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金価格急落が示唆することとは?
●金価格が急落
10月21日、金価格が3%超下落した。前日には過去最高値を更新していたが、翌22日には1オンス=4032ドルまで下落するなど、2013年以降最大の下落とも言われている。
【こちらも】米地銀信用不安の気になる影響は?
米FRBの利下げや米中貿易摩擦など、金が買われる状況が続き、過熱感が強まっていた。2020年のコロナショック以降、特に“有事の金”を買う動きが強かった。
今回の下落は利益確定売りとの見方が強いが、それだけで終わるのだろうか?
●銀も急落!?ビットコインは上昇
銀価格も10月に最高値を付けていたが、こちらも急落した。金同様に安全資産としての目的だけでなく、太陽光パネルや電子機器への需要に対する期待も高まっていた。
金と銀の下落を受けて、貴金属採掘株も大きく下落した。
この2カ月、金の上昇に反比例するように下落していたビットコインは、11.3万ドル(約1700万円)を回復した。
金価格からビットコインに資金移動があったとの見方もある。
●すぐに戻るのか?
今回の下落は、世界第2位の金消費国であるインドで、ヒンドゥー教最大の祭典「ディーワリー」が終わり、需要が弱まったとの見方もある。
22日に1オンス=4000ドル割れも危ぶまれたが、下げ止まった後に小幅ながら反発している。
同じ日、ネットフリックスの業績がさえなかったことに加え、トランプ政権が米国製ソフトウェアを使用した製品の中国への輸出制限を検討していると伝わり、NYダウは330ドル超下落。23日の日経平均も一時900円超安となった。
今週は米政府機関の閉鎖が終了するとの期待感もあり、金価格にとっては下落要素も混じる。
今までが買われ過ぎていた感があったが、これから有事が去り、利下げへの期待があるとはいえ、金から株式市場へと資金流出するような状況でもない。
これから延期されていた米政府機関の経済指標が続々と発表され、金価格にも大きな影響を与えかねない。
4000ドルを挟んだ攻防は続くかもしれないが、ここから急上昇も難しいかもしれない。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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