音声入出力端子を備える。P16と同様に、Nano BlackとNeo Whiteの2色が用意され、Wi-Fi 7とBluetooth 5.4に対応する。
■150mm角の小型PC「ProArt GR1X」
ProArt GR1Xは、150×150×51mmの筐体にRTX Spark N1Xを搭載する小型デスクトップPCである。最大128GBのユニファイドメモリに対応し、AIモデルや3D制作ソフトを長時間動かす据え置き型ワークステーションとして位置づけられている。
冷却機構には2基のファンを採用し、ファンブレードは合計218枚となる。ASUSは長時間の高負荷処理を想定した熱設計を施し、7段階のファン制御に対応すると説明している。冷却範囲について従来設計比で最大1.6倍としているが、これはASUSによる設計上の比較値である。
ネットワーク機能は10GbE、Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4に対応する。最大4台の4Kディスプレイへ同時出力でき、複数画面を使った映像編集や3D制作、AI開発環境の中核として利用することを想定している。
GR1Xは、クラウド上のAIサービスを呼び出すのではなく、デスク上でAIモデルやエージェントを継続的に動かす用途も視野に入れる。ローカル実行ではクラウドの利用量に応じた料金を抑えられるほか、処理対象のファイルやプロンプトを端末内に保持しやすいという利点がある。
■MuseTreeとStoryCubeをローカルAIに活用
ASUSは、新型ProArtに独自のクリエイター向けアプリを組み合わせ、「エージェンティック・クリエーション」と呼ぶ制作環境を展開する。複数のAIモデルやアプリが、生成、編集、素材管理といった工程を横断して連携する構想である。
画像生成アプリ「MuseTree」は、FLUXやWANなどのモデルを統合し、ローカル環境で画像を生成できる。クラウドサービスのトークン制限や処理回数に左右されず、オフライン環境でも制作を進められる点を訴求する。
「StoryCube」は、AIによるシーン認識やメディアの分類、素材管理を支援するWindows向けアプリである。写真や動画の内容を解析して整理することで、クリエイターが大量の素材から必要なデータを探す作業を効率化する。
ASUSは、ノードを組み合わせて画像生成の処理工程を構築できる「ComfyUI」と、独自のAIエージェント「Zenni Claw」を使った連携も紹介している。MuseTreeなどで生成した素材を別の処理へ渡し、編集や管理までを連続させるワークフローを目指す。
ProArtシリーズにはAdobe Creative Cloudのバンドルが用意されるほか、対象機種ではGoogleのAIサービスに関する特典も提供される。ただし、特典の内容や対象期間、提供地域は販売されるモデルによって異なる可能性がある。
■価格と日本での展開は未発表
ASUSは、ProArt P16、ProArt P14、ProArt GR1Xの地域別価格と具体的な発売日を発表していない。日本向けの製品構成、販売方法、価格、発売時期についても正式な情報は確認できない。
RTX Spark搭載PCは、最大128GBのユニファイドメモリとCUDAを組み合わせ、大規模なAIモデルや制作データをローカルで扱う新しい選択肢となる。ProArtの3機種は、P16が画面サイズと拡張性、P14が携帯性、GR1Xが据え置きでの長時間処理をそれぞれ重視した構成である。
購入を検討する際は、必要なメモリ容量に加え、利用予定のWindowsアプリがArmネイティブで動作するか、エミュレーションを利用するか、CUDAや各種AIライブラリに対応するかを確認したい。製品版を使った第三者レビューでは、AI推論性能、アプリの互換性、バッテリー駆動時の性能、騒音や発熱が主な評価点になる。
元記事: ASUS ProArt RTX Spark Debut: Thinner, Lighter, 128GB, But CUDA AI Unverified
※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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