NVIDIAがDLSS 5の性能を公開、6X MFGで表示fpsと基礎描画に大きな差

2026年9月3日 16:04

印刷

記事提供元:Tech Times

(Nvidia.com)

(Nvidia.com)[写真拡大]

NVIDIAは、新たなニューラルレンダリング技術「DLSS 5」を日本時間9月4日午後1時からPC版『NBA 2K27』で提供する。あわせて公開された公式性能データでは、GeForce RTX 5070が1440pで261fpsに達しているが、この数値にはMulti Frame Generationの6Xモードが含まれる。表示の滑らかさと操作への応答性を判断するには、生成後の表示フレームレートだけでなく、基礎となるレンダリングレートも確認する必要がある。

■DLSS 5が『NBA 2K27』で提供開始

DLSS 5は、NVIDIAが「3D-Guided Neural Rendering」と呼ぶ新しい映像処理技術だ。日本時間9月4日午後1時から、Visual Conceptsが開発し、2Kが販売するPC版『NBA 2K27』で初めて利用可能になる。対応環境はGeForce RTX 50シリーズのデスクトップGPUとノートPC向けGPU、およびクラウドゲームサービスのGeForce NOWである。

これまでのDLSSは、低い内部解像度から高解像度の映像を再構成するSuper Resolutionや、レンダリング済みフレームの間に新しいフレームを生成するFrame Generationなどによって、主に画質と性能の両立を図ってきた。

DLSS 5では、ゲームが描画した色情報やモーションベクトルなどをニューラルモデルで解析し、肌、髪、衣服、照明といった表現を補強する。NVIDIAによると、開発者は効果の強度や適用範囲を調整でき、ゲーム本来の形状やアートディレクションを基準に仕上がりを制御できる。

『NBA 2K27』では、実在選手をスキャンした顔の形状を維持しながら、耳を透過する光、肌や髪への光の当たり方、首元やユニフォームに生じる細かな影などの表現にDLSS 5が使われる。

■公式性能値は6X MFGを使用

NVIDIAが公開した『NBA 2K27』の性能データでは、4K、レイトレーシング有効、Ultra設定、DLSS Super ResolutionのPerformanceモード、Multi Frame Generationの6Xモードという条件で、RTX 5090が約370fps、RTX 5080が約233fpsを記録している。

1440pではSuper ResolutionをQualityモードに設定し、RTX 5090が約594fps、RTX 5080が約413fps、RTX 5070 Tiが約352fps、RTX 5070が約261fpsとなった。

1080pのUltra設定では、RTX 5090が約797fps、RTX 5080が約602fps、RTX 5070 Tiが約530fps、RTX 5070が約386fps、RTX 5060 Tiが約325fps、RTX 5060が約258fpsとされている。

いずれもNVIDIAによる自社測定値であり、独立したレビューによる検証結果ではない。また、すべての数値に6X MFGが適用されている点が重要になる。

■RTX 5070の基礎描画は約44fps相当

Multi Frame Generationの6Xモードは、GPUがレンダリングした1枚のフレームを基に、最大5枚のフレームをAIで生成する。これにより、合計6枚のフレームを表示して映像の動きを滑らかにする。

表示フレームレートを単純に6で割ると、フレーム生成処理中の基礎的なレンダリングレートを概算できる。RTX 5090の4Kにおける370fpsは約62fps、RTX 5080の233fpsは約39fpsに相当する。

1440pでは、RTX 5070の261fpsが約43.5fps、RTX 5070 Tiの352fpsが約59fpsに相当する。1080pでは、RTX 5070の386fpsが約64fps、RTX 5060の258fpsが約43fpsとなる。

もっとも、これは表示フレームレートから求めた概算値である。Multi Frame Generation自体にも処理負荷があるため、フレーム生成を無効にした場合の実測レンダリングレートが、この計算値と完全に一致するわけではない。

■表示の滑らかさと入力応答は分けて考える

6X MFGによって生成されたフレームも実際にディスプレイへ表示されるため、画面上の動きは基礎レンダリングレートより滑らかに見える。一方、AIが生成する中間フレームは、新しいゲーム状態を計算したフレームではない。

