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中外製薬、ロシュとの戦略的提携は確かにプラス 好配当の流れ先にはちょっぴり不満も
中外製薬(4519、東証プライム)。会社四季報特色欄は、「ロシュ傘下で成長続ける異色の医薬品大手。抗体・バイオで先行、抗がん剤、骨・関節領域に強い」と記している。確かに、異色である。
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12月8日付けの『バビースモ、網膜色素線状を対象とした良好な視力改善を示した第III相データを日本網膜硝子体学会総会で発表』と題するリリースを読んだ。商品名であろうバビースモ(眼科用ガラス体内注射液)とは「?」にまず足を止められ・・・ネット検索をしながら読み終えるまで40分余りを要した。よほど、覗き込むのを辞めようかと思ったが・・・
最初に中外製薬に興味を持った時の印象が、強烈だった。2002年にスイスの大手医薬品メーカー:エフ・ホフマン・ラ・ロシュと戦略的アライアンスを結んだ。実質的に6割近い株式を握られての、ロシュHDによる買収だった。
だが中外製薬はその後も東証に上場し続けた。一定の独立性を維持し続けている。「買収」当時のCEO:永山治氏は「買収ではなく戦略的提携」と語った。
“戦略的提携”が耳新しい言葉であったこともあり、私の耳には「新鮮」に響いた。四半世紀近くが経ったいま「政策投資による持ち合い株式」の是非が問われたりしているが・・・
件の戦略的提携が、中外製薬にユニークなビジネスモデルをもたらしている。ロシュは「医薬品」「診断薬」事業を主軸に、国際展開をしている。そんなロシュ製品の国内販売権を中外製薬は有している。
対して中外製薬製品のグローバル展開を、言葉を選ばずに言えばロシュが「橋頭保」的な役割を果たしている。手元の四季報業績欄は【増】の見出しで、「国内は薬価引き下げや後発品浸透の影響で横這い。だが血友病薬:ヘムライブ、リウマチ薬:アクテムラのロシュ向け輸出が想定超」としている。
2021年12月期から前24年12月期の収益動向は「27.0%増収、40.1%営業増益」-「26.0%増収、26.4%増益」-「11.8%減収、17.7%減益」-「5.3%増収、23.4%増益」。今12月期は「1.7%増収(1兆1900億円)、2.5%増益(5700億円)」計画。
いささか?を感じるのは連続増配の動き。21年12月期:76円配が今期予想は創業100周年特配を加え250円配。79.5%の特定株比率に対し浮動株比率1.1%。配当の大方はどこに向かうのか・・・
本稿作成中の株価は8150円どころ。予想税引き後配当利回り2.45%余。過去10年近くの修正済み株価パフォーマンスは5.86倍。IFIS目標平均株価8693円。どう対応するか・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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