ピックルスホールディングス、26年2月期大幅増益、製品価格改定と労務費・物流費抑制が寄与

2026年4月23日 07:30

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 ピックルスホールディングス<2935>(東証プライム)は漬物・キムチ製品の最大手で、独自の乳酸菌Pne-12を使用した「ご飯がススムキムチ」シリーズや惣菜を主力としている。成長戦略としては「野菜・発酵・健康の総合メーカー」「食文化を創造・展開する価値創造メーカー」を目指し、収益性の向上、資本効率を意識した経営、新商品・新領域への挑戦を推進している。26年2月期は大幅増益だった。原料野菜の仕入価格が想定よりも安定したことに加え、製品価格改定など販売条件適正化の進展、労務費・物流費の抑制などが寄与した。27年2月期は物価上昇に伴う全体的なコスト上昇、収益基盤拡大に向けた先行投資の影響で減益予想としている。ただし保守的だろう。積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。株価は27年2月期減益予想を嫌気する形で急落したが、目先的な売りが一巡して出直りを期待したい。

■漬物製品の最大手で「ご飯がススムキムチ」シリーズや惣菜が主力

 漬物・キムチ製品の最大手で、独自の乳酸菌Pne-12(ピーネ12)(特許取得済)を使用した「ご飯がススムキムチ」シリーズや惣菜などを主力としている。さらに野菜・発酵・健康の総合メーカーを目指して外食・小売・農業領域にも展開し、子会社OHが埼玉県飯能市に複合型観光施設として発酵のテーマパーク「OH!!!~発酵、健康、食の魔法!!!~」を運営している。

 22年3月には子会社ピックルスファームを設立して埼玉県内で農業事業を開始した。野菜の生産に関わることで安全・安心な原料野菜を安定的に調達するとともに、農業を通じた雇用創出や地域活性化にも貢献することを目指す。23年9月にはセンシングデバイスや農業資材などを取り扱う複合機能商社であるAsueとの合弁により、さつまいもを原材料とする加工食品の仕入・販売を行う子会社ベジパル(出資比率60%)を設立した。

 また27年2月に会社設立50周年を迎えるにあたり、記念ロゴマークを制定して27年2月期を「50周年アニバーサリーイヤー」と位置付けた。

 26年2月期の品目別売上構成比は製品70.9%(浅漬・キムチ40.2%、惣菜29.6%、ふる漬1.0%)および商品(漬物、調味料、その他)29.1%、販路別売上構成比は量販店74.5%、CVS16.7%、外食・その他8.8%だった。セブン&アイ・ホールディングス<3382>など大手量販店・CVSが主要取引先である。収益面の特性としては、個人消費動向のほか、天候不順などによる野菜(特に胡瓜と白菜)価格の影響を受ける傾向がある。

■成長戦略として新規領域での売上創出を推進

 中期経営目標値(ローリング方式により1年ごとに見直し)としては、29年2月期の売上高440億円、売上総利益94億16百万円、売上総利益率21.4%、販管費73億48百万円、販管費比率16.7%、営業利益20億68百万円、経常利益21億38百万円、親会社株主帰属当期純利益14億20百万円を掲げている。売上高の内訳は品目別で浅漬・キムチ185億95百万円、惣菜120億68百万円、ふる漬5億45百万円、商品127億91百万円、販路別で量販店308億25百万円、CVS68億66百万円、外食・その他63億08百万円としている。

 成長戦略としては「野菜・発酵・健康の総合メーカー」「食文化を創造・展開する価値創造メーカー」を目指し、収益性の向上、資本効率を意識した経営、新商品・新領域への挑戦を推進している。株主還元については配当方針を見直して、累進配当を導入した。

 収益性の向上ではアイテム数の絞り込みによる生産効率化、販売価格の見直し、生産体制の効率化・自動化、原材料調達の見直し・効率化を推進している。アイテム数の絞り込みでは24年2月期の315アイテムから26年2月期には257アイテムまで削減した。販売価格の見直しでは25年5月から主力商品の販売価格改定と内容量変更を同時に実施した。生産体制の効率化・自動化では24年12月に本格稼働した茨城工場において生産性向上を実現するとともに、他エリア生産分の引き受けにより年間を通じて安定した生産体制の構築と生産能力の最大化を推進している。その他の工場における生産効率化の取り組みとしては、所沢工場の専用ラインをグループ会社の手柄食品(兵庫県姫路市)に移管し、西日本エリアにおける「ご飯がススムキムチ」シリーズの生産能力・製造効率の向上を推進する。原材料調達の見直し・効率化では、主要な原料である白菜について契約仕入を拡充するなど、天候リスク・市場環境変化を踏まえた調達を推進している。

