JR西、鉄道資産活用し社外企業の課題を解決 新たなビジネスモデル創出へ

2024年1月19日 09:50

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 JR西日本(大阪府大阪市)は、グループでこれまでに培ったノウハウや技術等の鉄道アセットを活用し、社外企業の課題解決にも取り組み、新たなビジネスモデルの構築を目指している。

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 これまでの活用事例としては、清掃ロボットの導入支援がある。JR西日本では、これまで様々なロケーションで清掃ロボットを活用してきた経験から、特定のメーカーに偏らず豊富な知見を持つ。

 清掃業は人手不足で業務の効率化や省力化が求められているため、導入支援の需要があると言う。企業の現行の作業工程や施設構造を把握し、最適な機種を選定。初期設定や導入効果の算出し、導入後の従業員教育まで手掛ける。現在、病院やオフィスビルへの導入案件が具体化しそうな段階だ。

 鉄道会社に向けては、車両のリニューアルや転用を支援する。短編成化や観光列車化、ワンマン化などサービスにあった車両のリニューアルをサポートする。

 その他にも、鉄道会社の課題を解決するソリューションを応用した提案を行っている。大阪・関西万博の開催に向け、ユニバーサルな案内の需要が高まっている。AIによる、音声認識やデバイスの案内システムを自治体や交通事業者向けに提案。現在、実証実験を複数行っている。

 同社はこれまで、安全で安定した鉄道輸送の実施や生産性向上のための取り組みを行ってきた。鉄道関連のアセットをもとに獲得した知見をベースに、社会課題を持つ企業に伴走。新たなビジネスモデルを構築し、収益を獲得する。

 2023年11月には、新規商品の企画から納入までを手掛ける「ソリューショ営業企画部」も新設した。鉄道会社ならではの、駅コンコースや周辺施設を用いた実証実験が行えるため、ソリューションのブラッシュアップも行える。

 グループ各社の人材を集めて技術営業部隊を立ち上げるなどし、グループ全体で営業企画を大なう対外人材の育成も行っていると言う。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る

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