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7期連続増収増益が濃厚:ウィルの原点は、創業者:伊知地氏の意志(will)
ウィル(3241、東証スタンダード市場)。関西地盤の不動産会社。中京・首都圏にも進出。分譲は戸建中心。売買仲介、リフォーム強化。
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会社四季報は業績欄の見出しを【増額】とし、今2025年12月期を(会社予想比で)独自増額している。
好収益の階段を着実に上っている。19年12月期から前24年12月期の推移は「3.4%増収、29.7%営業増益」-「27.1%増収、5.8%増益」-「9.1%増収、20.1%増益」-「9.1%増収、9.8%増益」-「22.0%増収、8.6%増益」-「14.4%増収、12.2%増益」。そして今12月期も「8.5%増収(140億7600万円)、8.4%増益(12億1400万円)」計画。
四季報は「145億円、13億円」予想。その根拠は第2四半期の実績に求められよう。「前年同期比17.6%増収、39.8%増益」。下半期に突発性下落要因が発現しない限り、7期連続増収・増益の可能性が高い。
2008年のリーマンショックに晒された。財務諸表にGC注記(企業継続に重要な疑義あり)と記された。が、乗り切った。
ウィルの苦境に際して強さ、乗り切った後のいまに至る好調さはどう捉えるべきか。注目したいのは、創業期の在り様だと捉える。
創業者:伊知地俊人氏は、中堅不動産の幹部社員。バブル崩壊後の在庫物件の営業を担った。こう語り残している。
「リストラで仲間を辞めさせながら。売りたくもないもの、売れもしないものを売る。疲弊しきってプライドもなにもあったものではない」。
売り切ったのと同時に、辞表を書いた。「伊知地さんが辞めるなら」と後を追うスタッフが相次いだ。「自分たちの会社を創ろう、と思った」。こうしてウィルは、知り合いの不動産業者から貸してもらったビルの2階に間借りして産声を上げた。伊知地氏は創業にあたり、こう考えたという。
「不動産業界のイメージを変えたい」
「心を打つ仕事をしたい」
「プライドのある会社を創りたい」
そうした創業の意志を貫こうということから、社名をWILL(意志)としたという。
伊知地氏は2023年8月、創業30周年を機に辞表を提出。60歳にして会長職から相談役に退いた。
本稿作成中の株価は550円水準。年初来高値ゾーン。予想税引き後配当利回り2.8%余。予想PER8.64倍と過熱感は薄い。全体相場に引きずられ4月7日に400円で底打ちし、買い戻された状況。
過去9年余の修正済み株価パフォーマンスは87%水準。5万円台で取得可能な、中長期構えの資産株候補。連続増収増益基調を確認しつつ、「焦らず騒がず」が賢明か・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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