このため、261fpsという表示値だけから、ネイティブレンダリングで261fpsを出しているゲームと同じ入力応答を期待することはできない。操作からゲーム処理、レンダリング、画面表示までの遅延は、基礎レンダリングレート、Frame Generationの処理時間、NVIDIA Reflex、CPU性能、ディスプレイなど複数の要素で決まる。

RTX 5070の約44fpsという概算値も、そのまま「44fpsと同じ操作感」を意味するものではない。ただ、生成後の261fpsだけを見るより、応答性を判断するための重要な手掛かりになる。

高リフレッシュレートディスプレイで映像の滑らかさを重視するゲームでは、Multi Frame Generationの効果を得やすい。一方、入力への素早い反応が求められるゲームでは、表示fpsだけでなくシステム全体の遅延を実測する必要がある。

■ネイティブ227fpsとの単純比較はできない

NVIDIAは別の比較データで、RTX 5090を使用した4Kネイティブ設定が227fps、DLSS 5、Performance Super Resolution、6X MFGを組み合わせた設定が370fpsになるとしている。

後者の370fpsを6で割ると約62fpsになるが、これを227fpsと単純に比較して「レンダリング性能が27%まで低下した」と評価するのは適切ではない。両者ではDLSS 5のニューラルレンダリング、Super Resolution、Multi Frame Generationの有無が異なり、GPUが処理する内容と内部解像度がそろっていないためだ。

このデータから直接確認できるのは、DLSS 5を含む高画質化処理に相応の負荷がある一方、Super Resolutionと6X MFGを組み合わせることで最終的な表示フレームレートを370fpsまで引き上げていることである。各機能の負荷を切り分けるには、同一条件でDLSS 5だけをオン・オフした測定が必要になる。

■正式実装と非公式MODは条件が異なる

『NBA 2K27』の早期アクセス版からは、DLSS 5のニューラルレンダリング用とみられるライブラリが見つかり、MOD制作者が非対応ゲームで動作させた例も報告されている。一部のテストでは大幅なフレームレート低下や不自然な映像が確認された。

しかし、こうした実装は、ゲーム開発者がエンジンへ正式に組み込んだものではない。NVIDIAの開発者向け機能では、効果を適用するオブジェクトや範囲、構造表現や色調への影響を調整できる。『NBA 2K27』では、Visual Conceptsが既存のアートディレクションに合わせて適用箇所と強度を設定している。

非公式MODの結果はDLSS 5の処理負荷やモデルの性質を考える参考にはなるが、『NBA 2K27』の正式実装における性能や画質を直接示すものではない。

■当面はRTX 50シリーズが対象

NVIDIAが発表しているDLSS 5の対応GPUはGeForce RTX 50シリーズであり、RTX 40シリーズ以前のGPUは公式対象に含まれていない。GeForce NOWでは、対応する環境を通じて『NBA 2K27』のDLSS 5を利用できる。

DLSS 5は、映像全体を一律に写実化する仕組みではなく、開発者がゲームの表現に合わせて効果を制御する技術として提供される。実在選手の再現を重視する『NBA 2K27』は、肌、髪、衣服、照明といったDLSS 5の特徴を示しやすい作品といえる。

■購入判断には独立検証が必要

NVIDIAの公式データを見る限り、RTX 5090は1440pで約99fps、RTX 5080は約69fpsの基礎レンダリングレートを確保したうえで、6X MFGによって高い表示フレームレートを実現していると推定できる。

一方、RTX 5070は1440pで約44fps、RTX 5060は1080pで約43fps相当となる。映像の滑らかさは生成フレームによって大きく向上する可能性があるが、基礎レンダリングレートが画質の安定性や操作遅延にどの程度影響するかは、実機で確認すべき部分である。

GPUを選ぶ際は、370fpsや261fpsといった最終表示値だけでなく、使用された解像度、Super Resolutionのモード、フレーム生成倍率を確認する必要がある。DLSS 5による画質向上と処理負荷、生成フレームを含む映像の安定性、システム全体の入力遅延については、正式提供後の独立したベンチマークが判断材料になる。

元記事: DLSS 5 Benchmarks Use 6X Frame Multiplier: RTX 5070 Actually Renders at 44 FPS

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

関連キーワード

関連記事