過去9年半余の修正済み株価パフォーマンスは5倍超、IFIS目標平均4750円 ダイダンの株価動向

2025年7月4日 09:57

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 ダイダン(1980、東証プライム市場)の前身:菅谷商店は、1903年(明治36年)に菅谷元治氏により個人商店として設立された。が早々に「大阪電気暖房商会(略してダイダン)」に法人化。爾来、電気・空調・水道環境・消防施設etc、広範な設備工事の大手として存在感を示している。

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 収益動向は堅調。2021年3月/22年3月期こそコロナ禍の影響で設備投資の足踏みから営業減益を余儀なくされたが、以降は「14.1%増収、11.1%営業増益/6.2%増収、29.1%増益/33.1%増収、11.1%増益と推移」。

 この間、21年3月期の90円配は163円配に至っている。そして今3月期も「1.0%減収(2600億円)、2.0%増益(235億円)、2円増配165円配」計画。

 そして注目したいのは至27年3月期の中計。5月9日に上方修正。「売上高2700億円(25年3月期比2.8%増収、4.3%営業増益)、3年間の累計成長投資額430億円、DOE4.8%下限(0.8P増)」。

 修正の理由を「初年度25年3月期が受注環境の好転や大型工事の順調な推移、中期経営計画の施策効果もあり、目標を上回る結果となった。結果を受け、足元の受注動向、米国関税政策による内外設備投資の先行き不透明感、引き続き厳しい施工余力の状況等も総合的に勘案し、業績目標および財務戦略指標を修正」としている。

 ダイダンを覗き込んで、いくつか問いたい点が頭に浮かんだ。それは同業者も同じ様で、前3月期の決算説明会の質疑応答集にも記されていた。私が尋ねたかったのと同様の質問とダイダン側の答えはこんな具合。

<配当性向40%への引き上げ、DOE導入は評価するが株主還元策の主役の座になりつつある自社株買いに対する考え方は>: 「排除するものではない。継続的に検討し、機動的に実施していく考えだ」。

<完成工事利益率をどう捉えているか>: 「17%台を目標に掲げている。同業他社では既に達成している企業もある。大事な課題だと認識している」。

 問いたいと考えたのは、株価がもっとも気にしている点と考えたからだ。とりわけ二つ目はダイダンの株価を更に「キラキラ」させてくれるポイントと言える。

 ダイダンの本稿作成中の株価は4500円台入り口、年初来高値水準。予想税引き後配当利回り2.5%強。年初来安値2917円(4月7日)で底を入れ6月10日の4450円まで買われた後の揉み合いから再上昇場面。

 過去9年半余の修正済み株価パフォーマンス5倍強や、IFIS目標平均株価4750円を勘案すると中長期対応が賢明と言えるが、だけに「完成工事利益率」は「更にキラキラさせてくれる」要因と言える・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

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