中計を引っ提げ7月上場:トライトに「小さく生まれ大きく育つ」可能性を覚える理由

2023年10月30日 16:18

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 トライト(東証グロース)。2023年7月24日に上場した株式市場の「未だ湯気が立つ」新顔。介護・看護・保育(医療福祉関連)の人材紹介が主軸。建設分野へも領域を広げている。

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 2021年12月期はリファイナンスの影響でがあったが単月では黒字。22年12月期も営業利益・純益揃って黒字。そして今12月期は「19.19%増収(527億円計画)、22.10%営業増益(72億7600万円)、19.0%最終増益(43億900万円)」計画。トライトの利益は中間期に集中する。その第2四半期は前年同期比「21.0%増収(291億3500万円)、37.8%営業増益(69億6200万円)、36.4%最終増益(46億7300万円)」。

 上場3カ月、かつグロース市場銘柄としては極めて稀。IFIS目標平均株価が算出されている。1150円。詳しく調べてみると外資系大手2社のアナリストが「1100円/1200円」と予想した結果だ。

 そして既に、至2025年12月期の中計を引っ提げて登場。22年12月期末に対し、「売上高年率約20%台前半」「EBITDA約30%台前半」「純益はEBITDAと同水準又はそれを上回る水準の成長」を掲げている。説明の必要はないだろうが、EBITDA約30%平均成長は「経営戦略としてM&Aを活用する」という宣言。

 こうした強気の背景には、介護福祉業界の人手不足・体制整備が喫緊の課題がある。

 政府は「医療福祉業界の従業者数は2025年度に931万人(従業者数全体の14.7%)、2040年度には1065万人(18.8%)と長期的に増加する。生産年齢の減少と言う状況下でも、医療福祉業界への他業種からの流入が見込まれる。医療福祉業界への需要は、今後一層増加する」としている。また厚労省は「2040年には約280万人の介護事業者が必要とされる。2019年比で約69万人の不足が見込まれる」と推定している。

 こうした状況に対してトライトが強気の姿勢を示すのは、背景には実態がある。2021年段階で同社の人材斡旋数は「介護業界/保育業界1位」、「看護業界2位」。そして、現状で医療福祉関連の登録者数は170万人を超えている。

 トライトのIPOに際しての公開価格は1200円。対して7月24日の初値は1133円。小さく生まれた。本稿作成中の時価は780円台。未だ「大きく育っている」とは言い難い。が記した市場環境やその立ち位置、強気の中計を勘案するとまずは初値奪還を待ちたいと思うが・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

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