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売らない人が増える BTC市場はなぜ下落と膠着を繰り返すのか
価格が下がるほど、むしろ持ち続ける人が増えている。ビットコイン(BTC)は直近7万3,000ドル台で推移し、昨年10月の高値(約12万ドル台)から約40%下落した。
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しかし同じ期間、売らずに保有し続ける投資家の数は過去最高水準に達している。なぜそうなるのか。数字を追うと、売り手と買い手の間で起きていることが見えてくる。
■個人の長期保有者が増加
米国のスポットBTC ETF(ビットコイン現物上場投資信託)は、直近で大幅な純流出を記録した。2週間の流出総額は約28億ドルに達し、価格を押し下げた。
FRB(米連邦準備制度理事会)は政策金利の現状維持を続けているが、インフレ再燃を受けて内部では利上げ論も浮上している。利上げ局面ではリスク資産全般が売られやすい。BTCには逆風だ。
その安値を拾ったのが、個人の長期保有者だ。155日以上保有し続ける長期保有者の保有量は現在1,630万BTCで、昨年10月の1,412万BTCから200万BTC以上増え、そのまま動いていない。
調査会社CryptoQuantは、新規の買い手が来ておらず、売り圧力も極めて限定的だと分析する。市場への新規参入は、ほぼ止まっている。
■動かない市場
日本でBTCを保有している人にとって、この数字は他人事ではない。円建てで見れば、BTCは昨年10月のピーク時に1,800万円を超えた。今は1,100万円台だ。4割近く下がった計算になる。
それでも売らずに持ち続けている日本人投資家は少なくない。激しい浮き沈みを知っているからこそ、売らない。
制度面でも変化がある。2026年3月、国内の暗号資産取引所を通じた取引への課税を最高55%から一律20%へ引き下げる法律が成立した。ただし適用は2028年、市場への影響はまだ先だ。
これまで利益が出ても税負担が重く、現金化をためらう投資家が多かった。価格が下がり、制度が整いつつある。それでも今の市場は動かない。
■大きな値動きの前兆か?
BTCはこれまで何度も80%超の暴落を経験し、そのたびに高値を更新してきた。長期保有者の比率が高まった局面は、これまでも繰り返されてきた。
2015年の底値、2018年末の暴落、2020年3月のコロナショック、そして2022年のFTX破綻直後がその代表例だ。
FTX破綻とは、当時世界第2位の暗号通貨取引所が突然崩壊した事件で、BTCは一時1万6,000ドル台まで急落した。
いずれもその後に相場は底を打ち、反転上昇に転じた。構造として共通するのは、売り手が枯渇し買い手も来ていない膠着状態が、大きな値動きの直前に現れるという点だ。その引き金を引くのは、今も静かに待ち続けている資金だろう。
市場は静止している。しかし資金は、眠っているだけだ。
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