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鶴岡CEOの親孝行で生まれたBASEの収益大好転&Eストアー買収、どう捉えるか!?
親孝行企業が、一皮むけ始めている。それを収益動向で確認した。
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BASE(4477、東証グロース市場、以下ベイス)は2012年、現CEOの鶴岡裕太氏により創業された。「親孝行企業が」云々と記したのは、こんな理由からだ。
鶴岡氏は「趣味はインターネット」という御仁。学生時代から幾多のプロジェクトを起ち上げている。その一つがBASE。改めるまでもないだろうがベイスは「個人、小規模企業向けECプラットフォーム:BASE」の運営を手掛ける企業。
私が日本ネット経済新聞の取材でベイスに首を突っ込んだ際に鶴岡氏の口から前記の経緯を、そして「ネット販売の拡充期に大分で洋装店を営んでいた母親の『ネットショップをやってみたい。でも資金もないしそういう技術もないから、無理よね』という一言に、背中を押されて・・・」と聞いた。
当時の取材時に広報担当者は「当社の特徴は、かんたん決済。BASEの画面上でショップを開設すると、最短でその日に決済機能が得られる。クレジットカードやキャリア決済、Amazon Payなど多様な決済手段が利用できる」とし、かつ「月額費用・初期費用無料、商品登録数無制限。商品が売れた時に手数料が発生するだけ」と説明された。「うちのお袋でもネット販売がやれるように」という、鶴岡氏の思いを改めて知らされた。
そうしたベイスだが2022年12月期の10周年目以降、収益動向に明らかな変化が見て取れる。22年12月期の営業赤字は15億800万円。それが23年12月期には赤字4億2500万円に、24年12月期は8億300万円の黒字に転換。そして今12月期は「29.4%増益(10億円)」計画。開示済みの第1四半期は「前年同期比89.1%増益の3億8900万円」。24年12月期の決算資料は、こう発信している。
「流通総額、月間売店数及び1ショップ当たりの月間平均GMVがともに増加。月額有料プラン(グロースプラン)を月額5980円から1万9980円に値上げも、他社への移転等は想定よりも抑制され・・・」。
グロースプラン=有料プランだが、一定の売上(月商17万円)を超えると月額ありの方が全体的なコストが安くなる仕様になっている。言い換えれば、それだけ活用しているEC社(者)の売上が着実に増加している結果という証しだ。
本稿作成中の株価は380円台前半。が気になるのは同業のEストアー(4304、東証スタンダード市場)へのM&Aの動向。手元の四季報:材料欄は【攻勢】の見出しで「33億円で7月中旬に買収へ、成立なら表記業績に上乗せ」としている。さて・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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