ワークマンのブルー・オーシャン戦略とは 知恵袋は誰か

2025年10月4日 10:49

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 ワークマン(7564、東証スタンダード市場)。作業着や関連用品専門チェーンをFC主軸に展開。諸々、話題を提供してくれる企業である。

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 「面白い会社だな、へぇ~」とそもそも思ったのは、「SNSなどのインフルエンサーが目をつけている」と若手の記者から聞かされた時だった。インフレエンサーには「企業/商品の推し」という一面がある。

 件の若手記者は「オートバイの愛好家が、ワークマンのブルーカラー向けの高機能商品を便利に使っている。滑りづらい靴底の靴を好んで履いている。滑りづらいことから妊婦の、台所用の履物としても重宝されているようだ」とした。「インフルエンサーを活用」しているか否かはともかく、面白い販売戦略を執るものだと感心した。

 その当たりの詳細については各位の方が詳しいだろうから詳細は省くが、ワークマンを覗いていくうちに幾つかの「ポイント」に出会った。

 今号の会社四季報は【出店戦略】の見出しで材料欄に「カラーズ店(ファッション店)限定で法人FC導入し募集開始」としているが、ワークマンはこれまで法人向けビジネスは回避し個人営業に徹してきた。

 「ブルー・オーシャン戦略」と言うのだそうだが法人ビジネスはそもそも、「競争の激しい市場:レッド・オーシャン(赤い海)/不毛の地」。可能な限り脱却。競争の少ない未開拓市場ブルー・オーシャン(青い海)に注力する。低コスト化と高付加価値を取りにいく。欧州経営大学院の教授の著書で述べられた経営戦略だという。

 指摘されてみると、例えばワークマンのメディフィールは「入院患者」等に向け個人市場で販売している。法人市場との対峙はない。

 価格競争に巻き込まれにくい⇔投資費用は少なくて済む⇔「利上げもしやすい/利益を積み重ねやすい」。がレッド市場で勝つことに比べれば利益は薄い/顧客を容易には把握しにくい。だからインフルエンサーか・・・

 ワークマンは、なかなかに「知恵者企業」。前出の若手記者は「現状で知恵の要は土屋(哲雄)専務、と言われている」とした。

 ワークマンは群馬県前橋市に本社を置く、ベイシアグループの一社。ベイシアグループの総帥:土屋嘉雄氏は土屋氏の叔父。三井物産で社内ベンチャー立ち上げや海外現法に携わった土屋氏が退社後、「なにもしなくていいから」と巧みに誘われ2012年にワークマンの常務に転じている。

 ワークマンの今3月期は前期の「3.2%増収、5.4%営業増益」に続き、「7.5%増収、6.6%増益」と着実増計画。

 本稿作成中の株価は6200円台。IFIS目標平均株価5273円。買われている。が過去9年9か月余の修正済み株価パフォーマンスは3倍強。資産形成株の域入りの感も覚えるが・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

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