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And Doホールディングス、3Q累計営業・経常減益も通期増益予想は据え置き、事業譲渡益と他事業の成長でカバー
And Doホールディングス<3457>(東証プライム)は5月13日に25年6月期第3四半期累計連結業績を発表した。ハウス・リースバック事業におけるファンドへの譲渡減少等により減収、営業・経常減益だったが、事業譲渡益計上により最終増益だった。そして通期の増益予想を据え置いた。積極的な事業展開により通期ベースでの収益拡大を期待したい。株価は急伸して年初来高値を更新する場面があった。指標面の割安感も評価材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。
■25年6月期3Q累計営業・経常減益だが通期増益予想据え置き
25年6月期第3四半期累計の連結業績は売上高が前年同期比4.6%減の470億円、営業利益が30.1%減の16億96百万円、経常利益が23.2%減の17億23百万円、親会社株主帰属四半期純利益が12.9%増の16億86百万円だった。
ハウス・リースバック事業におけるファンドへの譲渡減少等により減収、営業・経常減益だったが、事業譲渡益計上により最終増益だった。子会社のハウスドゥ販売管理の賃貸部が展開する賃貸管理・仲介・修繕工事等の事業を25年3月末にアーキテクト・ディベロッパーに譲渡し、特別利益に事業譲渡益7億66百万円を計上した。
フランチャイズ事業は売上高(調整前)が0.9%減の24億12百万円、営業利益(調整前)が4.5%減の14億27百万円だった。小幅減収減益だった。累計加盟店数(レントドゥ含む)は13店舗増加して718店舗、累計開店店舗数は2店舗減少して623店舗となった。
ハウス・リースバック事業は売上高が33.0%減の122億04百万円、営業利益が36.3%減の13億08百万円だった。HLBファンドへの譲渡が減少して大幅減収減益だった。契約件数は212件減少して674件、物件取得数は203件減少して678件、期末保有物件数は33件増加して751件、期末保有物件総額(退去分除く取得時価格累計)は2億38百万円増加して106億14百万円となった。なお営業外収益の匿名組合投資利益として計上しているHLBファンドからの利益分配5億44百万円(前年同期は2億60百万円)をセグメント業績に含めると、セグメント営業利益は20.0%減の18億52百万円となる。
金融事業は売上高が26.1%増の4億24百万円、営業利益が183.8%増の1億41百万円だった。大幅増収増益だった。リバースモーゲージ保証の新規保証件数は29件減少して365件、保証残高は84億97百万円増加して266億70百万円となった。なお不動産担保融資は戦略的に縮小(融資残高は2億68百万円減少して16億64百万円)している。
不動産売買事業は売上高が中古住宅を中心に伸長して14.9%増の296億82百万円だが、営業利益が人員増強の影響などで12.7%減の17億28百万円だった。取引件数は172件増加して859件だった。
不動産流通事業は成長強化事業への人員シフトにより売上高が17.1%減の10億41百万円、営業利益が23.3%減の3億37百万円だった。仲介件数は181件減少して1116件だった。
リフォーム事業は売上高が5.9%減の16億44百万円、営業利益が12.5%増の1億67百万円だった。契約件数は87件減少して1012件、完工件数は96件減少して1042件だった。
全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が145億45百万円で営業利益が3億84百万円、第2四半期は売上高が223億82百万円で営業利益が12億20百万円、第3四半期は売上高が110億73百万円で営業利益が92百万円だった。
通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が24年6月期比3.6%増の700億円、営業利益が11.5%増の40億円、経常利益が15.7%増の40億円、親会社株主帰属当期純利益が6.6%増の26億40百万円としている。配当予想については24年6月期比2円増配の45円(期末一括)としている。連続増配で予想配当性向は33.9%となる。
セグメント別利益(調整前営業利益)の計画は、フランチャイズ事業が9.4%増の22億円、ハウス・リースバック事業が1.3%増の32億50百万円、金融事業が128.2%増の2億40百万円、不動産売買事業が19.4%増の28億50百万円、不動産流通事業が10.0%減の5億20百万円、リフォーム事業が14.6%減の2億円としている。
25年6月期も増収増益で連続増配予想としている。フランチャイズ事業は引き続き都市部の開発に注力し、人材やプロモーションへの積極投資を行う。ハウス・リースバック事業は不動産売買事業とのバランスを見つつ、取得件数の拡大を目指す。金融は保証残高の積み上げを加速し、付随する不動産取引の獲得によりグループ収益への貢献を目指す。不動産売買事業は回転率にも留意し、グループ業績の牽引役としてさらなる飛躍を図る方針だ。
第3四半期累計の進捗率は売上高67%、営業利益42%、経常利益43%、親会社株主帰属当期純利益64%とやや低水準の形だが、積極的な事業展開により通期ベースでの収益拡大を期待したい。
■株価は上値試す
株価は急伸して年初来高値を更新する場面があった。指標面の割安感も評価材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。5月13日の終値は1343円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS132円62銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想の45円で算出)は約3.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS865円07銭で算出)は約1.6倍、そして時価総額は約267億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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