 新規事業戦略は、中長期の注力領域を業務用商品の拡張(仕入商品の強化)およびNB商品の進化(ブランディング強化)として、「OH!!!」事業の推進、海外市場の開拓、親和性のある領域でのM&Aの検討、さつまいも商品の開発・拡販、冷凍関連商品の開発・拡販、健康志向商品の開発を推進する。

 サステナビリティ経営では太陽光発電の導入、LED電灯の100%導入、子ども食堂への支援、オリジナルエコマーク「ピックルスのECO」の導入などに加えて、野菜残さを餌としたウニの養殖研究にも取り組んでいる。23年2月には健康経営宣言を策定した。26年3月には健康経営優良法人認定制度において健康経営優良法人2026(大企業法人部門)に認定された。25年に続き2年連続の認定となる。

 なお25年2月末時点でプライム市場の上場維持基準のうち流通株式時価総額が不適合となったため、25年5月28日付で上場維持基準の適合に向けた計画をリリースしていたが、26年2月末時点においてプライム市場の全ての上場維持基準に適合していることを確認した。

■26年2月期大幅増益、27年2月期減益予想だが保守的

 26年2月期の連結業績は売上高が前期比1.4%減の409億23百万円、営業利益が63.0%増の20億85百万円、経常利益が59.7%増の21億48百万円、親会社株主帰属当期純利益が44.4%増の13億84百万円だった。配当は前期比3円増配の29円(第2四半期末15円、期末14円)とした。連続増配で配当性向は26.2%となる。

 大幅増益だった。売上面は消費者の節約志向の影響などで減収だが、原料野菜の仕入価格が想定よりも安定したことに加え、製品価格改定など販売条件適正化の進展、労務費・物流費の抑制などが寄与した。

 品目別売上高は製品が1.0%増の290億円(内訳は浅漬・キムチが1.8%減の164億65百万円、惣菜が5.0%増の121億23百万円、ふる漬が5.1%増の4億12百万円)で、商品が7.0%減の119億22百万円だった、販路別売上高は量販店が3.9%減の304億98百万円、CVSが5.8%増の68億33百万円、外食・その他が8.6%増の35億92百万円だった。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が110億38百万円で営業利益が6億19百万円、第2四半期は売上高が112億83百万円で営業利益が9億50百万円、第3四半期は売上高が95億円で営業利益が2億54百万円、第4四半期は売上高が91億02百万円で営業利益が2億62百万円だった。

 27年2月期の連結業績予想は売上高が前期比0.2%増の410億円、営業利益が12.7%減の18億20百万円、経常利益が13.4%減の18億60百万円、親会社株主帰属当期純利益が11.0%減の12億31百万円としている。配当予想は前期と同額の29円(第2四半期末15円、期末14円)としている。予想配当性向は29.5%となる。

 販管費の抑制などにより外部環境に左右されにくいコスト構造を維持するが、売上高が消費者の節約志向の影響などで横ばいにとどまるほか、物価上昇に伴う全体的なコスト上昇、収益基盤拡大に向けた先行投資(手柄食品工場改修などに伴う設備投資および減価償却費の増加)の影響で減益予想としている。

 品目別の売上高は製品が0.4%減の288億93百万円(内訳は浅漬・キムチが1.4%増の167億03百万円、惣菜が3.7%減の116億75百万円、ふる漬が24.8%増の5億15百万円)で商品が1.5%増の121億06百万円、販路別の売上高は量販店が0.7%増の307億02百万円、CVSが3.4%減の65億99百万円、外食・その他が3.0%増の36億98百万円の計画としている。

 売上総利益は3.3%減の86億07百万円、売上総利益率は0.8ポイント低下して21.0%、販管費は0.4%減の67億87百万円、販管費比率は0.1ポイント低下して16.6%の計画としている。営業利益(前期比2億65百万円減益)の要因分析は、商品売上増による売上総利益増で34百万円増益、販管費減少で29百万円増益、商品原価増による売上総利益減少で2億22百万円減益、製造経費の増加で82百万円減益、製品売上減による売上総利益減で24百万円減益の見込みとしている。

 27年2月期は減益予想としているが保守的だろう。積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。

■株主優待制度は毎年2月末の株主が対象

 株主優待制度については25年12月3日付で株主優待制度の一部変更(拡充、詳細は会社HP参照)を発表した。変更後は毎年2月末時点の100株以上200株未満保有株主を対象として、商品詰め合わせセット、同社グループ会社の運営施設で利用可能な商品券、寄付から1つ選択する。また200株以上保有株主にQUOカード2000円分を贈呈する。26年2月末対象より適用した。

■株価は目先的な売り一巡

 株価は27年2月期減益予想を嫌気する形で急落したが、目先的な売りが一巡して出直りを期待したい。4月22日の終値は1096円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS98円33銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の29円で算出)は約2.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1568円51銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約141億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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