総合福祉企業を標榜するケア21の「具体的施策」と、スタッフ重用の現状

2024年3月17日 17:56

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 訪問介護に始まり在宅介護・施設介護等々を600超の事業所で展開している、ケア21(東証スタンダード)が標榜しているのは、総合福祉企業。

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 ケア21から3月初旬、『【ワンストップサービス】ケア21の障がい者(児)支援複合施設「リールスガーデン井高野」開設』と題するリリースが送られてきた。RiRus(リールス)は仏語で「笑う」を意味するrire(リール)と、英語で「私たち」を意味するus⇔「明日」をもじった造語とか。リールスはいま、ケア21が最も注力している分野である。具体的には、こんな内容だ。

◆リールスメイト: 未就学児~高校3年生対象の、放課後等デイサービス・児童発達支援。

◆リールスメディカル: 未就学児~高校3年生の重症心身障がい児対象の、放課後デイサービス・児童発達支援。

◆リールスライフ: 18歳~64歳の重度障がいがある人が通い介護支援を受けながら、日中の生活を過ごすサービス。

◆リールスジョブ: 18歳~64歳の障がい者に対する、就労継続支援A型の実施。

◆リールスワーク: 18歳~64歳の障がい者に対する、就労継続支援B型の実施。

 ケア21の創業者:現会長の依田平氏に初めて会ったのは、かれこれ10年余り前になる。当時から既に、福祉・介護の現場で働くスタッフの処遇が業界の課題として問題視されていた。

 依田氏が日頃「介護は人材が大事」と口にしていることは、承知していた。是非直接会ってみたいと思ったキッカケは、「定年制廃止の方針」というニュースだった。真摯な喋り口調だったと記憶している。「報酬に成果主義の導入」「利益の一部を報酬として還元」「退職金制度の導入」を、直接本人の口から耳にした。

 現社長の依田雅氏は2代目。今回送られてきたリリースを契機に、「介護は人材が大事」とする施策がどんな風に行われているのかを問い合わせてみた。こんな答えが返ってきた。

 「今年2月から介護職員処遇改善支援補助金がスタートしたことに伴い、当社では2月分の給与から早々に反映した」

 「2022年に大阪、23年に東京に研修センターを開設。入社時・入社2カ月・適宜フォローアップ研修・入社1カ月後面談を、オンラインシステムも導入し実施している」

 「ケア21こころの相談窓口で、外部のスタッフも含めカウンセリングを実施」

 ちなみにケア21では、ベトナムで日本人学校を本格稼働。卒業生は日本の施設で介護の知見を蓄え、将来的には開設予定の現地施設での就労も視野に入れている。また件の「定年廃止」も間近な状況。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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